－では、ポスト・スクリーモのようなスタイルに変化していくバンドをどう思いますか？

Dennis：俺はいい事だと思うよ。そうやって色んなバンドが実験的にサウンドを変えていくことで、それだけ音楽の幅が広がっていくのは良いことだと思う。スクリームって、俺たちがやるずっと前から存在していたもので、それは絶対に消えることはないだろうからね。

Shawn：スクリームをすることで今は流行りのように扱われているけれど、これからも無くなることはないだろうと思うよ。

－A SKYLIT DRIVEなどもスクリームを取り入れたクールなアルバムを作ってくれましたよね。

Shawn：そうだね。彼らのアルバムにも確かKit Walterが関わっているよね。秋からA SKYLIT DRIVEと一緒にツアーにまわる予定だから楽しみだよ。彼らとはファンベースもかぶっているみたいだし。

－「SCREAMO」というジャンルの認識は以前と比べて変化したように思いますが、シーンの渦中にいるあなた方から見てどう感じていますか？

Dennis：人って何でも特定のカテゴリに当てはめるのが好きで、俺たちをスクリーモだと呼ぶ人もいるけれど、それは呼んでいる人たち自身が心地良くなるためだけのものだよ。俺たちはALESANAをスクリーモ・バンドだとは思っていないしね。

Shawn：俺たちの呼び方はALESANA以外、他にないよ。

－だけどファンから見るとスクリーモといえばALESANA、みたいなイメージもあったりするんですが（笑）

一同：笑

Dennis：確かに、そういう話は聞いているよ（笑）

－日本でもアメリカでもそれだけ圧倒的な人気を誇っているという証拠だとも思うのですが、ご自身ではバンドのどんなところがキッズのハートを射止めていると思いますか？

Dennis：それはきっと、俺たちはノンストップでツアーに出ていて、常に誰かの前でライブをしているからだろうな。俺たちのライブに一度でも来てもらえれば、なぜ俺たちがこういう音楽をやっているかをアルバムで聞くよりも理解してもらえると思うんだ。

Shawn：先日はメキシコにツアーに行ってきたんだけど、メキシコでもあちこちの会場でチケットがソールドアウトしたんだよ。日本でも全公演ソールドアウトしているしね。しかも２日で。アメリカ以外のたくさんの国でもこんなに人気が出た理由は俺たち自身も分からないんだけど、嬉しいことだね。

－私は、ALESANAがキッズから熱く支持される理由として、サウンド形態を変えるバンドが増える中もALESANAだけは結成当初のスタイルを変わらず体現しているからだと思っているのですが。

Dennis：ありがとう！これからもこのスタイルをずっとキープし続けるように努力していくよ。

－例えばAIDENなんかはサード・アルバム「Conviction」で音楽性が変わりましたよね。

Shawn：そうそう。AIDENはあのアルバムのあと、アメリカでも人気が急降下してしまっているんだ。

－では、最近共感を得たバンドはいますか？

Dennis：うん。I SET MY FRIENDS ON FIREっていうエピタフと契約したバンドがいるんだけど、このバンドはこの1年の中でもダントツで気に入っているバンドだよ！ （他のメンバーはRUN KID RUNや、メタルレーベルのホワイトチャペルに所属するバンドなどを挙げる）

－もし将来メジャー・デビューをすることになったとして、そこで「より普遍的な楽曲」を作るよう求められたらどうしますか？

Dennis：メジャー・レーベルも今は昔と違って、売れなければばっさり切り捨てるような状況だったりするんだよね。アルバム制作もレーベルに左右されて、例えばバンドが作ったアルバムをレーベル側が気に入らなかったとしたらそれはリリースされることすらなくなってしまったりする。俺たちは俺たちのスタイルを変えるつもりはないから、メジャーに行きたいという気持ちはまったくないんだ。例えばUNDEROATHなんかはメジャー・レーベルのバンドではないけれど、メジャーのバンドよりも売れているしね。

Shawn：うん。あとインターネットが普及したのはバンドにとっては革命的だよ。だってお金をかけなくたって世界中に向けて告知出来るんだからさ。今のキッズはテレビよりもインターネットをしている時間の方が長いわけだし、音楽を広めていく手段としてインターネットは最高のツールだね。

－そうですね。アメリカはUNDEROATHやCHIODOSらがビッグヒットしていますが、日本のエクストリーム・ミュージック・シーンはアメリカと比べとても小さいので、なかなかそうはいかないのが現状なんですよ。

Dennis：そうなんだ。なぜ彼らが日本で売れないのかが分からないなぁ。