DISC REVIEW
-
前作『Firepower』はJUDAS PRIESTの音楽性の中でも力強さや重厚さといった要素に重きが置かれていたが、19作目のニュー・アルバムである本作では疾走感やキャッチーさ、叙情性なども提示され、非常に自由で多彩な作品となった。開幕からファスト・ナンバー3連発で頭を揺さぶり、表題曲では高らかに鳴り響くツイン・リードに思わず胸が熱くなる。慟哭のソロが炸裂するTrack.4や、哀愁を帯びたVoとツイン・ギターの絡みが美しいTrack.6、PRIEST的ロックをモダンに仕立てたTrack.10、空へと旅立ったレジェンドたちへの敬意を強靭なシャウトへ変えたTrack.11など、バンドの歩みを網羅したような楽曲には畏敬の念が湧いてくる。歴代の名作に比肩する新たな金字塔だ。 菅谷 透