FEATURE
GORILLA HALL OSAKA特集 Vol.4
2024.12.11UPDATE
2024年12月号掲載
Writer : 梶原 有紀子
絶品フードにライヴ・ペイントも!"GORILLAZUN"ならではのパーティー!
南大阪の重鎮、UZMKがハロウィン・ウィークに企画/主催してきた恒例のミクスチャー・サーキット・フェス"DOGIMAZUN"。アメリカ村から、住之江に誕生したライヴハウス GORILLA HALL OSAKA(以下:ゴリラホール)に場所を移し"GORILLAZUN"として開催した昨年に続き、今年は正真正銘ハロウィン当日の10月31日に"UZMK pre. GORILLAZUN 2024"が盛大に行われた。
イベント当日は木曜日という平日にもかかわらず、会場の外には17時のオープンを待つ長蛇の列ができ、屋外に用意された撮影スポットにも順番待ちをする人たちの姿が。今年はホールのスタッフも全員仮装して臨むと事前にアナウンスされていた通り、中に入ってみるとバー・カウンターにいるスタッフも、チケットを受け取るスタッフも、物販のTシャツをセッティングしているスタッフも、メイド服や猫耳、フェイス・ペイントで仮装していて、中にはお面を着けて忙しく走り回るスタッフの姿も。
1階フロアから2階を見上げると、ステージに向かってコの字型になっている2階観覧スペースの柵には、無数のジャックオーランタンが連なったイルミネーションがオレンジ色に輝いている。コの字型の中央には、1階を見下ろすように巨大なスケルトンが鎮座していて、ハロウィン・ムードを高めてくれる。骸骨の左右の眼窩が赤く光る仕様になっているのもさすが芸が細かい。
入場してくる人たちの中には、あらかじめ仮装している人もいれば、入場とともに真っ先にコインロッカーへダッシュし、持参したコスチュームに着替える人もたくさん。蓋を開けてみれば、ディズニー・キャラや"セサミストリート"、ドン・キホーテのキャラクター等、様々な着ぐるみやセーラー服、チェンソーマン、"新世紀エヴァンゲリオン"のアスカとレイ、他にもカラスのように真っ黒なペストマスクをセンス良く着けている人がいたり、この日出演する西川貴教(T.M.Revolution)の「HOT LIMIT」の衣装のコスプレをする人もいたりして、やってくるお客さんたちの"GORILLAZUN"を楽しもうとする気合と遊び心が伝わってくる。あちらこちらでスマホで撮影会をするグループや、お互いにフェイス・ペイントを施し合う人もいて、場内も昨年以上に賑やかでカラフル。いつものライヴ、いつものフェスにはない、"GORILLAZUN"ならではのハロウィンもライヴも楽しめるパーティーの始まりへのワクワクが満ち満ちていた。
今年はコラボTシャツのラインナップも豊富で、ripdw、MONSTER GALLERY、PLAYERの3ブランドから"GORILLAZUN"コラボTシャツが発売。それらのTシャツや出演バンドたちの物販スペースを出たところに、フェスでも人気の元祖金沢カレー"チャンピオンカレー"が出店。手頃なサイズで大人気の金沢カレーパンや、どろりとした濃厚なルーにカツが乗った金沢カレー等メニューも数種類用意されていて、ライヴの合間にあちこちでカレーのいい匂いが立ち込める。ゴリラホールは出演バンドのケータリングが絶品なのも有名で、それをライヴのMCで話し出すバンドもいる。当然お客さんに提供されるフードも人気で、この日も2階のフード・エリアには常時列ができていた。
今年新たに用意された試みの1つがライヴ・ペイントだ。PLAYERのデザイナーを務めるにょす弥浮、dolly、710、ようぞうの4人が2階フロアDJエリアの横で、この日出演するバンドや自身の好きなバンドから得たひらめきを絵筆やペンに込める。710はNOISEMAKERを、ようぞうはRIZEを描き、仮装もメイクもバッチリ決めたdollyは音楽から受け取ったメッセージを絵に込める。"GORILLAZUN"コラボTシャツのデザインも手掛けたにょす弥浮は、CVLTEの「scorpion.」にインスピレーションを得た絵を完成させた。
オープン直後から2階のDJエリアではTHE GAME SHOPの熱すぎるライヴがスタート。徐々に集まってくる観客、そして1階フロアの観客も2階を見上げるなかメイン・ステージのCVLTEへ繋いだ。
トッパーのCVLTEは黒装束+ホラー・メイクのハロウィン仕様で登場。ハイパーポップにラウド、ゴシックが掛け合わさった彼等の世界観はハロウィンとも親和性が高い。"10月31日はクロミちゃんの誕生日だって知ってた?"(aviel kaei/Vo)と「kuromi.」で踊らせ、フロアが"モウイッカイ!!!"と叫んだ極上ダンス・チューン「eepY.EXE」から最後の「scorpion.」まで一気に駆け抜けた。
開演直後から2階フロアでファンと乾杯したりツーショットに応じていたKenKenはDJとして出演。ディズニーやアニメ、ゲーム・ミュージックからファンカデリックまでKenKenを構成する音楽を賑やかにスピンし、パーティー感満載の選曲で大いに盛り上げた。
ふと見ると、"GORILLAZUN"のホストであるUZMKのcandy(Vo)がテキーラボーイとしてフロアを歩き回りながら、ファンの呼び掛けにも気さくに応えている。
