INTERVIEW
Crystal Lake
2026.01.22UPDATE
2026年01月号掲載
Member:YD(Gt) TJ(Gt) Mitsuru(Ba)
Interviewer:サイトウ マサヒロ
約7年ぶり、JohnとTJを迎えた現体制では初となる待望の新作オリジナル・アルバムがようやく世界中に轟く。今作『The Weight of Sound』は、四半世紀にもなろうかというバンドの歴史の到達点であると共に、新たな物語のプロローグだ。類を見ない程にタフな活動を続けてきた彼等が冠する"音の重み"というタイトルは、チューニングの低さやブレイクダウンの苛烈さ以上の意味を宿している。カルチャーへの愛と誇り、音楽への信念と自負を感じ取ってほしい。
メンバーと共にオーガニックに生んだものが、Crystal Lakeっていう形になる
-ニュー・アルバム完成おめでとうございます! リリースを控えた現在の心境はいかがですか?
TJ:『HELIX』(2018年リリースの5thアルバム)から7年ぶり、新体制になって初のアルバムなのですごい楽しみですね。Crystal Lakeの武器となっているオリジナリティはありつつ新しい挑戦をしている楽曲たちなので、それをみんなに聴いてもらえるのが嬉しいです。
--名門"Century Media Records"からのリリース(※日本盤はSony Music Japan International)となりますが、同レーベルとの契約は、皆さんにとってもアガるトピックだったのではないでしょうか?
YD:"Century Media(Records)"は老舗だし、好きなバンドもたくさんリリースしてたので、新しい出発として嬉しい気持ちはありました。でもそれ以上に、ツアー中に彼等のスタッフとバーに行ったり、レーベルのキー・パーソンがライヴを観に来てくれて一緒に飲んだりとか、実際に会って意気投合した関係の人たちと仕事ができるようになったのが大きくて。人と繋がって共に動けるっていうのが、自分にとってはすごい重要。今まではペーパーワークでやり取りすることも多かったから、今回はそういう違いがありますね。お互いのことをちゃんと認識してることによって、物事の作り方は圧倒的に変わるから。"Century Media"がどうっていうよりも、Crystal Lakeを知ってくれている人とやれることに喜びと誇りを感じてます。
-今作の制作にあたっては、結成から20年を超え円熟期に差し掛かるバンドとしてのプレッシャーと、新体制でアルバムを作り上げる初期衝動、どちらが大きく感じましたか?
YD:面白いですね。今までは"ハードコア、メタル、パンクはこうじゃなきゃいけない"っていうこだわりが大きかったけど、最近はもっとフラットで、これまでの経験や出会いから自然に出てくるものを尊重して作品を作ってる傾向があるなと思います。もちろんプレッシャーがないってわけではなく、作品が評価されることに対してはいつだって緊張感があるんだけど、それ以上に、メンバーと共にオーガニックに生んだものがCrystal Lakeっていう形になるんだって時間と共に思えるようになったっていう。
-そこには、メンバーやレーベルといった環境の変化が影響している?
YD:レーベルは全然関係ないですね。メンバーの変化も大きいけど、何よりも自分が積んできた経験やナレッジ、感覚がデカいかも。よりソリッドな決断ができるようになったかな。実際、レーベルで音とかって変わるものなのかな?
Mitsuru:担当によるんじゃないですか? どういう人が付くかによって変わりそうな気もする。それでいい方向に行くバンドもいるからね。
YD:俺は一秒もそんなこと言われたことないから分かんないな。
-オーガニックなCrystal Lakeを尊重するチームということですね。
YD:かもしれないですね。初めて気付いたかも。今、なんでレーベルのことを聞かれたのかも分からなかったし。面白い。
-TJさんにとっては加入後初、Mitsuruさんも正式メンバーとしては1作目のアルバムですが、いかがですか?
