INTERVIEW
AGGRESSIVE DOGS
2008.12.31UPDATE
Member:UZI-ONE(Vo.)
Interviewer:ムラオカ
-そしてメンバーチェンジを行いトリプル・ギター編成になりましたね? 現ラインナップを固める以前からトリプル・ギター編成の構想はあったのでしょうか? またギターが三本になったこともあってか非常にメタリックなギターにもスポットが当たっているアルバムとなっていますね?
やっぱり、ギターが3本になるにあたってはやっぱりそういう目論見もあったんだ。あの音がメタリックだっていうところも、最初の原点がメタリックなことをやっていたバンドだからそうなったんだ。原点に戻って行っている部分もあるんだよね。で、メタリックになった時に音圧の太さ、リフの流れ、きっちりバッキングが入って行きながらも上辺でリフが乗る、それをやっていったらメタルな曲になってくる。そこで、もう1本なんかほしいなと思って、もう1本ギターを入れてハモっていこうと思ったんだ。でもギター2本でハモってもバッキングのガツガツ感がないと俺は嫌だから、ライブでも三本でプレイしているね。ハモっているけどバックの音圧が薄くなってしまうのは嫌なんだ。パンクとかハードコアっていうのはガッツリとバッキングのギターは入っているものだからそういうところが俺の中にも染み付いているんだよね。だからハモってそこで音がパンとなくなってしまうのは絶対に嫌なんだ。だから三本にしたというのが一番の理由かな。三本になったし、ハモってみる?ってなって、やってみると結構いいじゃん!みたいになったんだ。
-最近の海外の若手ハードコアバンドの多くはあからさまにIRON MAIDENやMETALLICAの影響丸出しで、オリジナリティという点については疑問に感じてしまいますが、AGGRESSIVE DOGSのメタルミュージックの取り入れ方、解釈は、あくまでもサウンドに幅を持たせたりフックを付けたりという要素として捉えているのではないかと感じたのですがいかがですか?
ガキの頃に一番最初に買ったレコード盤があって、それは中1だったんだけど、そのレコードっていうのはIRON MAIDENだったんだ。だからその辺のバンドは結構徹底的に聴いてるんだよね。IRON MAIDENもそうだしハードロック系の音もまぁVAN HALENとかもバリバリ聴いていたんだ。DOGSの音楽はこういう音を入れつつもDOGSが持っている独自の音を融合させているっていうところはあるよね。だって俺の根底にそこの音があるから。当然影響されたバンドとしてSEX PISTOLSもあればCLASHもDAMNEDもあるし、RAMONESもあればDEADBOYSもある、でそこからまたハードコアに進んで行くんだ。DOGSは過去のその辺の音楽との融合感からずっと来ているところはあるんだ。だからその昔のその状態のままでやるのもいいかもしれないんだけど、やっぱりどうしてもこういうDOGS節みたいなところはあるんだよね。歌い回しから曲のコードの移り変わりにしても、ラインの持って行き方にしても、当時からずっとそういうものを聴いているから。そういうところはすごく出ていると思うよ。
-ドラムサウンドが非常にリズミックで独創的なものになっていますね? ドラムのLAGER氏はどのようなバックグラウンドを持っているプレイヤーなのでしょうか?
彼は基本的にはメタルコア、メタルなんだけどハードコアの要素もあるようなバンドをずっとやっていたんだ。ただ、8拍子のリズムもキッチリ刻むようなバンドもこなしていたから、かなり幅広いバックグラウンドを持っているんだ。
-このアルバムのもっともこだわったポイントを教えてください。
まぁまず、音とかいろいろな部分はあるけれど、歌詞もこだわったね。これを聴いて貰った時に、それは何を感じるかだと思うのね。それもさっき言ったように、侍チックなメッセージもあり、サウンドの部分でいえばミックスをZEUSSに任せているわけだし、それがうまく融合できているわけだから、「和」なんだけど、世界中の人が聴けるようなサウンドになっているというところが一番重要なのかな?と思っているよ。トータル的にそれを見て、聴いて、でCDの中にある歌詞を見て、おそらく漢字じゃん!って思うんだと思うんだよね。その受け止め方はそれぞれの人の受け止め方があると思うんだけど、そこをね、日本の侍チックな魂の叫びの音なんだなというところに行きつくんだと思って言えるよ。この曲が良いから、この歌詞が、このジャケットが格好良いからジャケ買いしようっていうのもあるのかもしれないけどトータル的に音を聴いてもらえたらおそらく一つになるんだとおもっています。本当に25年間やってきて間違いなく最高の作品になったと思っているしね。それは自信を持って言えるしね。みんな1枚1枚最高のできだって言うじゃない?俺もそうだと思うけど、25年やってきて日本だけじゃなくて世界に向けてもっとチャレンジして行ってもいいんじゃないかな?そういう境地にたどり着いたんじゃないかなと思っているよ。最高のアルバムなんで、是非聴いてください(笑)
-アルバムジャケットには世界地図に日本古来の獅子が中央に載っていますが、これは日本から海外シーンへの回答というような見方もできますが。
アメリカと日本の音楽を融合させて完成させたアルバムだから、この音を世界に向けて発信させていきたいという想いを表現しているんだ。日本のロックもここまで来ているんだってことを知ってもらいたいね。日本人として、そして獅子として世界の中で表現したいという気持ちなんだ。だけど、変に固くなってるつもりもないし、日本がスゲーんだって言っているつもりもないし、このアルバムを通して日本の良い文化が世界に伝わればいいなと思っているんだよ。そこで、世界と日本の間で何か共鳴できれば、共存してまた新しいものが生まれてくるんだろうし、世の中、白と黒だけじゃなくて灰色の部分もたくさんあるから、そんな部分も少しでも解消されればいいんじゃないかな?とも思っているよ。
-今作は25周年企画の三部作第一弾ということですが、第二弾、第三弾のアルバムとはコンセプト的には繋がっているものなのでしょうか?あるいはそれぞれのアルバムが独自のコンセプトを持っているのでしょうか?
