DISC REVIEW
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ほどまでに野心的で、壮大で、恐ろしいほどに美しく、奥深い哲学を秘めたものになろうとは。アルバムとしては通算7枚目となる本作で鳴らされるのは、コンセプチュアルなロック・オペラ的サウンドである。プログレッシヴ・メタルへの傾斜は顕著になり、キーボーディストを兼任するフロントマン、Tommy Giles Rogersによる、より多彩な表現力を手にしたクリーン・パートの歌唱によるメロディの充実ぶりも特筆すべき点であろう。メタルコア由来のブルータルな要素も控え目ながら健在であり、卓越した演奏能力によって、アルバム全体のひとつの流れとして無理なく組み込まれているのだ。ぜひ、腰を据えて本作と向き合って欲しい。 井上 光一