DISC REVIEW
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人間が最も恐ろしい。この世こそが地獄のようである。そうした見解にも一理はあるが、鬼や神や妖怪が跋扈する陰陽座の描く世界に浸ってみると、きっとより広い視野で物事を解釈することができるようになるかもしれない。"吟澪御前"とは、"吟ずることを己の澪とする強力な鬼"という意を持つアルバム・タイトルで、陰陽座のこと自体を表すものであるそう。実質的表題曲にして凛然とした貫録の漂う「吟澪に死す」、黒猫と瞬火によるツイン・ヴォーカルが映える「深紅の天穹」、3部作的物語として描かれる「鈴鹿御前 -鬼式」、「大嶽丸」、「鈴鹿御前 -神式」、そして"忍法帖シリーズ"最新作の「紫苑忍法帖」等々"鬼"ヤバい一枚! 杉江 由紀