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LIVE REPORT

グラビティ

2024.03.21 @Zepp DiverCity(TOKYO)

Writer : 杉江 由紀 Photographer:さかもと

黒き雲はすっかりと去りゆき、この夜グラビティの生み出したその空間には、キラめく星たちの放つ美しい光が絶え間なく降り注いだのだった。
昨秋からグラビティが続けてきていたワンマン・ツアーは、3月21日に開催されたZepp DiverCity(TOKYO)公演"TOUR FINAL 52Hzの流星群"に至るまでの間、結果的に彼らにとっては試練の時期になってしまっていたと言えるだろう。完全に不可抗力的な出来事ながら、ツアーの途中からmyu(Gt)が体調不良による入院加療のために一時戦線離脱をせざるを得ない、という状況に追い込まれていたのである。

"今回のツアーではたくさんの方にご迷惑をおかけしてしまい、メンバーも、ファンのみんなも「気にしなくていいよ」と言ってくれてましたけど、僕自身は入院してたときや、帰ってきたときにも申し訳なさを感じてたんです。 でもね、昨日の夜「明日、頑張ろうな!」みたいなLINEをメンバー同士で久しぶりにし合ったんだよ。俺が「音楽で死のうな!」って送ったら、リクト。(Ba)君なんか「明日、内臓出すわ!」って返してきて(笑)。6年もバンドをやってくると、お互いに仕事味みたいなものが出てくるところもあったとはいえ、僕は「やっぱりこういうのってエモいな」って思ったし、「ほんとにこの5人でバンドやってきて良かったな」と感じました。もちろん、だからといって現状に満足してるわけではないです。この5人だったらもっと先まで行けるんじゃないかと思うので、これからもグラビティ一同で頑張っていきます!!"(myu)

因果な話ではあるが、myuの一時的不在はグラビティというバンドの結束力をここに来てより強くしたところがあるはずだ。演奏面、演出面、パフォーマンスそのものも含めて、今回のツアー・ファイナルでは「52Hzの星空」から始まったドラマチックなオープニング然り、バンド側の発するバイブスが場内全体とオーディエンス全員に対して響き渡った「ABUSOLUTE.共鳴-a-」、杏(Gt)がこの曲のために買ったというアコギを駆使しながらじっくりと聴かせたバラード「溶けない雪」と、彼らは今宵これまで以上に充実したライヴ内容を提示してくれていた印象が強い。

特に、最新音源にして両A面の15thシングルでもある『キラキライフ/推幸せに』に収録されている各曲については、「推幸せに」で観客たちをステージに上げて踊らせるのかと思いきや......実は全員がプロのダンサーでした! という遊び心の効いた仕掛け展開があったほか、「キラキライフ」についてはアンコールの最後でグラビティと彼らを愛する人々が共に最高の輝きを見せてくれた場面は、なんとも微笑ましかったのひと言。

"前回Zepp Haneda(TOKYO)でやったときは、あまりにも「いいところを見せていかなきゃ!」っていう気持ちが強すぎたせいか、みんなとあんまり上手くコミュニケーションが図れなかった気がしてたんだけど、今日はそこをちゃんと図れたんじゃないかと思います。すごく会場の空気が良かったし、これからもこんなライヴをしっかり続けていきたいです。これからもどうぞグラビティをよろしくお願いします!!"(六/Vo)

この日のライヴでも披露していた新曲を5月21日にシングル『チケ発大闘争!!』としてリリースし、その後は"発見×発券 お前のベスポジは本当にそこか!?ツアー"と、そのツアー・ファイナルとしてSpotify O-WESTでの"生きる意味より俺を探せ!!"を6月28日に行うというグラビティ。キラめきが欲しい方は摂取推奨なり。

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