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FEATURE

PANIC! AT THE DISCO

2018.06.21UPDATE

2018年07月号掲載

稀代のヴォーカリスト、Brendon Urie率いるPANIC! AT THE DISCOが、劇的な音楽性の変化を経て辿りついた最新アルバム『Pray For The Wicked』の魅力に迫る!

ライター:山口 智男

PANIC! AT THE DISCO(以下:P!ATD)と聞いて、あなたはどんな音楽を思い浮かべるだろうか? エモーショナルなポップ・パンクだろうか、それともモダンなダンス・ポップだろうか? 2005年9月、FALL OUT BOY(以下:FOB)のPete Wentz(Ba)が運営するレーベル、"Decaydance Records(※現DCD2 Records)"から『A Fever You Can't Sweat Out』で鮮烈なデビューを飾ってから、P!ATDはアルバムをリリースするたび、音楽性を劇的に変化させてきた。果敢とも言えるそんな挑戦は、時にファンを興奮させ、時に戸惑わせてもきたわけだが、バンドとしてスタートしながら、ヴォーカリストであるBrendon Urieのソロ・プロジェクトになった今、P!ATDの音楽性の変遷は、"こんな歌を歌ってみたい!"というヴォーカリストなら当然の欲求の発露の連続だったと考えることもできそうだ。むしろ、そう考えることで、劇的に音楽性を変化させてきたP!ATDの歴史に一貫性が浮かび上がる。
 
バンドに大きな影響を与えたFOBを思わせる、畳み掛けるような勢いのポップ・パンクを下敷きにしながら、エレクトロな味つけやキャバレー・ソング的なアプローチで、その他のポップ・パンク・バンドに差をつけたデビュー・アルバムから一転、2ndアルバム『Pretty. Odd.』(2008年)ではTHE BEATLESやTHE KINKSを思わせるレトロなサイケデリック・ポップを奏でたP!ATD。彼らはその後、『Vices & Virtues』(2011年)、『Too Weird To Live, Too Rare To Die!』(2013年)とアルバムを重ねるなかで、R&Bの影響も取り入れ、エレポップなダンス・ミュージックにアプローチしていった。そこには出自であるパンク/エモ・シーンに収まり切らない人気を確かなものにした自負や、メインストリームで勝負していこうという新たな意欲が窺える。そして、とうとうBrendonひとりになってしまった(※2009年にRyan Ross、Jon Walker、2015年にSpencer Smith、Dallon Weekesが脱退)P!ATDが、2016年にリリースした5thアルバム『Death Of A Bachelor』は、ひとりになったことを逆手に取って、Rivers Cuomo(WEEZER/Vo)ら多数のソングライターと曲作りに挑んだ結果、新機軸のジャズも含め、幅広い楽曲が揃ったこれまでの集大成と言える作品に。
 

 
そのアルバムがP!ATDにとって初の全米アルバム・チャート初登場1位となった意味は大きい。デビュー・アルバムのころから変わらないBrendonの歌声と独特の節回しさえあればP!ATDになるという確信は、よりいっそう揺るぎないものになったはずだ。それは、P!ATDが約2年半ぶりにリリースする6作目のアルバム『Pray For The Wicked』を聴いても明らか。Brendonは前作以上に、ひとりになった自由を満喫しているようだ。前作(『Death Of A Bachelor』)がBrendonひとりで再出発するにあたって、あらゆる可能性を今一度提示した作品だったとしたら、"Fuck A!"というリフレインが耳に残る「(Fuck A) Silver Lining」から、今回はさらに一歩進んで、P!ATD印のロック・サウンドにモダンなR&B/ヒップホップの影響を取り入れたうえで、新たなポップ・ロック・サウンドを追求している。その成果と言えるのがエスニック且つスウィンギーな「Roaring 20s」、ラテン・ファンクなソウルの「The Overpass」の2曲。ラテン・テイストの導入は今回の新機軸だが、随所でまるでファンファーレのように鳴るホーンも、アンセミックな最新アルバムのムードを決定づけている要因のひとつだ。そんなアルバムのラストを、シンプルなピアノ・バラード「Dying In LA」で締めくくったところに稀代のヴォーカリストの矜持が窺える。
 

 
ちなみにプロデューサーは、前作にも参加していたJake Sinclair。ロック系ではFOBやWEEZERの作品を手掛け、近年頭角を現してきた現代のミュージック・シーンのキーパーソンだが、彼が参加したFOBの『American Beauty/American Psycho』と『Pray For The Wicked』を、サウンドメイキングの共通点に耳を傾けながら聴き比べてみるのも一興だ。
 

 

▼リリース情報
PANIC! AT THE DISCO
ニュー・アルバム
『Pray For The Wicked』

2018.06.22 ON SALE!!
[WARNER MUSIC JAPAN]
WPCR-18043/¥1,980(税別)
amazon TOWER RECORDS HMV
 
1. (Fuck A) Silver Lining
2. Say Amen (Saturday Night)
3. Hey Look Ma, I Made It
4. High Hopes
5. Roaring 20s
6. Dancing's Not A Crime
7. One Of The Drunks
8. The Overpass
9. King Of The Clouds
10. Old Fashioned
11. Dying In LA
12. Nine In The Afternoon (Live)*
13. I Write Sins Not Tragedies (Live)*
14. Victorious (Live)*
*ボーナス・トラック

 

▼来日公演情報

"PANIC! AT THE DISCO PRAY FOR THE WICKED TOUR IN JAPAN 2018"
10月22日(月)Zepp Tokyo
10月23日(火)新木場STUDIO COAST
10月25日(木)Zepp Osaka Bayside
 
OPEN 18:00 / START 19:00
【チケット】
前方スタンディング ¥9,000
1F スタンディング ¥7,500
2F 指定席 ¥8,500(Zepp公演のみ)
※税込/ドリンク代別
※未就学児入場不可
■一般発売:7月14日(土)~
 
詳細はこちら
【問】クリエイティブマン 03-3499-6669

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