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LIVE REPORT

[激ロックpresents"Burning Blue vol.4"~1st Anniversary~]

2025.03.21 @下北沢LIVEHOLIC

Writer : 横山 開 Photographer:あさば りんたろう

激ロック/Skream!プロデュースの下北沢LIVEHOLICにて、ライヴ・イベント[激ロックpresents"Burning Blue vol.4"~1st Anniversary~]が3月21日に開催された。ラウド・ミュージックという共通項を持ちながらもそれぞれカラーの異なる多彩なサウンドを奏でる、まさにこれからのシーンを担う存在となるであろうバンドたちが集結するこのイベント。本稿では、1周年且つ4回目の開催となった当日の模様をお伝えしたい。

ドラマチックな展開のSEのなか登場した1番手のThe Moment I Decideは、hidetaro(Gt)のリフレイン・フレーズとリバーブの掛かったFranzの歌い出しが特徴的な「Ruten」で幕を開けると、Franzがクリーン・ヴォイスをロングトーンで響かせ、オーディエンスを圧倒する。続く「Kaze」ではいきなりシャウト・パートも飛び出し、疾走感のある展開でフロアを焚き付け、"三重県にもこういうヤバいバンドがいること、今日証明しに来ました!"とFranzがアツく高らかに宣言。

Shogoの鮮やかなギター・ソロへと繋ぎ、オーディエンスの拳も自然と上がっていった。そこからヒップホップ・テイストを取り入れたダンサブルな「Nami」、Franzのダンスやラップが詰め込まれた「ROCKSTAR」と繋ぎ、Franzのフロウとhidetaroのコーラスに酔いしれる。ラストの「Youth」はシンプルながらポップ・センスの光る浮遊感が心地よく、最後までオーディエンスを揺らしていた。ローカルの誇りとプライドを感じる、エネルギッシュなパフォーマンスでトップバッターとしての役目を完遂した。

オレンジのつなぎに身を包んだバックバンドを従えステージインしたのは、横浜出身の結城えまと沖縄出身のめにゅによる昨年結成したばかりの2人組ミクスチャー・ロック・バンド EMNW。歪み全開のギターがフロアを揺らす「KAMASU」でライヴをスタートさせると、1曲の中でヒップホップ、沖縄民謡、パンク等、ジャンルレスな展開を見せ、冒頭からヴァイブスが一気に高まっていく。結城えまが"今日もEMNWのミクスチャー・ロックぶちかましていきたいと思います!"と告げ、2人の掛け合いが印象的な「調子どうだい?」、小気味良いリフが耳を惹くBruno Marsのカバー「Runaway Baby」を立て続けにドロップ。

ファンキーなグルーヴに包まれたフロアは、2人の歌唱力に酔いしれていく。Kuboty(Gt/SCREW WALKER/ex-TOTALFAT)をはじめとした屈強なバックバンド・メンバーの紹介を挟み、スカ調の「Brain Dead」でフロアにスカ・ダンスやジャンプを誘発し、えまとめにゅの美しいハーモニーが響き渡る「ヘイワ」でピースフルな空間を作り上げていった。最後はめにゅのロングトーンが際立つ「Here We Go EMNW!!」、エヴァーグリーンな「ちぇけら」を立て続けに披露。フロアは笑顔で満たされ、ポジティヴな余韻が残っていた。

3番手のNew Age Coreは静謐なSEから、Shoの伸びやかなハイトーン・ヴォーカルとグロウルが炸裂する、最新アルバム『TRANSFORMATIVE』収録の「Halo」で口火を切る。"全員で行くぞ!"とShoが焚き付け、Kotaのギター・ソロも飛び出した「Awake」では早々にシンガロングが発生したほか、「Kick Away (feat. itta)」ではオートチューンを使用したキャッチーな世界観で会場がダンス・フロアに様変わり。そこから、重低音のグルーヴで酔いしれるダークなミドル・ナンバー「Inside Me」へと続き、彼等の様々な顔を見ることができた。

