DISC REVIEW
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結成20周年を迎えるTHE BLACK DAHLIA MURDERの9thアルバム。新ギタリスト Brandon Ellis加入後初のリリースとなった前作『Nightbringers』では、バリエーション豊富なメロディとテクニカルな演奏で好評を博した彼ら。約2年半ぶりの新作は、伝家の宝刀である北欧メロデス・スタイルを保ちながら、アンダーグラウンドなデス・メタルを髣髴とさせる、ドロドロとした高湿度のドゥーミーなフレーズも取り入れ、緩急を増したサウンドでシリアス且つ残虐な世界を描いている。Brandonによるエモーショナルなリードが光るTrack.8や、慟哭のトレモロ・リフが美しいTrack.10など、メロディも聴き応え十分だ。前作ほどの即効性はないが、じっくりと聴き込める1枚。 菅谷 透