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FEATURE

GORILLA HALL OSAKA特集 Vol.3 “GORILLA is NOT DEAD!! 大暴年会 SPECIAL”

2024.02.16UPDATE

2024年02月号掲載

2023年1月にオープンした1,200キャパのライヴハウス"GORILLA HALL OSAKA"の2023年を締めくくる自主イベント"GORILLA is NOT DEAD!! 大暴年会 SPECIAL"に潜入レポート!

Writer : 梶原 有紀子 Photographer:キシノユイ、naoto iwabuchi

2023年1月に大阪 住之江の"SPORTS VILLAGE SUMINOE"敷地内にオープンした、新しい大阪の顔と言えるライヴハウス GORILLA HALL OSAKA。そんなGORILLA HALL OSAKAが、2023年を締めくくる年末イベント"GORILLA is NOT DEAD!! 大暴年会 SPECIAL"を12月30日に開催した。メイン・ステージの"大暴年会STAGE"に加え、2024年以降を見据えてフロント・ロビーに特設ステージを新たに設置、"年越し側(そば)STAGE"として弾き語り中心のステージも展開。また、会場前屋外にもフード出店エリアを設け、ライヴハウスでのフェスとして1日中楽しめる場所が提供された。激ロックでは、GORILLA HALL OSAKA特集の第3弾として、熱狂に包まれた同イベントの模様をお届けする。


騒音と熱気が混ざり合う、GORILLA HALLならではの"暴年会"


2023年1月にオープンしたGORILLA HALL OSAKA(以下:ゴリラホール)の掉尾を飾った"GORILLA is NOT DEAD!! 大暴年会 SPECIAL"。開演に先立ちゴリラホール代表の中村俊也がステージへ挨拶に立ち、たくさんのイベントがあるなか足を運んでくれたことと合わせ、"自分たちが一番好きなミクスチャー・ロック、ラウドロック、メロディック・パンクのイベントを12月30日に開催できたことを本当に感謝している"と伝えた。この日は特別な試みが用意されており、通常は出演バンドの物販スペースに使われているエリアにサブステージである"年越し側(そば)STAGE"を設置。メイン・ステージである"大暴年会STAGE"は文字通り暴れ倒すアクトが並び、サブステージはアコースティック・セットを中心としたアクトが登場。両ステージとも楽しめるよう交互にタイムテーブルが組まれている。

メイン・ステージの口火を切ったのはSPARK!!SOUND!!SHOW!!。"2023年を終わらせにきた"とタナカユーキ(Vo/Gt)が言うが早いかタクマ(Syn/Gt/Cho)がフロアにダイブ。「あいどんのう」ではENTHのダト・ダト・カイキ・カイキが、「JUNGLE BUN DEM」ではKUZIRAの末武竜之介(Vo/Gt)が乱入し、「憂うぎゃる feat.あやぺた」ではDizzy Sunfistのあやぺた(Vo/Gt)が登場。ステージとの境界がわからないぐらいモッシュ&ダイブで埋まるフロアは業火に包まれたよう。"2024年もお前の真正面、SPARK!!SOUND!!SHOW!!"で「スサシのマーチ」を叩き込み破格のステージを見せつけた。年越し側STAGEのトップはAIK。エレキ・ギターをかき鳴らし、生きる意味や居場所を探してもがきあがいている今を、芯の強さを感じさせる澄んだ歌声で聴く人に刻みつけていった。

