－「Nine In The Afternoon」の曲の背景などを解説していただけますか？

R：僕達についての曲なんだよ。
J：僕達がこのアルバムのために最初に作った曲さ。
R：僕達が、また作曲活動に戻っていい時間を過ごしてる、っていう曲なんだ。最初に曲を思いつく時がどんなにエキサイティングかってことをね。新曲を持つって本当に久しぶりのことで、それをプレイするって、すごくエキサイティングなんだ。だから歌詞は基本的に、作曲がこんなにエキサイティングで、ずっと続けてるってことを歌ってるんだ。
J：だけど２年ツアーしてると、バンド活動にはこういう面もあったんだってことを忘れちゃうんだよね。今はこうして取材を受けてるけど、２ヶ月前はスタジオで毎日12時間レコーディングしてたんだ。メンバー以外とは話もしないで、とにかく曲を制作してた。全く別の生活だからね。他の人達の日常ってこんなに変わらないと思うんだ。

－実のところ、もっとアップビートでダンサブルな曲で勝負してくると想像していたのだけれど、いい意味で期待を裏切られました。今までのパニック・ アット・ザ・ディスコの持ち味ともえる「ダンス・ロック」に今回、敢えて特化しなかった理由は何でしょう？

R：そういうことは特に何も考えてなかったんだけど、今回、大半の曲はアコースティック・ギターで、そこに歌を乗せて作ったんだ。でもどんな曲にだって、合わせて踊れるものだと思うよ。ローリング・ストーンズのDVDを見てたら、皆踊ってたし。別にダンスするのに16ビートのハイハットを入れたり、エレクトロニック・ドラムを入れたりする必要はないんだ。だから、僕はこれも「ダンス・ミュージック」だと思うよ。
J：うん、ただ違う意味で、っていうだけのことでね。それにタイムレスになるような作品を作りたかったから、シンセサイザーとかは使いたくなかったんだ。

－今回、レコーディングが行われたアビー・ロード・スタジオは、あなた達のあこがれのスタジオだったそうですが、それは何故ですか？また、実際にアビー・ロード・スタジオを使用してみていかがでしたか？

R：素晴らしかったよ！僕にとっては、これまでのバンド活動の中でも、一番エキサイティングなことだったね。
J：うん、重大だった。２週間弱、ミキシングでそこにいたんだ。終わる頃には、一緒に仕事した人達とも仲良くなって、すごく満喫できた気がしたよ。ホテルからスタジオまで、15分位なんだけど、毎日歩いて行ったんだ。そこにいるのがとにかく楽しくてさ。
R：何て言うか、わあ！みたいなさ。こんなことができるなんて、本当にラッキーだなって。ビートルズがレコーディングに使っていたピアノがまだ全部残っててさ、僕がそれをプレイしたんだ。大好きなバンドが“レディ・マドンナ"を作ったピアノに自分が座ってるなんて、これほど最高な気分ってないよ。その部屋にいるだけで、すごく不思議な感じがした。自分がずっと好きだった曲のいくつかは、そこでレコーディングされたんだ。そこに座って、自分の曲を作っているなんて、これ以上の出来事はないよね。

－ビートルズはずっと全員のフェイヴァリット・バンドだったんですか？

R：僕は昔からずっとではないけど、特に２年前からね。
J：彼らには間違いなく影響を受けてる。特に彼らの曲の作り方、彼らは違うことをやるのをおそれなかったからね。“ヘイ・ジュード"みたいにすごくシリアスな曲もあれば、“ロッキー・ラクーン"みたいに完全に物語になった曲もある。創造という面で、色々とインスピレーションを受けてるよ。それで、それ面白いよ、やろうっていう風になってるからさ。
R：シリアスな考えがあってそれを曲にしたい時もあれば、ただ誰かを笑顔にするような曲を作りたい時もあるんだよ。彼らから学んだことって、それをやってもいいんだってことなんだ。

－特に注目して聴いて欲しい、ニュー・アルバムの聞き所を教えて下さい。

J：とにかく面白いアルバムだよ。好きか嫌いかは別として、面白いってことだけは否定できない作品になってると思う。特にミキシングや使う楽器に関してはすごく色々なアイディアを取り入れたからね。
R：より長く残って行く力があるアルバムになったと思う。時代遅れにならないような作品を作るのが目標だったんだ。曲を大事にしたかった。60年代の曲の素晴らしいところってそれでさ、今でも残っていて、今も歴史上一番いい曲の一つであり続けてるんだよね。前作でそれをやろうとしなかったわけじゃないけど、充分な時間がなかったんだよ。だから今作は、より深いものが作れたと思うよ。

－フュエルド・バイ・ラーメンはポップ・ロック・シーンの中でも高い人気を博していますが、ラーメンに所属していて良かったと思う点はどんなところですか？

J：僕達のバンドの状況って、他のバンドとはかなり違うと思う。僕達は本当にやりたいことを我慢せずにやれてるんだ。フュエルド・バイ・ラーメンではずっと同じ人達と一緒に仕事してて、彼らは僕達がどんなバンドなのかが分かってて、やりたいことはやるっていうのを知ってるから、やらせてくれるんだ。その自由があるって最高だよ。音楽業界の他所の状況を考えるとね。