COLUMN
SCREAM IT OUT LOUD!~レーベル・マネージャーによる連載コラム~ vol.4
震災から10日目、TVをつけると、被災地の避難所で中学生くらいの女の子が1人、トランペットで「上を向いて歩こう」を演奏している姿が映し出されていました。
避難所にいる年寄りでも知っている曲をという配慮から、誰もが知っている名曲の一節を、緊張したおぼつかない手つきで、たった1人での演奏。
1分にも満たない短い演奏が体育館に響く。暖かい拍手、安堵の表情を浮かべる女の子、涙。
たった数十秒の独奏が避難所にいた人たちを癒したし、その音はTVの前にいた僕にも届いた。
「音楽の持つ力」を感じることができた瞬間でした。
水、食料、燃料、そして何よりも安全。被災地にいる大勢の人たちには今すぐに必要なものがある。
音楽に関わる仕事をしている僕等が「音楽」で被災地に直接何かを届けられるのはもう少し先かも知れません。
それまでは募金や、節電、支援物資の提供など「音楽を通した」何かで支援をできればと思います。
復興した街に、皆が元気になる音楽を鳴らすのは僕等の仕事と信じています。
一方、今回の震災でプレスや印刷工場がダメージを受けたことで、CDのリリースできない状況が発生しており、3月、4月に発売予定だった数百タイトルのCDが発売延期になっています。電力供給が不安定になっている首都圏ではイベントの延期や中止が相次いでいます。
ライブができない、CDが出ない・・・・・
震災は「音楽」にも大きなダメージを残しました。
バンド、レーベル、ライブハウス、プロモーター、メディア、CDショップ。
音楽を生業とする人たちも苦悩の日々を迎えています。
形はどうあれ、今は、オーディエンスを含めた音楽に関わる人たちが「音楽を救う」時でもあると感じています。
『音楽は人を救う、人も音楽を救う』
また笑って会える日のために僕等も頑張ります。
最後に、この度の東北地方太平洋沖地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被害を受けられました皆様に心からお見舞い申し上げます。
TRIPLE VISION entertainment スタッフ一同。
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