メイン・ステージのEGG BRAINは、1曲目の「SEVENTEEN」でステージ後方に作られたLEDヴィジョンにもみくちゃのフロアが大映しになるとJOEY(Vo/Gt)も満面の笑み。"大阪に最上級の愛を込めて"とタイトルを変えて投下した「CAN'T HELP FALLING IN LOVE (WITH OSAKA)」、予定になかった「MUZIC」、最後は「METEOR」で思う存分フロアを暴れさせた。再び年越し側STAGEではロカンダとXMAS EILEENのDJ トンマによる#ロカンマ。集まってくる観客に"暴れまくる用意はできてますか?"(ロカンダ)、"いやここは暴れるとこじゃないから"(トンマ)とゆるいトークで笑わせ、心地よい弾き語りで和ませた。ロビーの外にはアメリカ村のたこ焼き店 SEIDAKOの姉妹店、焼肉Gu-jiが出店。食欲をそそる焼肉丼とユッケジャンラーメンの匂いに人の列が途絶えることがなかった。

メイン・ステージに現れるなり"スカ・パンク! 俺は踊りてぇんだ!"という雄叫びでフロアの温度を上げたFIVE STATE DRIVE。スカ・ダンスや、ツーステップでフロアが応戦するなか、ステージ後半には旧知の仲と言えるKUZIRAのメンバーを呼び込みパフォーマンスを展開した。ロビーに移動するとアコースティックとは名ばかりのパンク全開なライヴをTHE SKIPPERS Acousticが年越し側STAGEで繰り広げる。"ここにいるみんな、アコースティックでダイブ、モッシュする人たちでしょ?"とその気にさせる掠れ声のヒーロー、ジャガー。「IMAGINE」の熱いメッセージは集まった人たちの涙腺を刺激した。ぎっしりと隙間なく詰まったメイン・フロアは興奮の頂点と言ってもいいほどの熱狂。そこへ"大阪こんなもんだったっけ? もっといこうぜ!"と末武竜之介が煽れば、まるでKUZIRA vs フロアの様相に。前へ前へと押し寄せ、歌いながらダイブ&サーフするオーディエンスの波が止まらない。晴れ渡る空に向かって歌うようなラストの「Spin」では誰もがステージに向かって手を挙げていた。

"年長枠"と自虐的に称したレジェンド、LOW IQ 01は「Snowman」でスタートすると長渕 剛の「とんぼ」やBRAHMANの「ANSWER FOR...」と「今夜」を披露し、年越し側STAGEは最高潮の盛り上がり。歌もトークもサービス精神大旺盛。アンコールを求める声に"もうすぐG(-FREAK FACTORY)が始まるんですよ!"とオーディエンスを促しステージをあとに。そのLOW IQ 01もステージ袖で見守るなかG-FREAK FACTORYの茂木洋晃(Vo)はMCで、"地元群馬では今年2回しかライヴやってないのに今日でゴリラホール5回目です"と感謝の言葉を述べる。"ずっと憧れてた先輩"とLOW IQ 01を紹介し、ともに影響を受けたNUKEY PIKESのカバーでコラボ。ラストの「らしくあれと」は歌詞を一部変えて、"いつもここにくるから ゴリラホールに帰ってこいよ"とひとりひとりに歌い掛けるように想いを込めた。

ロビーを埋める大勢のオーディエンスを前に片平里菜は、"見渡す限り野郎ばっかりだけど女の子の歌を歌います"と「女の子は泣かない」、「BAD GIRL」を歌い、新作『Redemption』から「ロックバンドがやってきた」、「予兆」を投下。東日本大震災を経た自身の内側にあった想いが、新作を通じレベル・ソングとして身を結んだ今現在の片平里菜を凛としたステージで見せた。大暴年会STAGEのフロアは臨戦体制。そこにSHADOWSが地鳴りのような爆音を轟かせる。まるで音楽で暴動を引き起こすかのようなステージは圧巻で、それでいて聴き手を解放していくパワーと浸透力が凄まじい。"踊りましょう"とHiro(Vo)が不敵に言い放った「BEK」。もみくちゃどころじゃないフロアに光が差すような「My Direction」「Chain Reaction」ではホールを揺らすほどにタフなシンガロングが鳴り響いた。年越し側STAGEでのあやぺたソロは「SHOOTING STAR」からスタート。しっとりとした曲の合間に"今年一年みんなお疲れ! 遊ぼうぜ!"と声を上げ、"そんなテンションの曲じゃない"と苦笑い。フロアが声を揃えて歌った「Andy」「そばにいてよ」、最後は持ち時間の残り30秒で「FIST BUMP」を投下し"ENTHに行け!"の雄叫びで締めくくった。

