DISC REVIEW
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クラシカルなゴスやショック・ロック特有の個性的な美意識にフォーカスした印象のあった前作(2020年)から4年ぶり、12作目となるアルバム。今作は、ダークで闇深い特有の世界観を引継ぎつつ、90年代のヘヴィなサウンドを彷彿させるインダストリアル・ロックのアグレッシヴ且つポップな表現や、オルタナティヴ・ロックの泥臭さも見え、盛りだくさんな内容となっている。アップテンポに盛り上げるライヴ受けの良さそうな楽曲だけでなく、陰鬱な気分で浸れるスローな楽曲にも不思議なキャッチーさがあって、深淵に包まれる居心地の良さを味わうことができる。改めて、"MARILYN MANSON"というアーティスト像が唯一無二だということに納得させられる作品。 山本 真由