INTERVIEW
KOOPA
2009.07.03UPDATE
Member:Ollie Coper(Vo&Gt)Joe Murphy(Ba&Vo)
Interviewer:MAY-E
-2000年から2001年にかけての大きなポップ・パンクのムーヴメントがあなた方のバックグラウンドだそうですね。ムーヴメントが去ったあともポップ・パンクを鳴らし続けたあなた方は、周りからの抵抗などは一切受けなかったですか。
J:確かに大きなポップ・パンクのムーヴメントはイギリスでもあった。トレンドというのはいつの時代もあることだし、流行り廃りは感じてはいたよ。だけど、イギリスという国には‘ポップなものが好き’という国民性がある分、ムーヴメントが去った後も、ポップ・パンクを否定するような動きはあまりなかったんだ。
O:僕ら自身もトレンドに逆らっているという意識もなかったしね。それに僕らはトレンドに合わせてサウンドを変えるタイプのバンドでもないし。僕らは僕らがやりたい音楽をずっとやり続けて来たんだ。最近はBLINK-182が再結成したし、ポップ・パンクが再び注目を集めることになるだろうと思っているよ。僕らにも追い風が吹いてくるんじゃないかな。
-イギリス国内のポップ・パンクに対するイメージは今また変わりつつあるんでしょうか。
J:うん、イギリス国内でもポップ・パンクの人気が戻りつつあるのは感じているよ。
O:特に今年はGREEN DAYが新作を出したし、BLINK-182も再結成したしね。世界的にもビッグなバンドである二つのバンドがシーンに戻ってきたんだから、この流れに逆らうことは誰にも出来ないだろう。さらにRANCIDも新作を出す予定だし、ポップ・パンクのトレンドは完全に復活するんじゃないかと思っているよ。
-そのGREEN DAYの新作やRANCIDの新作はもう聞きましたか?
J:RANCIDはまだ聴いていないんだ。まだイギリスではリリースされていないからね。もちろん、リリースされたらすぐに聴くつもりさ。GREEN DAYの新作については最近忙しくてじっくり聴き込む時間がなかったんだけど、ちょうどこのツアーの為にイギリスから日本に向かう飛行機の中で一回聴いてきたよ。『American Idiot』と『Dookie』の真ん中くらいっていう印象を受けたな。良かったよ!
-そのGREEN DAYをはじめ、BLINK-182、THE OFFSPRING、SUM41など、前回のインタビューでOllieが挙げてくれた‘影響を受けたバンド’は皆アメリカのバンドですが、イギリス国内の音楽には大きな影響は受けなかったのでしょうか?
O:それはSEX PISTOLSやTHE CLASHなんかのパンク・ロックのことかな?だとしたら、僕らはそれらのバンドには全く影響を受けていないと言えるね。なぜなら僕らはその時代にはまだ生まれていないからさ(笑)。生まれる前の音楽ってどうしても素通りしちゃうよね。
物心ついて音楽を聴き始める年代って、十代の前半だと思うんだけど、その頃に初めて出会ったパンク・ミュージックがGREEN DAYやBLINK-182やTHE OFFSPRINGだった。それらを聴くようになって、ようやくSEX PISTOLSやTHE CLASHを知ったくらいさ。それに僕がGREEN DAYに出会う以前に聞いていた音楽は、SPICE GIRLSだぜ?(笑)まぁそんな感じでGREENDAYやBLINK-182をきっかけにSEX PISTOLSやTHE CLASHを聴いてはみたけれど、当時のメインストリームのミュージックとしては良かったのかもしれないけれど、僕の世代が夢中になるような音楽ではなかったな。
J:どちらかと言えばイギリスのパンク・ロック・シーンではなくて、OASISやKASABIAN、THE FRATELLIS、THE KOOKSなんかに代表される僕らが育ってきた環境の中で大きくなっていったインディー・ロック・シーンのバンドの方が影響を受けていると言えるかな。
O:僕らにとってのパンク・ロックって、イギリス国内のものではなくて、もっとアメリカ寄りのものなんだ。それにイギリスの初期パンクよりも、アメリカのNIRVANAの方が好きだしね。僕らにとって、‘ポップ・パンク’はアメリカのもので、‘パンク’はイギリスのものという認識があるんだ。そして‘パンク・ロック’になると、もっとオールドスクールなイメージになる。例えばNIRVANAなんかは‘パンク・ロック’に入るけれど、Johnny Rottenは‘パンク’だと捉えている。そのバンドが生まれた国でジャンルが括られるのは自然なことだと思うよ。
J:僕が生まれた1980年はパンク・ロックの全盛期だ。生まれた直後のトレンドなんて、本人には分かりっこないよね。もし、その当時の音楽シーンを体験出来ていたとしたら、きっと今よりもっと音楽を楽しめたと思うけど、僕らの世代にとってリアルなものはBLINK-182をはじめとしたアメリカのポップ・パンク・バンドなんだよ。
O:パンク・ロックが発生したのはイギリスだけれど、それをアメリカ人の耳に聞きやすいようにアレンジされたのがポップ・パンクなんだと思う。SEX PISTOLSやTHE CLASHなんかの初期パンクって、国家を批判したり、親に反抗したり、アティチュードやファッションやライフスタイルまで全部ひっくるめた意味でのパンク・ロックだった。だけど僕らの世代は、もっと素直に音楽を楽しむというアティチュードに変わっている。パンク・ロックを、アメリカが‘聞くための音楽’に変えたものが、ポップ・パンクなんじゃないかな。
J:そう、ポップ・パンクって、人に唾を吐くような音楽ではなくて、人が手を取り合うような友好的な音楽であって、親に「こんなもの聞くんじゃありません!」って怒られるようなものではなく、親と一緒に聞くことが出来るような音楽だしね。