DISC REVIEW
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2020年、約15年ぶり(!)の新曲2曲を突如として発表し、世界を騒然とさせたことも記憶に新しいSYSTEM OF A DOWN。そのフロントマンであるSerj Tankianも、ソロ名義では実に8年ぶりとなる作品を完成させた! 前作はシンフォニー・アルバムだったが、今回はもともとSOAD用に制作されていた楽曲ということで、ヘヴィ且つオルタナティヴなロック色の強いEPに。SOADではあまり聴くことのなかったピアノやシンセが大々的に取り入れられているのも特徴のひとつだろう。ド頭からフリーキーな歌唱を聴かせるTrack.1、愛する息子と偉大な詩人のふたりの"Rumi"について情熱的に歌うTrack.4、先祖の母国であるアルメニアの首都エレバンで起きたデモがテーマのTrack.5と、変幻自在なヴォーカル・ワークや社会風刺的な歌詞までひっくるめて、Serjらしい独創的な魅力を堪能できる1枚と言える。 菅谷 透