その通り!これは3作品すべて揃って1つの作品になっているんだ。2枚目のレコーディングも終了しているんだけど、かなり凄いことになっているよ。フューチャリングのアーティストもめちゃめちゃ豪華だから期待してもらいたいね。
-1枚1枚にテーマみたいなものはあるんですか?
3部で全体のテーマがあり、その一部一部にまたテーマがあるんだ。今作は中を見てみると判ると思うんだけど、自分は九州の小倉出身なんだけれど、その小倉から25年前に発信したという意味でそういう地図が載っているんだ。2枚目にも違うテーマがあって、それぞれその後にどうやって繋がっていくかということが表現されているんだ。全部をまとめると日本の良い流れもありつつそれをどういう風に表現してというところをもう一度思い起こしながら、というストーリになっているんだ。この1枚目は25年前にDOGSが出陣したぞ!というところかな?
-アルバムのトータルタイムが約30分と一般的なアルバムと比較すると短いですね? 私個人としては、人間が集中して聴き続けられる時間は長くて30分くらいなのではないかと思いますがトータルタイムをコンパクトにまとめた理由を教えてください。
そうなんだよ!1曲2曲をサクッと聴いて残りの曲はまた後で聴こうっていう聴き方をする人は非常に多いんじゃないかな?と思っていて。でも30分という時間だったらちょっとフルで聴いてみようかな?ってなると思うんだよね。曲と曲の間にもインストの曲を入れながら、聴く人に頭の中を整理してもらって、続けて聴いてもらうという工夫もしているんだよ。何曲か聴いて耳が疲れてきたなって時にインストの隠し味が入ってきてまた気持ちを新たに聴いてもらえるってことだね。こういう部分は自分の経験を生かしてこうした方が良いんじゃないかな?と思ってそうしたんだ。色々な曲が収録されているからただ並べているだけじゃ聴く側が混乱しちゃうんじゃないかなと思って。アルバムの曲の流れっていうのは本当に試行錯誤したんだ。
-また第二弾アルバムと同時期にトリビュート・アルバムがリリースされるとのことですが、どのようなものになるのでしょうか?詳細を教えてください。
3月にリリースされる2枚目のアルバム【蒼き餓狼】っていうタイトルなんだけど、同じ日に2枚のトリビュート・アルバムがリリースされることになってるんだ。トリビュートに参加するアーティストもほぼ決まっていて、もう動き出してはいるんだけど、大雑把に言うと日本、アメリカ、韓国のバンド、そしてヨーロッパのバンドも決まっているんだ。総合すると30強のバンドが参加することになっているよ。そのアルバムのプロデュースもしているからとても勉強になるし、とても楽しくやっているよ。とても面白いメンツが揃っているから楽しみにしていてもらいたいな。
-最近の日本のシーンの中で共鳴できる若手バンドはいらっしゃいますか?
もちろん居るよ。世間と俺の間で若手の括りが違うかもしれないけど、俺は一緒にやっているバンドはみんなリスペクトしているよ。とても勉強にもなるしね。だからそういう点では若手も、ベテランも関係ないよね。しかも俺はけっこう色んなジャンルの音楽を聴くからリスペクトできるバンドは沢山いるよ。それに先輩から受け継いだものはきっちりと若手に継承していきたいとも思っているから、そうやって良い流れができればいいなとも思っているね。みんなから見ると俺も25年やっているからどちらかといえば大御所に分類されると思うんだけど、でも常に俺は自分の道を見極めて歩いてきたつもりだし、これからも歩いていくつもりだけど、ちょっと大雑把な言葉になってしまうけど色々なバンドをリスペクトしていく気持ちは自分の中にあるね。若いバンドで、こんな面白いことやってるんだなんて思うこともあるし、そういうのを見ると自分ももっと頑張っていかないと駄目だなと思うしね。
-ありがとうございました。