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INTERVIEW

NAOKI and TAISHO

2025.06.18UPDATE

2025年06月号掲載

NAOKI and TAISHO

Member:NAOKI TAISHO

パンク・バンド SAのNAOKIが、ロック・バンド DOG FIGHTで共に活動した実弟 TAISHOを作詞家として迎えて、Wネームでのアルバム『SPECIAL MOMENTS』をリリースした。TAISHOが10万⼈に1⼈の難病を発症して9年。NAOKIが入院したTAISHOに"暇だろうから詞でも書く?"と曲を送ったことがきっかけで制作に至ったという本作について、メールで話を訊いた。

-激ロック初登場ということで、自己紹介をお願いいたします。

NAOKI:SAのギタリスト、NAOKI(ex-LAUGHIN'NOSE/COBRA/DOG FIGHT)です。

TAISHO:DOG FIGHT(1992〜97年)のヴォーカリスト。2011年、自身のバンド WDRSを復活させ、活動中に10万⼈に1⼈という難病を発症した。

-ご自身のルーツとなるアーティストやよく聴いていた音楽等を教えてください。

NAOKI:13歳のとき、河島英五から始まり、16歳からTHE CLASH等の初期パンクを。その後 40年前にLAUGHIN'NOSEでデビューしてからは聴くより作るが専らですね。

TAISHO:中学のときにSEX PISTOLSをはじめ初期パンクに影響を受け、それが今回MVになった「THE GOOD OLD DAYS」の歌詞です!

-そういった音楽に目覚めたきっかけはなんだったのでしょうか?

NAOKI:1978年、河島英五がギターを激しくかき鳴らし、汗を飛ばし歌う様をTVで観て胸が熱くなったことを覚えてます。

TAISHO:NAOKIの友達の◯ー◯◯◯がパンクを中心としたカセットテープをくれて聴いて、こんなガサツな演奏ならできるんちゃう? と(笑)。

-兄弟Wネームでの初のアルバムとなる『SPECIAL MOMENTS』のリリースおめでとうございます。TAISHOさんが10万⼈に1⼈という難病を発症して9年、奇跡のアルバム・リリースとなりますが、リリース発表後の反響等踏まえて、改めて今の心境はいかがですか?

NAOKI:頻繁に弾き語りライヴをやるんやけど、我々兄弟のストーリーを知る方は喜んでますね。還暦を迎える自分と難病と闘う弟 TAISHOとで、まさかこんな日が来るなんて、ただただ嬉しい限りです。

TAISHO:まだ流通盤はリリースされてなく、手売り分のみ。でも「THE GOOD OLD DAYS」のMVのコメント読んで感動しました(笑)! 兄弟の諦めない心意気が感動を与えてると思う。

-かつて"DOG FIGHT"で共に活動された実弟のTAISHOさんとのタッグという、ファンにはたまらない組み合わせだと思いますが、今回アルバムを制作されるまでに至った経緯を伺えますでしょうか?

NAOKI:昨年秋、入院を余儀なくされたTAISHOに、きっと暇だろうから詞でも書く? って曲を送ったらすぐに詞が......(笑)。その2人のやりとりが気が付けばあっという間に10曲に! この勢い、これはもう録音しなきゃと思ったね。

TAISHO:初めはアルバムの意識なし(笑)。入院中、暇してる僕に作詞の依頼がNAOKIから来て、それが積み重なって......アルバムへと思ってます。

-今作『SPECIAL MOMENTS』は、タイトルからもお2人の様々な想いが込められているように感じますが、今作のコンセプトやテーマがあれば教えてください。

NAOKI:始まりはただただ表舞台に上がれない弟の言葉たちを多くの方に届けたくてね。また闘病に苦しむ方の励みに少しでもなればと。

TAISHO:たくさん音楽をしてきて、たくさん音楽を聴いてきて溜まったものが爆発した感じです。よってコンセプトは「THE GOOD OLD DAYS」の歌詞の一部、"縛られたくない"ですね。

-病室のベッドの上、手足や身体のあらゆる機能が不⾃由且つしっかり声も発せられずの状態にもかかわらず、当初8曲の作詞をたった2時間以内に終えたとのことですが、TAISHOさんをそこまで動かす原動力はなんだったのでしょうか?

TAISHO:厳密に言うと入院中10曲作詞。退院して1曲です。NAOKI のメロディを聴いてパッと歌詞が浮かんだので、1曲につき2時間以内で歌詞を書きました(笑)。

-今作収録の13曲中11曲の作詞を手掛けたとのことですが、制作にあたって意識した点や、苦労したポイント等エピソードがあれば教えてください。

TAISHO:もちろん初めて聴くメロディなので、特に詩が歌に馴染むよう譜割を意識して、あとは時折NAOKIが発したことのないフレーズを入れて、可能性を最大限に意識しました!

-ブルース、ドゥーワップ、バラード等ブラック・ミュージックを中心に、これまでご自身が影響を受けてきたであろう幅広い音楽性の楽曲が収録されていて、随所に楽曲の世界観を演出する、遊び心溢れるサウンドも取り入れられているように感じました。今作の制作にあたって作曲で意識した点や、制作で苦労したポイントはありますか?

NAOKI:夜な夜なレコード・バーに通ってて、ジャンルを問わずいいなと思った雰囲気を取り入れました。いろんな表情の詞を引き出したくてね。ただ、1人でのレコーディングはしんどかったよ、全てのジャッジは自分なんで。でもね、また1つ成長できたかな!

TAISHO:NAOKI のレコーディングや、人を感動させる、時にチャーミングなアレンジだと思います。

-収録されている各楽曲が違ったアプローチになっていてどれも魅力的ですが、その中でも思い入れのある楽曲や気に入っている楽曲はありますか? 理由も含め教えてください。

NAOKI:「シャンパングラスとバージニア」。この曲のコーラスは1人シャネルズ(笑)! 当初は少ししかコーラスを入れてなかったんやけど、仲間がもっとやれって煽ってきてね。なんで、やったりましたわ(笑)!

TAISHO:個人的に「未来の君たちへ」です。貧しくとも裕福で育ったにせよ、関係なく日本を、世界を笑顔のある素晴らしい時代に変えてほしい。願い。

-今作から「THE GOOD OLD DAYS」のMVが公開されています。これまでの歩みを振り返りつつ、お2人の絆を感じる内容に仕上がっていますが、見どころを教えてください。

NAOKI:ありのままの兄弟の歴史。難病ゆえに、撮影場所はTAISHO宅のリビングやベッドで、いつも通りの2人を映し出しています。

TAISHO:見どころは、僕の家のリビングで戯れる兄弟でしょう(笑)。

-今後"NAOKI and TAISHO"の活動として、展望や現状予定されていることはありますでしょうか?

NAOKI:体調等可能であれば、2人でなんでもやりたいね。ライヴやTVショー、そして『SPECIAL MOMENTS』の続きを。

TAISHO:身体は不自由でいい。せめて普通にお喋りができて、制限のない生活が再びできるようになれば全国ツアーやりたいかな。

-最後に激ロック読者にメッセージをお願いします。

NAOKI:還暦と難病の諦めないアホ兄弟を、どうぞひとつよろしく〜!

TAISHO:迷ってる時間はあっても 生命の終わりは突如訪れる。僕の息子みたいに。やれることは、やりたいことは不可能と思っても周りに反対されてもやってくれ!

RELEASE INFORMATION

NAOKI and TAISHO
ALBUM
『SPECIAL MOMENTS』

POCS-23062/¥4,000(税込)
[SELECTIVE RECORDS]
2025.6.18 ON SALE!!

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