DISC REVIEW
-
HEAVEN SHALL BURNと並び、ドイツのメタルコア・シーンの象徴として君臨するCALIBANの、実に9枚目となるニュー・アルバム。本国ドイツでは総合チャートの7位を獲得し遂に商業的な成功をも手にした本作だが、CALIBANらしいゴリゴリのサウンドと悲哀を感じさせるマイナーなメロディが調和した、壮大でハードな曲調は変わることはない。全体的にはこれまで以上にハードコア色を押し出し、よりエモーショナルな方向に振ってきているように感じられ、彼らのサウンドの1つの完成形として納得のいく仕上がり。もちろん、Track.8「Cries And Whispers」のように疾走感バリバリのトラックもしっかりと盛り込まれている。Matthew Kiichi Heafy(TRIVIUM)をゲスト・ヴォーカルに招いたボーナス・トラック「Falling Downwards」では意外にハマったコラボレーションを見せ、このトラックの意外性だけでもかなり楽しませてくれる1枚と言っても良いだろう。 米沢 彰