DISC REVIEW
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日出づる国より世界へと放たれる、熾烈にして深い鎮魂歌にはやはりまだ続きがあった。2021年夏に発表された『Time of Requiem Part 1』に続く今作は、シンフォニック・エレジアック・ブラック・メタルを体現するEthereal Sinの真髄が、さらに発揮されたものであると同時に、新ドラマー Meet Schattenclownを迎えることで、よりブラストビートを強化した1枚となる。今年1月には欧州ツアーで好評を博すなど、国内のみならず海外のメタル・マニアをも虜にする彼らの生み出す世界には、音の面でも歌詞の面でも時に怨毒の念や陰惨ささえも漂うが、劇的な曲展開や濃密なサウンドメイクと鬼気迫るヴォーカリゼイションをもって、それらは暗い冥界へも届くような鎮魂歌としての響きを孕むのだ。 杉江 由紀