DISC REVIEW
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これぞ2020年代の"インテレクチュアル・スラッシュ・メタル"! Dave Mustaine(Vo/Gt)の咽頭がん発症やDavid Ellefson(Ba)の解雇を経て、混迷を極める世界へと放たれた最新型のMEGADETHによるアルバムは、冷徹且つソリッドなリフとテクニカルで時に叙情的なフレーズとのコントラストの妙、複雑に絡み合うバンド・アンサンブルが"らしさ"満載の作品となった。心配されたDaveの歌声はたしかに変化を感じ取れるものの、渋みが増したことでメロディの味わい深さにもさらなる説得力が生まれている。MEGADETHというとてつもなく巨大な看板を背負いながらも、ひたすらに前進し続けるレジェンドたちの音楽に対する敬意や、誠実な態度があってこそ成し得た会心の1枚! 井上 光一