Sho が"激ロック、ぶっ壊しに来たぜー!"と気合い十分にアジテートすると、パワフルでダイナミックなHirotoのドラムをバネにアッパーな「One More Chance」を投下。ブレイクダウン・パートではステージから落ちそうな程の勢いでYusuke(Ba)とKotaがアグレッシヴな動きを見せ、オーディエンスの心を掴んでいく。"楽しい時間はあっという間に終わっちゃうから、ここにいる全員で楽しんでいきましょう"とSho が噛みしめるように告げると、ピアノとラップ・パートが耳を惹く「True Justice (feat. BaN)」、エレクトロ・サウンドを用いたアンセミックな「myself」でブライトな空気に包み込み、終始エネルギッシュな渾身のステージを締めくくった。

転換中の演奏から早くもフロアを沸かせていたのは、昨年"SONICMANIA"にトップバッターとして出演し大きな話題を呼んだ双子のネオ・ミクスチャー・ロック・デュオ Tyrkouaz。サーフ・ロックとドラムンベースを基調とした「Windy Surf」でスタートし、双子ならではの息ぴったりなアンサンブルで会場の熱量を高めると、"一番ミクスチャーな曲をやります"とアッパーなサウンドでハイパーポップ的アプローチを感じる「Drive!!! (feat. $HUN)」を投下し着実に自分たちの空気に染め上げていく。

兄のsouta(Vo/Gt)は今回のイベントの趣旨を踏まえたうえで"僕等にとって久々にラウドなライヴ"と話し、弟のrent(Dr/Cho)のタイトなビートと穏やかな歌メロのコントラストが特徴的な「a byway tune」と続く。DAFT PUNKの「One More Time」をドラムンベースに乗せTyrkouaz流にカバーし躍らせたあと、風刺的なリリックをキャッチーに昇華したデジロック・アンセム「MEKAKUSHI-ONI」、soutaがハンドマイクに持ち替えフロアを煽る「DEEP JUNGLE」と畳み掛けていった。ラストには有り余ったエネルギーを放出するように「Crush Core」をパワフルにプレイし、トリのDimraysへとバトンを繋いだ。

この日のステージを締めくくるのは、大阪発のラウドロック・バンド Dimrays。ステージインするなり茜(Vo)が男気溢れるアジテーションで声出しとツーステップを観客に煽り、オープナー「OVER-CONFIDENT」の強力なアンサンブルでフロアを揺らしていく。初っ端から茜の咆哮が響き渡る「Mr.Coward」に繋ぐと、早々にサークル・ピットが発生。哀愁漂うギター・リフとキャッチーな歌メロで次々とオーディエンスをブルータルな雰囲気に染め上げ、会場のボルテージは最高潮に。

茜が"激アツすぎてこのビル壊れるんちゃう?"と漏らす程フロアに熱気が立ち込めていくなかで披露したのは最新曲「Bad Taste」。ヘイトなリリックとヘヴィなブレイクの応酬によりオーディエンスの盛り上がりはシンガロング、ハーコーモッシュ、ヘドバン、ジャンプ、クラップと目まぐるしく展開していく。念願だったという激ロック主催のイベントに出演できた喜びと、大きな盛り上がりを見せるフロアに感謝を伝えたあと、エモーショナルな「Pain≒t」、"みんな飛んでこれるか!?"(茜)の問い掛けとともに疾走感抜群の「Fr」をドロップ。

ヒップホップ的なアプローチも見せ、ポップ且つヘヴィなサウンドでクラウドサーフを巻き起こしたあと、感情が爆発したような㮈灯(Ba)の魂の叫びも見れた「Everlasting」で、絶叫と熱狂が渦巻く空間の中を駆け抜けたステージが閉幕。"We're Dimrays!"という茜の言葉とともに高く掲げられたピース・サインがこの夜の充実ぶりをよく表していた。

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