INTERVIEW
Little Lilith
2025.12.10UPDATE
2025年12月号掲載
Member:LILLY(Vo) ERIKA(Gt) SHIORI(Ba) YUKI(Dr)
Interviewer:宮﨑 大樹
-その楽曲を受けて、LILLYさんはどう歌詞を書いていったんですか?
LILLY:テーマを聞いたら"お任せします"と投げられたんです(笑)。なので、曲を聴いてそのイメージから広げていきました。あとは、ERIKAちゃんが初めて作ってくれた曲ということで、ERIKAちゃん自身が困難を乗り越えてギターを弾いているところや、赤が好きとか、ERIKAちゃんを思い浮かべながら似合いそうなテーマを探したときに、"Phoenix"="不死鳥"というのが出てきたんです。"何度でも諦めずに頑張ろう"という気持ちがお客さんにも伝わるように、そしてメロがキャッチーだったので、お客さんと一緒に口ずさめるような繰り返しのある歌詞にして。"ライヴで盛り上がる曲を作りたい"という意志は聞いていたので、"ライヴで盛り上げたい"、"お客さんを応援したい"という気持ちで書きました。
-灰になって復活する「Phoenix」と、破滅からの希望を書いた「RUIN」と、その方向性は共通しつつ、「Phoenix」は内向きの自己燃焼、復活、「RUIN」は外向きに世界を壊していくというニュアンスの違いがあると感じました。
LILLY:先に「RUIN」があったんですけど、言っていただいた通り"周りを壊す"というテーマで書いていたんです。そのうえで"Phoenix"を調べていくなかで"一度身を投げる"、つまり"自分を殺す"ところが似ているから、テーマとしていいし、だからこの2つは並べたかった。"Phoenix"というテーマを見つけたときに、蘇るというテーマが今回の"RUIN"にもぴったりだなと思って、そこから進めていきました。
-ご自身の曲がアルバムに入ることは、やはりプレッシャーでしたか?
ERIKA:そうですね。今まで作っていただいた曲はクオリティが高いので、そこで自分の曲が1曲入るというのはプレッシャーがありました。でも、"チャレンジしてみたい"と思っていてもなかなかできなかったことだったので、今回できてすごく良かったなとは思います。
-SHIORIさんにとっては、今回のアルバムでの一番のチャレンジはどの曲でしたか?
SHIORI:「daybreak」は私が初めて作詞した曲なので、すごく印象深いです。あとは、フリーになってからベースのフレーズを自由に作る機会が多くなったので、レコーディングのときも自分が考えたフレーズを作曲家の方と話しながらアレンジしていく作業が、チャレンジとして大変だったけど楽しかったです。
-ちなみに「daybreak」で作詞したきっかけは?
SHIORI:「daybreak」は、フリーになったタイミングで、尊敬しているベーシストで作曲家の黒須克彦(Q-MHz)さんにお願いして書いてもらった曲なんです。その方の切り口で、Little Lilithの新しい側面を見せてくれる曲を書いてくれるかなと思って。その曲に思い入れがあったので、この機会に私自身がずっとやりたかった作詞をしたいとメンバーに伝えて、許可を貰いました。
-LILLYさんがほぼ全ての作詞をしているなかで、自分の歌詞を書いていくわけですよね。
SHIORI:世界観は壊さずに、でも自分が書きたいことを書くようにするのがすごく難しくて。「daybreak」の歌詞は自分たちのことも重ねて書いているんです。バンドで大変なことや辛いことがあっても、"絶対その先に夜明けが待っているはず、そこを信じていこう"ということは、自分たちにも言い聞かせたいし、お客さんにも伝えたくて。それがなんとか形になって良かったです。
-YUKIさんにとって、今回一番チャレンジングだったのは?
