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FEATURE

PANIC! AT THE DISCO

2013.10.09UPDATE

2013年10月号掲載

キャッチーでダンサブルな、あのPANIC! AT THE DISCOは今作でも健在!!美メロに酔いしれ、リズムにまかせて踊り明かせ!!

ライター:ムラオカ

2013年3月、MY CHEMICAL ROMANCE解散を発表。4月、FALL OUT BOYが新作リリースとともに活動再開とエモ・シーンのビッグ・ニュースに一喜一憂させられた2013年上半期であったが、下半期のビッグ・ニュースは個人的にはこのPANIC! AT THE DISCO(以降P!ATD)の新作リリースだ。なにせ彼らの前作『Vices & Virtues』は筆者の2011年アルバム・ランキングのベスト5に選ぶほどに気に入っていたのだから。

P!ATDの結成は2004年ネバダ州サマーリンにて、同じハイスクールに通っていたヴォーカル&ギターのRyan RossとドラマーのSpencer Smithが9年生(※日本の中学3年生)の時に一緒にプレイしたのが始まりである。その後、ベーシストを探していた彼らは近くのハイスクールに通っていたBrent Wilsonをメンバーに誘う。そしてBrentのクラスメイトのBrendon Urieをギタリストとしてメンバーに迎え入れ4人編成となる。BLINK-182のコピー・バンドとしてスタートした彼らは、その後、多くのバンドが辿るデモ・テープの自主制作からライヴやツアーを行うという道を選ばず、PureVolumeにデモ・トラックをアップロードする。そして彼らが尊敬するFALL OUT BOYのPete Wentzにアップロードした自分たちの曲のリンクを送るという賭けに出る。その賭けが功を奏し、Peteが運営するレーベル「Decaydance Records」の第1弾アーティストとして契約を勝ち取ることとなる。

彼らは2005年9月にMatt Squireをプロデューサーに迎え、デビュー・アルバム『A Fever You Can't Sweat Out』をリリース。ポップでエモーショナル、ノスタルジックでダンサブル……様々な魅力が凝縮したサウンドは瞬く間にキッズたちを夢中にし、シングル「I Write Sins Not Tragedies」が世界中で爆発的にヒットし、アルバムもビルボード13位、プラチナ・ディスクを獲得している。シアトリカルでミュージカルのようなミュージック・ビデオも評価を得て、2006年のMTVビデオ・アワードでMADONNAやRED HOT CHILI PEPPERSを押しのけ「I Write Sins~」がビデオ・オブ・ザ・イヤーを受賞という快挙を成し遂げた。

2008年3月にリリースした2ndアルバム『Pretty. Odd.』ではサウンドを一新し1stで前面に押し出していた“ポップ”、“エモーショナル”、“ノスタルジック”、“ダンサブル”という彼らの特徴のなかの“ノスタルジック”以外をほぼ消し去ってしまう(さらにはバンド名から“!”マークを外す)。それに代わってTHE BEATLESなどのロック・クラシックスをイメージさせるオーガニックなサウンドへと大きく変貌を遂げている。今作はRod Stewart、Stingなどアダルト・コンテンポラリーを得意とするRob Mathesをプロデューサーに迎え、仕上げは彼らの憧れのロンドンのアビー・ロード・スタジオで行われている。2枚目にしてビルボードのデイリー・チャートで初登場1位と大ヒットを記録した。

バンドの音楽性をさらに追及したいRyanとJonの2人は音楽性の違いから2009年7月にバンドを脱退。SpencerとBrendonの2人で活動していくこととなる。2人はバンド名に“!”マークを復活させ、2011年4月に3rdアルバム『Vices & Virtues』をリリース。THE USEDを手掛けたJohn Feldmannと、FALL OUT BOYを手掛けたButch Walkerの2人の敏腕プロデューサーを迎え制作。前作で身に付けた懐古的でドラマティックな展開と、1stのダンサブルでエレクトロな要素が絶妙なバランスで融合を遂げた作品となっている。2012年に入ると3年前からツアー・メンバーとして参加していたDallon Weekesが正式メンバーとして加わり、3人体制となっている。

そして約2年半ぶり、4枚目のフル・アルバム『Too Weird To Live, Too Rare To Die!』がここに完成した。まずはインパクトのあるタイトル(特に“生かしておくには型破り過ぎるが、殺すにはレアすぎる!”という邦題)に驚くが、前作で提示した懐古的でドラマティックな展開と、ダンサブルでエレクトロな要素の融合が突き進められつつも、さらに音楽性の幅を広げた作品になっている。プロデューサーは前作も手掛けているButch Walkerで彼特有のキャッチーなメロディを引き立たせ、重厚且つパキッとしたサウンド・メイキングは本作にも生かされている。

このP!ATDの新しい作品は、全編通して聴くとまるでドラマティックなミュージカルを見ているような気分にさせてくれる。展開も絶妙で聴き手に息を付かせぬとはこのことだろう。ぜひ1曲1曲丁寧に噛みしめて味わって聴いてください。

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