INTERVIEW
KOOPA
2009.07.03UPDATE
Member:Ollie Coper(Vo&Gt)Joe Murphy(Ba&Vo)
Interviewer:MAY-E
-あなた方は、曲作りをしようと肩に力を入れるのではなく、曲が降りてくるのを待っているそうですね。確かに曲はより自然発生的であるほど、いいものになるとも思うのですが、レーベルと契約を結んだ今、期限までに曲を作ることを求められることもあるんじゃないかと思いますが、そういうこれまでにない苦労などはありませんか?
O:そういう苦労は今のところないね。僕はずっと楽曲を作り続けてきたから、すでに200~300曲くらいのストックがあるんだ。だから、もし締切を設けられたとしても、それが苦になることはないよ。例え、もし指定された締切までに曲が出来なかったとしても、ストックしてある曲の中からもってくればいいだけのことだから。だから、ディールが発生したことを僕らは変化としてとらえていないんだ。
J:そう。常に曲を書き続けているし、今だって、次のアルバムを作ろうと思えばすぐに作れてしまうくらいの楽曲があるんだからね。だから、レーベルから与えられるそういうプレッシャーは全くないね。逆に僕らの方からレーベルに対して新作を早く出させるようにプレッシャーをかけたいくらいだよ。
-なるほど。ですが、これまでのように自分達で全てをコントロールするのは難しくなってくると思うのですが、実際のところいかがですか?
O:もちろん、全てを自分達の思い通りにコントロールしたいという気持ちはあるよ。一緒に仕事をすることになったレコード会社の人間が、僕らの意見をちゃんと聞いてくれて、それに同意してくれたからこそ、今のレーベルと契約を結んだんだ。そういう場所での大人の意見にはちゃんと耳を傾けようとも思っているしね。
もし僕らがやりたい具体的なものがあったとして、それに対して同意をしてくれた人の意見は聞くけれど、僕らのやりたいことを理解してくれてもいない人の意見は聞くつもりはないよ。理解していない人にそれ以上の意見を言ったところで、それは意味のないことだから。ただ単にアルバムに名前を載せてもらいたいだけの背広を着たおっさんが、何もしていないのにエグゼクティブ・プロデューサーを名乗っちゃったっていう話とか、そういうことに同意するつもりもない。僕らは自分達の意見は通すつもりだし、嫌なことははっきりと嫌だと言うよ。Markのように僕らとものを見る視点が一緒で、尚且つリスペクトしている人からのアドバイスには、もちろん耳を傾ける。アドバイスする人によって、変わってくるよね。
-音楽のDL販売については、前回のインタビューで肯定的な意見を聞かせてくれましたね。
J:僕らはもともとDL販売に拘っていたわけではなくて、単純にお金がなかっただけなんだよね。自分達の作った音楽をリリースしたかったけれど、CDを作ることが出来なかったんだ。だから、予算の問題でDL販売していただけさ。
O:そう、いかに安くリリースするかを考えると、DL販売という方法にせざるを得なかったんだよ。もしCDとしてリリースすれば、例えば他の国にツアーに行った時に、その国のHMVとかにも自分達のコーナーが出来ているのを見ることが出来たら嬉しいしね。
J:DL販売はリスナーにとっても気軽に聴けるものだし、インターネット上のものだから指一本で買えるわけだ。そういう垣根の低さも、僕らの音楽がこれだけ広まった理由の一つだろうと認識しているよ。
-あなた方はドラム、ベース、ギターの3つの楽器の生の音を大切にしたサウンド作りをしていますね。「変わらずにファンの求める音楽をやり続けることが大切だ」と語るNEW FOUND GLORYのようなバンドもいれば、「バンドに変化は大切だ」としてアルバム毎に少しずつスタイルを変えていくバンドもいますが、あなた方は将来どんなバンドに、そしてサウンドになっていくんでしょうか?
J:僕らはNEW FOUND GLORYのように‘ファンが求める音楽’を意識するバンドではないかな。ファンが求める音楽がどういうものかを考えたこともない。
O:これから先の僕らのバンドのサウンドや方向性がどういうものになるのかは、全く未知の領域だよ。だけど確実に言えるのは、僕ら自身が好きな音楽を作って、それをリリースすることだ。いつも想定しているのは、僕らの曲を聴いてくれた人がライヴに来てくれた時のことだね。ステージ上ではドラム、ベース、ギターの3つだけでやっているから、もしレコーディングで他の楽器を使ったとしても、ライヴでそれを再現するのは簡単なことではないんだ。だから、ライヴで表現できるかどうかを常に考えてレコーディングはすると思う。
J:NEW FOUND GLORYも、変化がないわけじゃないよね。キーボードの使い方が斬新な曲もあったりするし。核となるサウンドを持ちつつ、少しずつ変化をしているんだと思う。ファンが求めるものを作るという認識はなくても、僕らの音楽をずっと聞いてきてくれているファンであれば、僕らが新たに作る曲はきっと好きになってくれるだろうしね。FOO FIGHTERSやGREEN DAYなんかの息の長いバンドに共通しているのは、自分達のやりたい音楽と真摯に向き合っているところだと思う。GREEN DAYの新作についても、今のGREEN DAYというのは21世紀のGREEN DAYなんだから、『Dookie』の頃と比べると確かに違う。だけど、新作の中にもBillie Joeらしさはしっかりと存在している。僕らもそうやって真摯に音楽と向き合って、楽しみながらやっていこうと思うよ。