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FEATURE

ROB ZOMBIE

2010.02.11UPDATE

2010年02月号掲載

あのROB ZOMBIEが、黄金期を象徴する『Hellbilly Deluxe』の第2章を引っ提げ帰還!!!

Writer KAORU

ROB ZOMBIEが帰ってきた!!!
昨年のLOUD PARKにおいて、まさかまさかの初来日を果たし、正に圧巻と言えるショウを繰り広げ、我々の度肝を抜いてくれたROB ZOMBIE。
まだ彼に触れたことのない読者の為に、バイグラフィを簡単に説明しておこう。
本名Robert Bartleh Cummings。マサチューセッツ州出身。1985年にWHITE ZOMBIEを結成し、87年にファースト・アルバム『Soul-Crusher』をリリース。91年にGEFFENと契約を交わした後、メジャー・デビュー・アルバム『La Sexorcisto: Devil Music, Vol.1』を、そして95年、キャリアを代表する作品、現在のライヴにおいても度々披露される曲が多数収録されている『Astro Creep: 2000』をリリース。このアルバムは250万枚のセールスを記録し、「More Human Than Human」はグラミー賞にノミネート。
96年にソロとなってからは、今回の最新作の大元となる『Hellbilly Deluxe』、そして、『The Sinister Urge』『Educated Horses』、以上3枚のオリジナル・アルバムをリリース。尚、ソロ名義となってからは、ヴィジュアル・コンセプトが更に徹底され、音楽的にも非現実的なホラー映画のようなコンセプトが強化された。

03年からは本格的にホラー映画監督として活躍し、現在までに、アメリカでは興行収入的にも大成功を収めた映画を多数制作してきたROB ZOMBIE。そう、彼は聴覚だけでなく、視覚においても類稀なセンスと才能と技術を持つ、非常に総合的なアーティストなのだ。

本国アメリカでは、今や映画監督としての名前の方が知られているだけに、また音楽の世界に帰ってきてくれ、ニュー・アルバムをリリースするということは、WHITE ZOMBIE時代からファンであった筆者にとっては朗報以外の何者でもなかった。未だヴォーカリストとしてのパフォーマンス力が衰えていないということは、昨年のLOUD PARKのライヴにおいて確認済みであったし、アルバム・タイトルだって、彼の黄金期を代表する『Hellbilly Deluxe』のパート2ということなのである。ワクワクしないわけがない。

さあ、元MARILYN MANSONのJohn 5(Gt)、元AMEN~WEDNESDAY13のPiggy D(Ba)、そして、元ALICE COOPERバンドのTommy Clufetosというラインナップで制作されたこのアルバムを紹介しよう。

ROB ZOMBIE の作品において欠かすことの出来ない不穏なオープニングSEから、そのまま、“OK!”というROB ZOMBIEの掛け声から、John 5のロックンロールなディストーション・ギターのリフが炸裂する「Jesus Frankenstein」へ。この曲は途中で導入されるアコースティック・ギターのリフが静寂を象徴し、恐怖を煽る仕組みとなっている。続く「Sick Bubble-Gum」は、ザクザクと切り刻むリフと、どこかグラマラスでポップな雰囲気がROB ZOMBIE らしい。「What?」は、これぞロックンロール!なグルーヴ。「Mars Needs Women」は、“Robert Plant(LED ZEPPELIN)が歌い出すんじゃないか?”と、思わず疑ってしまうようなオープニングのアコースティック・ギターから、一気にヘヴィな展開へ。「Warewolf,Baby!」は、またJohn 5のスライド・ギターがいい味を出している。バッキングだけならGUNS’N ROSESのようだと言っても過言じゃないかもしれない。重低音のモダン・ヘヴィネス的アプローチから、DISTURBEDを彷彿とさせる「Virgin Witch」、彼の活動の本拠地であるハリウッドへの愛憎が綴られた「Death And Destiny Inside The Dream Factory」、ロックンロール+モダン・ヘヴィネスな感じで、激ロッカーにもオススメの「Burn」、バックにラジオ・ヴォイスが流れ、水の中で喋っているかのようなヴォーカルが印象的であり、中盤のドラミングが素晴らしい「Cease To Exist」は「Superbeast」第2章とも呼べそうな「Werewolf Women Of The SS」そして、約9分という尺の中で、長く壮絶なドラムソロが展開されるエンディング曲、「The Man Who Laughs」。

インダストリアル色は薄れたものの、「ホラー」というコンセプトは変わらずに貫かれ、非現実的な空間に誘い込まれる『Hellbilly Deluxe 2』。スタジアムで映えるだろうダイナミックなメロディ、と、ROB ZOMBIE自身のルーツ・ミュージックを彷彿とさせる、普遍的でエンターテイメント色の強い、グラマラスなロックンロール・ナンバーが、全11曲収録されている。全体的にストレートでわかりやすく、非常にROB ZOMBIEらしい作品であることは間違いないが、これは決して“ありきたり”や“焼き直し”ということではない。ROB ZOMBIEらしさとは、彼にしか為し得ることの出来ない趣向や工夫が随所に現れ、非常に意欲的で、創造的であり、とても聴き応えのある作品だということなのである。今すぐこの作品を手に取ったあなたには、この言葉の意味を理解してもらえるのではないだろうか。

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