続くNOISEMAKERは最新曲「EXIST」でスタート。壮大でアンセミックな彼等の曲は大きな会場では一際映える。「SADVENTURES」の特大のシンガロングも格別だ。"名前が変わったりメンバーが変わったり、それでも大阪を背負ってやり続けていることに超リスペクト"(AG/Vo)と主催のUZMKに敬意を述べ、最後は「NAME」を投下しフロアをブチ上がらせた。
2階のDJフロアで行われたヘヴィ&ラウドな4人組アイドル AZ-ONのライヴはどの瞬間もキレッキレのパフォーマンス。"かわいい!"と"かっこいい!"のどちらもの声援が飛び交っていた。
"大阪、行くでぇ!"というJUU(Vo)の雄叫びから始まったUZMKは、冒頭から「TERROISM」、「Cyber Necromancer」とノンストップ。ジョーカーのようなメイクがデフォルトのcandyは、さらに血塗れの包帯を顔に巻き付けた装いで臨んでいる。"「GORILLAZUN」が開催できてめっちゃありがとう!"という言葉には実感がこもっていたし、"平日やのにこんなに来てくれて......暇かお前等! 何が最高って君等が最高や!"とJUUらしい言葉にフロアから"あんたらが最高!"の声が返ってきた。UZMKとリスナーを繋ぐアンセムと言える「NEW WORLD」は盟友 CHASEDのKZK(Vo)を迎えて披露。ラストは「TWO FACE」でもれなくフロアを沸き立たせる。音楽は生き様という言葉がぴったりのUZMKにしか作れないステージを見せつけた。
UZMKがメイン・ステージを後にし、サブステージには喋りも歌もイケるBEASTが登場。盛り上げ上手な芸風(?)は天下一!
Crossfaithはマリオに扮したKoie(Vo)を筆頭に、ケタ違いに完成度の高い仮装で5人が現れた瞬間から絶叫と歓声が入り乱れる。冒頭から「Deus Ex Machina」、「Catastrophe」、「God Speed」と浴びせ、"一番デカいサークル・ピットを作れ! 大乱闘できるか?"と焚き付けるとフロアの興奮は最高潮に。"ゼルダの伝説"のリンクに扮したTatsuya(Dr)の圧巻のドラム・ソロや、"ここまで来い!"というKoieの挑発に全身でぶつかっていく観客の止まるところを知らない勢い。ラストの「Countdown To Hell」が鳴り止む瞬間まで、この夜限りの破格の一体感を味わわせた。
サブステージにはロックを愛するアイドル、huskyが登場。昨年の"GORILLAZUN"でDJデビューした空良、デスヴォイスののどか等、個々の魅力を凝縮し、余すところなく伝えていた。
公式Xでの出演発表から話題をさらっていた西川貴教。フル・バンドを率いて登場したラスボスは容赦のないヘヴィ級ナンバーを叩き付け、初めて彼のライヴに触れたのであろう観客をも手中に収めていく。MCではDuttch(UZMK/Dr)に誘われ出演を決めた経緯等、抜群のトークで魅了。「FREEDOM」のシンガロングに笑顔を見せ、最後はなんとフロアにダイブしてみせた。
全てのステージが終わると、主催者 UZMKのJUUがマイクを持って登場。JUUは西川を"アニキ"と呼び、2人で掛け合い漫才のようなトークを繰り広げながら、今夜のパーティーを作り上げた出演者たちを再びステージに呼び込む。2013年にリリースされたT.M.Revolutionのセルフカバー・ベスト・アルバム『UNDER:COVER 2』に収録された曲「LEVEL 4」のアレンジをUZMK(※当時はUZUMAKI)が手掛けていて、両者の親交はその頃から続いている。フロアも含め全員で記念撮影をし、最後は事前にアナウンスされていた来場者へのプレゼント・コーナー。出演者全員のサイン入りポスターとTシャツが用意され、当選者を決める方法は"おもちゃのバットでボールを打つっていう、いつもの俺らのアナログなやり方(笑)"(JUU)。ハンドボール部出身の西川は打つより投げるほうを選び、打者として指名されたのはCrossfaithのKoie。バットを構えるKoieは3回続けて空振りし、4球目にしてバットをボールに当てた。空振りするたびにステージからもフロアからも笑いが溢れ、"そう来なくっちゃ(笑)!"(西川)という筋書きのない面白展開に。さらにNOISEMAKERのUTA(Dr)と西川の謎の筋肉対決も勃発。そして楽しかったパーティーのエンディングは、SECTION U.GのDJタイムだ。
鳴らす音楽のジャンルも世代の垣根も存在しない、音楽が好きで仲間と騒ぐのが好きなUZMKが主催する、他では絶対味わえないハロウィン・パーティー"GORILLAZUN"は最高にハッピーな気分のまま、今年も幕を下ろした。
"UZMK pre. GORILLAZUN 2024"
2024.10.31 @GORILLA HALL OSAKA
Act:UZMK / Crossfaith / NOISEMAKER / CVLTE / 西川貴教 DJ:KenKen / SECTION U.G
DJ SET LIVE:husky / THE GAME SHOP / AZ-ON / BEAST
GORILLA HALL OSAKA
〒559-0023
大阪市住之江区泉1-1-82
(SPORTS VILLAGE SUMINOE 内)
公式HPはこちら
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