DISC REVIEW
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THY ART IS MURDER、BORIS THE BLADEなどオージー産デスコアに触発された彼らだが、今作はさらにバラエティに富む曲調で勝負している。もちろんデスコアのおどろおどろしいムードや、メタルコアの屈強な破壊力を高めつつ、これまでと違う新たなチャレンジを盛り込んでいる。冒頭からピロピロギターが飛び出す「Suffering」はドラマチックな展開で聴き手を引きつける。さらに「The Immorality」はストーナー・ロックばりに沈み込んだ曲調で、速さに頼らせない不気味さがまたかっこいい。そして、ラストを飾る「Prostrate」は細部にこだわったアレンジと、生き物のように蠢く躍動的な曲調も最高だ。着地点が見えないまま、壮絶な音の嵐に呑み込まれていくような快感を覚える。 荒金 良介