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INTERVIEW

LIZA

2025.08.07UPDATE

LIZA

Member:HIVARI(Vo) Roki(Gt/Vn) ICE(Gt) Amane(Ba) #FFFFFF(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

彗星のごとく今年6月に見参したLIZAは、V系バンドの体裁を呈しながらも、X JAPANやSLIPKNOT、coldrain等ルーツとする7弦奏者 ICE、LOUDNESS等を好みつつヴァイオリンまで弾きこなすギタリスト Roki、MÖTLEY CRÜEやDREAM THEATERを聴いていたというドラマー #FFFFFFを擁するなかなかにクセツヨなバンドだ。8月28日開催の"LIZA 1ST ONEMAN「Art Nouveau」"を見逃すことなかれ!

-LIZA は、6月23日に、恵比寿LIQUIDROOMにて行われた"Bloom 11th Anniversary presents <行脚奇襲2025-2026> ♯2 百鬼行脚"で、デビュー・ライヴを行い、その後6月25日に、デジタル・シングル「未完の肖像」をリリースされた新バンドとなりますね。来たる8月28日には、東高円寺二万電圧での"LIZA 1ST ONEMAN「Art Nouveau」"が予定されていることを踏まえ、ここではまずLIZAがどのような背景から生まれたバンドなのか、ということを教えてください。

HIVARI:もともとはギターのICE、ベースのAmane、ドラムの#FFFFFF(読み:ましろ)がM4GNET4Rというバンドを一緒にやっていたんですけど、流れ的にはそれが前身バンドだったことになりますね。そこにRokiが入った後、僕が去年末に加入して現体制になりました。そこから約半年はM4GNET4Rの名前でライヴ活動を続けつつ、6月23日の恵比寿LIQUIDROOMからLIZAとして新しいスタートを切ったんです。

-LIZAというバンド名はどのようにして決められたのでしょうか。

HIVARI:レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた"モナ・リザ"に由来してます。僕が提案したところ、メンバー全員の意見も一致してこのバンド名に決まりました。そして、初音源のデジタル・シングル「未完の肖像」もバンド名のLIZAとリンクさせてあります。

-HIVARIさんにとって、"モナ・リザ"とはどのような意味を持つものなのでしょうね。

HIVARI:"モナ・リザ"って世界的に有名な絵画なんですけど、その一方で結構ミステリアスなところがあるじゃないですか。実はダ・ヴィンチの自画像なんじゃないか? とか、いろんな説があるんですよね。そういうミステリアスな部分は、自分たちがバンドをやっていく上で大事にしたいところですし、1つの作品に対していろんな解釈が生まれるところも面白いので、"モナ・リザ"にはすごく惹かれるんです。

-今し方"世界的に"というお言葉がありましたけれど、LIZAは海外展開も視野に入れているということですか?

HIVARI:ですね。みんなとも"ゆくゆくはしたいよね"っていう話をしてます。

-なるほど。では、ここからはもう少し音楽面での具体的なお話を伺わせてださい。この5人は"どんな音を作りたい"という意思のもとに集まられたのですか。

ICE:前のM4GNET4R時代は今よりもわりとラウド寄りで、coldrainとかを意識したサウンドを目指してたんですよ。

-それこそ"激ロック"的な音を出されていたわけですね。

ICE:そうなんです。でも、HIVARI君が加入してくれた段階で、やっぱりヴォーカリストの持っているヴィジョンを尊重したいと思ったんですね。だから、そこからは「未完の肖像」に繋がっていくような方向性に音も変わっていったんですよ。

HIVARI:僕がもう、めちゃくちゃヴィジュアル系人間なんですよ。ずっとヴィジュアル系を辿ってきているので、もちろんM4GNET4R時代のラウドな音もカッコ良くて好きなんですけど、自分が歌うとなると"もっとヴィジュアル系したい!"って気持ちがどうしても強いんですよね。だから、LIZAではそこをしっかりと追求しながらも、基盤の部分にはM4GNET4Rで培ってきたラウドな要素も加えていくことで、LIZAとしてのオリジナリティを確立していこう、という共通認識をこの5人は持っているんです。

-せっかくの初インタビューですし、ここは各メンバーの音楽的ルーツについても伺いたいたいところです。

ICE:僕の場合、音楽を始めたきっかけはX JAPANを知ったことでした。

-世代的にリアルタイムで見聞きをされていたわけではなさそうですよね。

ICE:X JAPANは兄貴の影響です。そこから始まってSLIPKNOTとかの洋楽も聴くようになり、邦楽だとcoldrainとかを聴いてましたね。

Roki:僕も父親の影響でX JAPANは聴いてました。他にもLOUDNESSやYngwie Malmsteenとか、基本的に周りでは流行ってない音楽が好きでした。

HIVARI:ちなみに、Rokiは音楽一家の生まれなんですよ。

Roki:母親がピアノの先生で、僕は3歳からヴァイオリンをやってました。LIZAでも曲によっては前奏とかでヴァイオリンも弾いてます。

Amane:自分はJanne Da Arcから入って、いろいろ遡りながらRaphael、MALICE MIZER、黒夢、La'cryma Christiあたりの90年代ヴィジュアル系をよく聴いてました。でも、高校生の途中からはラウド系も聴いてましたね。

#FFFFFF:僕、最初に聴いたのはL'Arc〜en〜Cielだったんですけど、そこからはMÖTLEY CRÜEも聴いてました。

-いきなりの80年代LAメタルですか??

