DISC REVIEW
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デビュー以来フロントマンを務めてきたZP Theart が突如脱退し、ヴォーカル不在のまま制作がスタートするという異例の事態に、その作品の仕上がりが心配された今作だが、DRAGONFORCE は DRAGONFORCE であり続け、また、自身の進化を止めないことを見事証明する作品となった。いきなりTrack.1「Holding On」から彼ららしいスピード感と高揚感に溢れるサウンドを聴かせ、更にTrack.2「Fallen World」ではイントロからバンド史上最速・最高難易度のフレーズで畳み掛けてくる。この展開にヤラれないメロスピ・ファンはもう音楽を聴くのをやめた 方がいいかも知れない。そして、お約束のバラードの他にミドル・テンポのトラックも織り交ぜられ、新ヴォーカリストMarcHudson の声域の広さ、表現力の豊かさが一際目立つような作風となっている。今作では異様に長いギター・ソロはほとんどなくなったが、その分ギュッと凝縮されたソロ・パートが随所に配置され、作曲面での進化も伺える。米沢 彰