DISC REVIEW
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米ユタ州出身のデスコア・アクトによる、通算5枚目となるフル・アルバム。2018年4月に、唯一のオリジナル・メンバーにして、バンドの顔役でもあったAlex Koehler(Vo)が脱退し、バンド史上最大の危機を迎えていたCHELSEA GRINだが、元LORNA SHOREのTom Barberが新たに加入。トリプル・ギターというスタイルもシングル・ギターへと変わり、4人編成で再スタートを切ったのがこの『Eternal Nightmare』である。ミュージュック・ビデオが先行公開されていたTrack.1「Dead Rose」やTrack.8「Hostage」に見られる、正統派な極悪デスコア・サウンドが容赦なく繰り出され、曲によってはインダストリアル的なアレンジや、ピアノを用いたイントロの導入などもあるが、全体的に初期への回帰を感じさせつつ、より洗練された作風となっている。Tomのヴォーカリストとしての力量および存在感も確かなものだが、バンドとしての真価が問われるのは、おそらく次作以降であろう。 井上 光一