－通算5作目となるフル・アルバム発売おめでとうございます。 この作品が完成しての今のお気持ちをお聞かせください。

ありがとう！個人的には今回のアルバムはグレイトだと思う。凄く誇りに思ってるよ。俺はTHE BLACK DAHLIA MURDER （以下BDM）がこのアルバム『Ritual』で1つ上のステージに行けたと思うんだ。凄く大変だったけど、その価値がある仕上がりになったよ。

－今作のタイトルが『Ritual（儀式）』という、どこか怪しい雰囲気をイメージさせるタイトルですが、今作のコンセプトを教えてください。

今作は特に全体が1つのストーリーになってるコンセプト・アルバムではないんだ。黒魔術とかオカルト、その他『Ritual（儀式）』というテーマに絡んだ曲の集合体って感じだね。死者との交流、儀式的な自殺、人間の生贄とかね。あと、このタイトルは俺たちのファンの過激さも表してるよ。俺たちのファンは宗教的だって言う人もいるからね。

－『Ritual（儀式）』という、タイトルのまんまのブラック・メタル・バンド的なアーティスト・ショットを拝見させていただきましたが、これはあなたがたならではのジョークですよね。もしやサタニズム、黒魔術に傾倒したなんてことは無いですよね（笑）？

いや、俺は今までと変わらずさ（笑）。あの写真はもちろん冗談だよ。俺たちの過去のプロモ写真もそうだけど、ふざけた写真を撮るのは初めてじゃないからね。

－｢On Stirring Seas Of Salted Blood｣など衝撃的なタイトルの曲もありますが、歌詞はどのような内容のものが多いのでしょうか？

さっきも言ったように、このアルバムは儀式をテーマにした曲の集まりなんだ。「On Stirring Seas Of Salted Blood」は永遠にどこの岸にもたどり着くことがない地獄に捨てられた幽霊船の話なんだ。船員たちは人間の血でできた海の波に永遠に閉じ込められる。一種の苦行だよね。「Carbonized In Cruciform」は神を冒涜した十字架での張り付けの再現をする儀式についてだ。これで彼らは悪魔とコンタクトを取ろうとするんだ。

－レコーディングはどのくらいの期間をかけて行ったのですか？2年弱でのリリースですので比較的順調にレコーディング作業が進んだのではないかと想像したのですが。

このアルバムは間に少し休憩を入れながら3ヶ月かけて録ったんだ。実際はちょっとミックスする時間が足りなかったくらいなんだよね。でも最終的に出来上がったものには満足してる。電気の問題が何回かあったんだけど、トラッキングはスムーズに進んだよ。Brian Eschbachの家でトラッキングをやってんたんだけど、いつもウチラが練習してるとこに移動したんだ。なんか近くを通ってる電気のせいでノイズが入るっていうトラブルがあったからね。

－今作も北欧のメロディック・デス・メタルを消化した上で、さらにモダンなメタルコアの要素を吸収したオリジナリティ溢れるサウンドに仕上がっていると感じましたが、曲作りの上でこだわっている点、意識している点があれば教えてください。

ありがとう！今回は色々とバリエーションを出したかったんだ。色んな違ったタイプ曲を入れてね。速い曲、遅い曲。新しいタイプの変化を加えたアレンジとかね。今までのファンが楽しんでくれているBDMのサウンドを保ちながら、新しい要素を加えてフレッシュなものにしたかった。サプライズ的なものも含めてね。俺たちの目指すところはメロディとブルータリティーを上手く組み合わせることなんだ。キャッチー且つ悪魔的な曲を書くことをね。

－実際に起きた猟奇殺人事件から命名したり、サウンドのブルータルさから見てもCARCASS等のゴアなバンドからの影響も見受けられるのですが、実際のところいかがですか？

正にそのとおりだね。CARCASSは俺が昔から大好きなバンドなんだ。実は『Ritual』デシベル・マガジン用のボーナス・トラックでJeff Walker（CARCASSのVo&Ba）がゲストで歌ってるんだ。「This Mortal Coil」のカバーなんだけど。だから俺たちのサウンドの中にCARCASSの影響はあるといえるだろうね。2種類の歌い方で歌うところとかね。Bill Steer（CARCASSのGt&Vo）とJeff Walkerの間みたいなところを目指してるんだ。

－ヴォーカリストTrevorのハイトーン・デス・ヴォイスは一聴するだけで“BDMだ！”と分かる印象的なものであり、あなた方の武器だと思います。あなた方自身が考える“THE BLACK DAHLIA MURDERの武器”とは何でしょうか？

キャッチーなギター・メロディじゃないかな。これがみんながBDMに期待してるものだと思うし俺たちの武器だと思うよ。