DISC REVIEW
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今年4月にリリースされたミニ・アルバム『昏睡』に続くコンセプト・アルバム。前作の黒を基調にしたジャケットに対し今回は白と、視覚的なイメージは相反するものであるが、中身は『昏睡』を経たうえでの、『覚醒』という独立した作品になっている。今作ではブラストビートや8分の6拍子を取り入れるなど、バンドにとって新たな挑戦も。覚醒を掴む寸前のエネルギーが爆発した楽曲や、覚醒へ走り始めた瞬間など、"覚醒"を取り巻く様々な物語が描かれ、バンドが試行錯誤を繰り返しながらも自らの音楽を更新するために前進を止めぬ姿勢を感じる。初めて生のストリングスを入れたという繊細で優雅なマイナー調のミディアム・ナンバーであるTrack.6は、まさしく『昏睡』を経た『覚醒』のラストに相応しい壮大さだ。 沖 さやこ