DISC REVIEW
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UNDERWORLDの「Born Slippy」のカヴァーを含む全11曲入りの1stアルバム。従来から持っていたパンク、オルタナ・ロックの匂いも残しつつ、今作ではグッド・メロディを追求した芯の太いロック・アルバムに仕上がっている。4人の演奏以外にもピアノ、ヴァイオリンなどを導入し、エッジ感とドリーミーなサウンドをうまく融合させている点も素晴らしい。初の日本語詞を取り入れた「D.N.A.」もキャッチーな魅力を放ち、フロアをただ闇雲に焚きつけるわけじゃなく、一緒に歌ったり、踊ったりなど、聴き手との共有感を意識したフレンドリーな曲調が並んでいる。酸いも甘いも描いた歌詞は、最終的に明るい希望へ向かおう、と欲する強いメッセージが感じられる。できれば、楽曲と歌詞の両方を味わってほしい。いい作品だ。 荒金 良介