#FFFFFF:HYDEさんがMÖTLEY CRÜE好きっていうことで、VAMPSのライヴで「Live Wire」をカバーしてたのを聴いて知ったんですよ。そこから、DREAM THEATERも聴いたりしましたけど、最近は打ち込み系とかをよく聴いてます。その時々で旬が移り変わる感じですね。

-HIVARIさんは"ずっとヴィジュアル系を辿ってきている"とのことですが、特に思い入れが強いアーティストというと?

HIVARI:Amaneと一緒で最初は学生時代にJanne Da Arc、Acid Black Cherryを聴いてて、そこから遡ってL'Arc〜en〜CielとHYDEさんも聴いて、90年代のDIR EN GREYやPIERROTまで聴いた上で、現代だとどんなバンドがいるんだろう? ってなったときに、一番ハマったのがDIAURAでした。

-そういうことでしたか。メンバーの皆さんから伺った音楽的ルーツについてのお話は、LIZAの初音源「未完の肖像」から窺えるそこはかとない90年代感や、いにしえのヴィジュアル系を思わせる伝統美を漂わせたサウンド、ラウドロックやメタルの要素を孕んだ攻撃性と密接に繋がっていたのですね。

ICE:この「未完の肖像」を最初に出したいって言い出したのはHIVARI君で、何曲かあった中から選んだものだったんですよ。

-「未完の肖像」を作られたのは、メイン・コンポーザーであるICEさんということですが、当初はどのような曲を作りたいというところからスタートしたのでしょう。

ICE:まずはメロディを大切にしたいっていうのが一番強くありました。やっぱり、僕はX JAPANが好きなんで。X JAPANって激しい曲だとしてもメロディはとてもきれいなので、そこを意識しつつそれとはまた別に自分の好きなラウド系の要素も入れて、重さも出しながら仕上げていくようにしたんです。原曲の段階から各パートのアレンジもカッチリ作り込んでました。

-そんな「未完の肖像」を最初に受け取った際、#FFFFFFさんはドラマーとしてこの曲とどのように向き合っていくことになりましたか。

#FFFFFF:いろいろと細かいフレーズが多い曲なので、それをしっかり叩こうと思ってスタジオに入ったんですが、いざレコーディングで叩いてみたら、細かくしっかりというよりも勢いで行っちゃったほうがこの曲には似合うなと感じて、土壇場で叩き方の方向性を 変えました。というわけで、これは完全に勢いで押し切ってます。

Amane:自分が「未完の肖像」で表現したかったのはヴィジュアル系とラウドの融合で、ベース・フレーズ的には刻みのフレーズとかも多いんですよね。タイトさも出しつつ、サビはほんとにメロディアスなので、そこでのグルーヴ感も重視しました。

-「未完の肖像」のサウンドはかなり重心が低いつくりになっておりますので、恐らく弦楽器隊の3人は近い帯域で位置し合うことになったのではないかと思われます。各パートはどのようにバランスを取っていくことになったのでしょう。

Amane:うちはICEがサウンド・プロデューサー的な感じなので、そこも曲作りの段階からしっかり練ってくれてます。

ICE:自分で言うのもなんですけど、僕かなり耳がいいほうなんですよ。例えば、"KNOTFEST(JAPAN)"に行ったときなんかも、その場で聴いた音をずっと覚えてられるんですね。だから、それをバンドでレコーディングするときに活かすことも結構あるんです。まぁ、何Hzの帯域あたりを削ればだいたいこうなるみたいなことも多少は勉強しましたけどね。僕は断然頭よりも耳のほうがいい感覚派です(笑)。

-なお、LIZAにとってはツイン・ギターも大きな武器の1つかと思いますが、ICEさんとRokiさんの役割分担は始動当初から早々に成立していたのでしょうか。

Roki:当初から2人でよく言ってるのは、どっちかがバッキングとかじゃなく"LIZAはツイン・リード"のバンドにしていきたいよねっていうことですね。だから、実際「未完の肖像」のギター・ソロもしっかりハモってます。

ICE:今のところ、どの曲も大半のソロはハモりありですね。最近は洋楽も含めて、あんまりメタル界隈でハモりってみんなやってない傾向な気がしますけど、LIZAとしてハモりにこだわるのはそこもX JAPANからの影響が出てるところです。他が今あんまりやってないからこそ、あえてやってるんです。

Roki:僕もICEさんも7弦ギターで、僕はこのバンドで初めて7弦を使うようになったんですけど、ツインの7弦でやってるからこそのカッコ良さもLIZAは大事にしてますね。

ICE:掛け合いを上手く入れるとかね。いい形で共存してます(笑)。ただ、やっぱりそれでもLIZAが一番大事にしてるのはヴォーカルなんですよ。全てのパートは、ヴォーカルを活かすための音を出すようにしているって言ってもいいくらいです。

-だとすると、HIVARIさんはヴォーカリストとして、この「未完の肖像」をいかに歌い上げていこうと考えられたのでしょうか。

HIVARI:歌い方とかニュアンスとかの表現的な部分は、完全に歌詞ありきというか、その歌詞が伝わるような歌い方をしてます。これは作曲者であるICEとも話したんですが、たとえば途中にデスヴォイスみたいな声が入ってくるあたりも、メタル・バンドがやるようなスクリームとかグロウルとかには寄せてないんです。もっと感情的な部分を重視していて、感情が溢れた結果それが叫びになっているような歌を表現してるんですね。 僕はそこがヴィジュアル系とメタルの違いかなとも思っていて、それこそ技術的な面でのすごいシャウトやデスヴォイスやホイッスルだったら、外国人のメタル・バンドとかですごい人がたくさんいるじゃないですか。もちろん、技術も必要なのは分かってますけど、僕はヴィジュアル系バンドのヴォーカリストとして、技術そのものを追求するというよりは、感情表現を追求する一環としてシャウトやハイトーンを使っている感じなんです。