TJ:今までのCrystal Lakeが経てきた音楽性をさらに磨き上げて、且つバラエティ豊かなカラーがある楽曲をJohnのヴォーカルでやっと届けられるアルバムなので、初期衝動というよりもとにかく挑戦という感じでしたね。
Mitsuru:ライヴ活動をはじめ、これまでの自分たちが歩んできた道の結果がアルバムだと思うので。これまでの歴史も全部含めて、積み上げてきた成果の集合体っていう感覚です。
-"The Weight of Sound"というタイトルはストレートながら含みがあって秀逸ですね。どんな思いが込められていますか?
YD:もともとは曲名から生まれた言葉だったんですけど。それこそ20年以上バンドをやっていろんな人に出会うなかで、いろんなことを学ぶわけで。そうやって経験を積んでいって、今まで言えなかったことが一つずつ言葉になっていって。コロナ禍があってからは、それまで他人に言ってもらったり、表現してもらってたりしていたものを、自分で伝えようっていうマインドに変わったんですよ。自分たちがやってきたこと、思っていることをシンプルに伝えようって。その背景には、かつてはトゥー・マッチに感じられたような言葉が、自分たちの音楽にフィットするようになってきたっていう感覚があります。
-なるほど。
YD:別にバンドに限った話じゃなく、音楽を演奏してそれを楽しむ人が同じ空間にいると、それが出来事になって、物語になって、カルチャーになって、歴史になっていくと思ってるんですよ。そういうすげぇ大事なことを自分たちがやってるっていう誇りと自負を、"The Weight of Sound"というテーマにして届けようっていうことです。
-たしかに、最近のCrystal LakeのライヴではYDさんが熱くMCする場面も印象的です。
YD:そう。伝えないと分からない人も多いなと思って。せっかく伝えられる場所があるから共有してる。
-今作を聴いた第一印象は"人間のアルバム"でした。神話的なモチーフやSFっぽいテクスチャというCrystal Lakeの個性はもちろん健在ですが、それ以上に生身のバンドらしさを感じられて。人間離れしたエクストリームさより人間らしいグルーヴを強調しているように思いました。そういったことは意識していましたか?
YD:してないです(笑)。でも嬉しいです。自分がいいと思えるものを引き出しから取り出して、バックグラウンドにあるものも恐れずに表現したから、その結果をロウ(生の)でオーガニックに感じてもらえたなら、思いが届いてるってことかも。たしかにSFは好きだからその要素も混ぜつつ、でも自分のバックボーンがパンクやハードコア、メタルである以上、ダイナミックに感情を伝えられるのはライヴで、自分たちの楽曲はその場を作り上げるための音楽でもあるから。原点回帰じゃないけど、ループはしてるかもしれないし。身体から出るものを捉えて、生っぽく感じてもらえたら嬉しいですね。
-収録曲の中でまず印象的なのが、「King Down」、「Crossing Nails」といったバウンシーでミクスチャーっぽいノリの楽曲です。
TJ:アメリカ寄りの。
-こういったアプローチにはどのようにたどり着いたのでしょう?
YD:俺、SEVENDUSTのNFLの応援歌(「Falcons On Top」)がすごい好きで、ああいうのをいつかやりたいと思ってたんだけど、どうしても英語のイントネーションとかリズムに日本人じゃ出せない部分があったんですよ。だから、ヴォーカルがアメリカ人になったことで表現しやすくなったっていうのはあるかもしれない。"ニューメタル meets ハードコア・ヴァイブ"っていう感じで。イメージとしては応援歌。歌詞は違うけど(笑)。
Mitsuru:「King Down」は今までのCrystal Lakeにない曲調なんで、ライヴで合わせたときの確変が楽しみです。こう見えて結構メンバーそれぞれのバックグラウンドが違うから、曲に対するリズムのアプローチも個性が出ると思う。それを新しいCrystal Lakeのグルーヴにできたら、今後の武器になりそうですね。
TJ:たしかに、新しいカラーの枠として「King Down」、「Crossing Nails」は濃厚で。やっぱり自分は、アメリカのニューメタルとか、そういう"ごんぶとロック"が大好きなんで。
YD:"ごんぶとロック"(笑)。
TJ:それをCrystal Lakeでできるのは個人的にも熱いですし、デカい会場で演奏するのも楽しみにしてます。
































