INTERVIEW
DRAGONFORCE
2015.07.18UPDATE
2015年07月号掲載
Member:Herman Li (Gt)
Interviewer:米沢 彰
-初のライヴ映像作品『In The Line Of Fire』のリリースおめでとうございます。本編のドキュメンタリー部分でも描かれていますが、映像の編集までもご自身で手がけられたようですね。相当に大変な作業だったのではないでしょうか?
そうだね。1番大変だったのは、作業の大半をツアー中に、ノート・パソコンを使ってやらないといけなかったことだね。多分5大陸で作業したんじゃないかな(笑)。
-"日本で演奏"、"世界で編集"みたいな感じですね(笑)。
そんな感じだね(笑)。日本ツアー前に出せるように、マネージャーがリリース日を前倒しにしたから、編集を仕上げるまでの時間がカットされてしまったんだ。クリスマスも返上して、やり残しはツアーに持っていったよ。
-それは大変でしたね。今回の作品はヨーロッパ、北米、そして日本でそれぞれリリースされているようですが、こうしてワールド・ワイドでリリースする作品のメインとなるライヴのステージに"LOUD PARK 14"を、ひいては日本を選んだのはどういった経緯だったのでしょうか?
"LOUD PARK"からオファーが来たってマネージャーから聞いたときに考えたんだ。"LOUD PARK"には何度か出ていて、会場やカメラワークが素晴らしいってわかっているから、そこで映像を撮ればいいんじゃないかと思ってね。すべてはそこから始まった。そのあと、ツアーのオフ・ステージなんかの映像も入れて、この"Maximum Overload World Tour"でのDRAGONFORCEの内幕を見せようという話になったんだ。
-数々の世界的なフェスにも出演されていますが、その中でLOUD PARKはあなた方にとってどのようなフェスですか?
フェスは毎回楽しいよ。多くの場合はそのためだけに現地に飛行機で行って、終わったらすぐ出発してしまうけど。でもこのときは何日か前に日本に着いたんだ。日本はDRAGONFORCEを最初に受け容れてくれた国のひとつだから、前々から"DVDを撮るなら、最初の国は日本にしよう"という話はしていたんだ。日本のファンには長い間本当によくしてもらっているし、だからこそ日本を選んだんだ。
-日本との関係で言うと、つい先日、みなさんの本国UKで行われた"Download Festival"では日本のBABYMETALとも共演しましたね。その直前には"Metal Hammer Golden Gods"で、彼女たちの曲にSam Totman(Gt)とあなたのおふたりでゲスト参加していましたが、彼女たちとの制作、そしてライヴでの共演はいかがでしたか?いつもと随分違ったのでは。
(笑)そうだね。もともとは、Metal Hammer誌からあの子たちの方にGolden Godsでやってくれってオファーがあったんだ。でもそのときあの子たちには特にバンドがついていなかった。急な話だったからね。それで、Download Festivalの準備でたまたまロンドンにいた俺たちに話が来た。"いいね、やろう"と答えたよ。最初は「ギミチョコ!」だけやってくれって言われた。それがもともとのプランだった。でも俺はこう言ったんだ。"「Road of Resistance」は一緒に作った曲だから、初めて共演するっていうのもいいんじゃないか? ファンにも特別なことになるし"ってね。あの曲のギターは全部Samと俺がやっているんだ。そうしたら、"Download にもBABYMETALに出てもらって、1曲だけ一緒にやったら?"という話になったんだ。リハーサルも一切なしでね。
-ええっ!リハーサルなしですか。
あぁ。Downloadでは一切リハーサルなんてなかったよ。というか、初めて一緒に演奏したのがDownloadだったんだ。「ギミチョコ!」をやってね。まぁ、かなりヒヤヒヤしたけど(笑)。Golden Godsの方はリハーサルにまる1日取ることができたから、あの子たちがどこでどういう振りつけをするか、ギターはどこで前に出てくるか、どこでソロをやるか、きちっと決めた。アレは大成功だったね。イギリスではテレビで放映もされたから、他のファンも観てくれているといいな。
-YouTubeで映像を観ましたよ。初めての共演とは思えませんでしたね(笑)。
まあね(笑)。いろいろ話はしたし、ライヴ前にもメールを何度もやり取りしていたからね。とても仕事しやすい子たちだったよ。
-ファンの反応はいかがでしたか。ファン層はいつもと違っていましたか。
違うわけではなかったな。どこでやってもとてもいい反応をもらっているよ。あの子たちにとってもファン層が合っていたんじゃないかな。音楽的にも似ているとまでは言わないまでも、共通点はいろいろあるからね。俺はあの子たちのアルバムは好きだね。よく聴いているよ。俺的にはあの年(2014年)のフェイヴァリット・アルバムの1枚だよ。
-あなた方から見て彼女たちのパフォーマンスはどのように映っていますか?
あのときは、ショーが始まる前までは全員とても緊張していたね。それまでは振りつけとか全部合わせてやっていなかったから。でもうまく行ったよ。俺たちも彼女たちとインタラクションして、演奏と振りつけがバラバラにならないように、一緒にやっている感を持たせるようにしたんだ。
-DVDの話に戻りますが、LOUD PARK 14での来日の際の出来事で1番記憶に残っていることを教えてください。そのときはいつもより早く現地入りしたということで、少し違う経験もしたのでしょうか。
映像に少し出てくるけど、事前にファン対象のパーティーをやったんだ。LOUD PARKの何日か前だったかな。友人が"The ROXY TOKYO"というバーをやっていてさ。そこで、LOUD PARK前にファンと触れ合えるイベントをやった。サインしたり、写真を撮ったり、楽しい時間を過ごしたりしたよ。あれができたから、数日前に現地入りして良かったね。ファンと交流することで直接リアクションを得ることができたからね。バックステージの映像にもオーディエンスの映像にも写り込んでいるファンもいるよ。最前列のやつらとかね(笑)。