そのENTHは冒頭の「ムーンレイカー」から尋常じゃない大合唱と大混沌の渦をフロアに巻き起こす。あやぺたが乱入した「WHATEVER」、ずっしりヘヴィ且つ高速ビートの「BLESS」と次々に畳み掛け、さらにタナカユーキを呼び込み「MAXX THE CAT a.k.a. lil white tiger feat.タナカユーキ」と容赦ない。おちゃらけることなく"今年一年自分の作った曲に救われた瞬間があった"(ダト・ダト・カイキ・カイキ)と語りぶち上げた「TEARS」で燃え尽きた。年越し側STAGEのトリを飾ったGOOD4NOTHINGのU-tan(Vo/Gt)は、"2時間前から飲んでてベロベロや"と笑わせつつも、発売されたばかりの新作『HEARTS BURNING』から「BURNING」、「CHANGE」をナイスな歌声で披露。"昔の曲やっていい? ごめんやで"と人懐っこい口調で話しながら「Lost Sometimes」をじっくりと聴かせ、結成25周年を迎えたグッフォ(GOOD4NOTHING)の変わらぬグッド・メロディでサブステージを締めくくった。

大暴年会STAGEのトリを飾ったdustboxは登場するなり"待たせたな! やる気満々じゃねぇか"とJOJI(Ba/Vo)がフロアを見渡し満足気。「New Cosmos」、「Riot」へ突入すると最後のアクトまでエネルギーを蓄えてあったのかと思うほど、フロアは手がつけられないぐらいの沸騰状態。にもかかわらず"ヤンチャな大阪を見せてくれ"とステージから檄が飛ぶ。1年前は声を出すことも人と接触することもはばかられたけれど、本当にようやく全身全霊で音楽を楽しむ自由を取り戻すことができたのだと、真夏のような熱気のなかで歌い、飛び跳ね、本能のままに喜びを爆発させるフロアを観ながら思った。ゴリラホールは"最高の遊び場"を信条としているけれど、まさしくライヴハウスは音楽を愛する者の最高の遊び場。「Here Comes A Miracle」も「Jupiter」の叫ぶような大合唱にJOJIもSUGA(Vo/Gt)も"お前ら最高!"と何度も声を送った。アンコールに応えて「No More Tequila」ではあやぺたや末武竜之介も一緒にテキーラで乾杯し、最後はダト・ダト・カイキ・カイキを迎え「Neo Chavez 400」で大祝祭空間に幕を下ろした。

ライヴ翌日、ゴリラホールのXに中村代表の投稿があり、"GORILLA is NOT DEAD!! 大暴年会 SPECIAL"を継続開催することと、早くも2024年12月30日の会場スケジュールを押さえたとあった。2024年も目いっぱい音楽とライヴを楽しんでラウド・ミュージックを愛する人たちと一年の終わりをゴリラホールの祝祭空間で迎えることが決定した。



"GORILLA is NOT DEAD!! 大暴年会 SPECIAL"

2023.12.30 @GORILLA HALL OSAKA
Act:EGG BRAIN / ENTH / G-FREAK FACTORY / dustbox / KUZIRA / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / SHADOWS / FIVE STATE DRIVE / AIK / あやぺた(Dizzy Sunfist) / 片平里菜 / THE SKIPPERS Acoustic / LOW IQ 01 / #ロカンマ(ロカンダ&トンマ(XMAS EILEEN)) / U-tan(GOOD4NOTHING)

GORILLA HALL OSAKA

〒559-0023
大阪市住之江区泉1-1-82
(SPORTS VILLAGE SUMINOE 内)

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