DISC REVIEW
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ヒップホップ畑で新しい風を吹かせ、ポップ・パンクの復刻に一役買ってきたMGKが、新たに追い求めたもの。本作は、誰しも心のどこかに持っている、郷愁と色褪せた青春の欠片が持つ抗いがたい魅力を、"アメリカン・ドリーム"という形でパーソナルに掘り下げたエモーショナルな作品だ。前作で完全に自分のものにしたポップ・パンクや、より肩の力の抜けたベッドルーム・ポップのテイストもあり、さらに彼のオリジンであるヒップホップも武器に、もっと自由で大衆性のある"古き良き"ロック・スタイルへ。時代の最先端を走りつつ、どこかノスタルジックなものに憧れを持ち、それを表現してきたMGKらしい自然体な音楽性で、古き良きアメリカを探す旅を描く。 山本 真由