YUKI:このアルバムができたことによって曲の幅がすごく広がったんです。今まではジェントだったり、ラウドな演奏だったりに必死に向き合ってきたんですけど、今回はそれだけじゃなくて、いろんな方向の楽曲に対する表現のやり方が求められるようになった。ロック、メタル、ラウドだけじゃない表現をLittle Lilithの曲にどうはめ込んでいくか、というのが新しい挑戦だったなと思います。ガチのバラードをやることになるとは思っていなかったし、新しい挑戦という意味ではそこかなと。
-「BLESSING」が初のバラードですよね。
LILLY:ずっとやりたいなとは思っていたんです。今までだと「Lullaby」が私たちの中ではバラード的要素だったけど、一般的にはバラードっぽくない。だから、誰もが思うバラードを作りたいという想いがあったので、お願いして作っていただきました。
-喪失感のある歌詞なのに、タイトルが"BLESSING"="祝福"ですよね。
LILLY:"死"について考えていた時期があって。身近な人が亡くなったとき、周りの人がすごく悲しんでいる様子を自分のことのように感じてしまったんです。じゃあ、いざ自分やメンバーが死んだとき、自分がどんなことを思うか、というのを考えながら書きました。"私だったら後を追っちゃうかもしれない"と思って書いたんですけど、そんななかでもやっぱり少し希望を見せたかった。だからシンガロングのところでは"見守っているからね"みたいなものが書けたらいいなと思って。だから"BLESSING"というタイトルにしたんです。
-バラードを歌うにあたり、レコーディングで意識したことは?
LILLY:声がダイレクトに表現に繋がって、細かいニュアンスが出やすいからこそ、そこを頑張ろうと思いながら歌いました。
-楽器陣としては、勢いだけでは押し切れない難しさがあったように思います。
SHIORI:ニュアンスやタッチが鮮明に反映されてくるので、弾き方の強弱だったり、細かいスライド感だったり、そういうのはすごくこだわってレコーディングしました。でも、ERIKAちゃんが一番大変そうでしたね(笑)。すごく時間をかけて、悩みながら作っていたみたいです。そのぶんギターが超カッコいい。
ERIKA:アウトロのギター・ソロに悩みました。私はギター・ソロで起承転結を意識して考えるんですけど、バラードなので勢いでは乗り切れない部分があるし、世界観を壊さずに感情を乗せたくて。それで、表現力やフレージングを当日に作曲のサクマリョウさんと一緒に悩みながら、1フレーズずつ練りに練ったギター・ソロです。なので、レコーディングが押してしまいました(笑)。
-ドラムのレコーディングはどうでしたか?
YUKI:バラードなので、世界観や空気感をすごく大切にする曲調ではありつつも、Little Lilithの楽曲なので、ポップス・バンドの後ろで叩くバラードとは少し違って。普段のザクザク縦に切っていく感じのリズムではないんですけど、なよっとしすぎないというか、しっかり芯があるようなリズム、空気を意識しました。
-この曲はメンバーそれぞれが新しいLittle Lilithの演奏を見せている感じがします。ライヴでもすでに披露されているんですよね?
LILLY:ありがたいことにお客さんの反応も良くて。他の曲が激しいぶんハッとするというか。ライヴの中でもいいインパクトになっているなと感じています。これからもライヴでやっていきたいですし、例えばギター・ソロを伸ばすとか、シンガロングのところを伸ばしてみんなで歌うとか、アレンジの余地がある楽曲だと思うんです。なので、そういう意味でもすごく楽しみが広がる曲ですね。
-アルバムのメッセージとして"Ruin is Re:birth"が掲げられていますが、バンドとしてこの先どうなっていきたいですか?
LILLY:今回バンドとして1枚のアルバムができて成長した部分もあると思うので、アルバムの楽曲を含めていろんな人に聴いてもらいたい。それに海外に行きたいとか、もっと大きな会場でやりたいとか、根本的な夢や目標は変わっていません。来年も頑張りたいなと思います。
-12月28日のワンマン・ライヴはタイトルが"RUIN"ですが、アルバムの世界観をどんなふうに体験してほしいですか?
LILLY:私たちの4周年という節目、挑戦のライヴでもあるので、その期間の成長とか、私たちの"やるぞ"という決意をお客さんにも感じ取ってもらえたらと思っています。 "RUIN"は破滅だからマイナスに思っちゃうお客さんもいるのかもしれないですけど、"Ruin is Re:birth"と出すことで"前を向いているんだよ"ということを伝えたい。大事な日を一緒にみんなと過ごせたらなと思います。
LIVE INFORMATION
"Little Lilith 4th Anniversary ONEMAN LIVE「RUIN」"
2025年12月28日(日)渋谷WWW
OPEN 16:30 / START 17:00
[チケット]
前売 ¥5,500 / 当日 ¥6,000
詳細はこちら
RELEASE INFORMATION
Little Lilith
1stフル・アルバム
『RUIN』

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