DISC REVIEW
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フランスはパリ発のシンフォニック・メタル/デスコア・バンドによる3rdアルバムは、彼らのシンフォニックなサウンドへの忠誠を改めて証明するかのように、重厚で濃密なシンフォニーが随所で鳴り響き続ける、圧巻の1枚となった。そのサウンド・アプローチによって生み出される悲劇性を溢れんばかりに湛えたTrack.1、凄惨な結果となったパリのテロ事件を経て作られたTrack.7など、トラックごとに持つ世界観は、ともすると一辺倒になりがちな彼らの独特なサウンドに色彩を与えている。全体にミッド・テンポ気味の曲が増え、重厚で壮大なサウンドをより説得力を持って聴かせる方向へとシフトしつつあるが、この流れこそがさらなるバンドの飛躍への期待を掻き立てる。重みを増し始めた彼らのサウンドに一度、溺れてみてほしい。 米沢 彰