DISC REVIEW
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アルバム・デビューから15年、00年代のメタルコア・シーンを牽引し、今も前線で活動を続ける数少ないバンドによる最新作。プロデューサーには名匠 Howard Bensonを起用した、通算8枚目となる本作は、冒頭のTrack.1「Safe House」こそ、近年の彼らの作品の中でもかなりヘヴィな仕上がりとなっているが、全体的にはメタルコアにこだわることもなく、非常にバラエティに富んだ作風である。サンプリング音源なども駆使したバンド・アンサンブルは、あくまで"歌"を主軸に置いており、高い歌唱力および表現力を生かしたメロディアスな楽曲群に、常に挑戦を続けてきた彼らの矜持を感じ取ることができよう。批判もあるだろうが、ベテランの新たな一手をまずは正面から受け止めたい。 井上 光一