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INTERVIEW

SOFTSPOKEN

2024.05.24UPDATE

2024年06月号掲載

SOFTSPOKEN

Member:Sam Scheuer(Vo) Chris Wethington(Gt)

Interviewer:山本 真由 Translator:安江 幸子

-(笑)SOFTSPOKENの歌詞で正しい英語が学べるわけですね。

Chris:そういうときもあるね。たまにクリエイティヴさを優先することもあるけど(笑)。

-こちらの楽曲は、ヘヴィなギターと美麗なアレンジ、グルーヴ感のあるメロディがバランス良くまとまっていて、SOFTSPOKENの新たな代表曲とも言えそうなナンバーですね。こういった楽曲をシングルとして作ろう、という目標が初めから決まっていたのでしょうか?

Chris:今までに書いたどの曲よりも即断即決だった気がする。ショーがキャンセルになってしまったことがあったんだよね。たまたまその場所がプロデューサーのEvan McKeeverの家の近くだったんだ。それで彼に連絡して"1日オフができたんだけど、一緒に曲を書かない?"と言ったら"書こう!"と言ってくれて、会うことになったんだけど、その時点ではアイディアは0だった(笑)。

Sam:俺が温めていたメロディからゆるく発展した感じだね。結果的には全然違うものになったけど。

Chris:"とりあえずどうなるか見てみよう"、という感じで取り掛かったんだ。あまり具体像は考えないでね。インストゥルメンタル部分の大半はたしかその日のうちにできたんじゃなかったかな。そこからまた変化はしたけど。Samのヴォーカルのアイディア以外には何もネタがないところから始まったんだ。

Sam:サビのもとになるような部分からだったね。

Chris:うん。

-わりと即興的な要素が多かったんですね。

Sam:そうだね。たまにはああいうのもいいよ。"通常はしっかり準備をして臨む"んだけどね。みんな、今のところちゃんと聞いて(笑)!

Chris:(笑)

Sam:でもこのときはその瞬間を楽しみながら作った感じだったよ。

-Evanとはそうすると、以前から知り合いだったんですね。出会いはどんなものだったのでしょうか。彼はどんなプロデューサーですか? また彼と組むことになったのは、そのキャンセルになったショーの会場の近くに住んでいたからだけなのでしょうか。

Chris:彼とは共通の知り合いのソングライターが多いんだ。俺は以前アーティストのマネージメントもやっていて、担当バンドがいくつか彼と仕事をしたことがあったんだよね。実際に俺たちがEvanと一緒に書いたのはあのときが初めてだったけど、付き合いは結構長いんだ。

-それで、ショーがキャンセルになったときに、じゃあ初めて一緒に書いてみようかという話になったんですね。

Chris:そうだね。

-この曲の場合はSamのヴォーカル的なアイディアから始まったそうですが、通常のSOFTSPOKENのソングライティングのプロセスについても教えてください。楽曲のアイディアの共有の仕方や、役割分担など、いつも決まったやり方があるのでしょうか。

Sam:曲によるかなぁ。俺とChrisは固定メンバーだけど他は流動的だったしね。ふたりとも家にいるときは常に曲を書いているよ。寂しい声とダークなビートから始まったものが「Alone」(2023年リリースのシングル表題曲)になったりとかする(笑)。個別に曲を書いて、それからChrisが素晴らしいエンジニアでデモの音源を仕上げてくれるから、それを持ってスタジオに入るんだ。ある程度準備をしてからスタジオに臨むことが多いね。

Chris:そうだね、曲によると思う。初期の作品、特にSamが入る前の曲はギター・リフがベースになっているものが多かった。ギター・リフから作り始めていたね。『Pathways』の多くは、俺がまだ日本に住んでいた頃に書いたものなんだ。そこにヴォーカリストがあとからヴォーカルをつけ足した感じだった。1stアルバムの『Deaf Perception』の頃にはSamと一緒に書くことを覚えたよ。俺がひとりで書いたものの上に書いてもらうというよりも"このギター・パートを変えれば、あいつが歌いたいように歌えるんじゃないか"なんて考えながら作るようにもなった。今はギター・パートを考えついたら、それを念頭に置きながらお互いを引き立て合うように作っているよ。でも例えば、『Where The Heart Belongs』に入っている「The Road」は、俺がある日シャワーを浴びているときに思いついて(笑)、こいつに送ったら、"それは音が高すぎる。非現実的だ"と言われて"わかった"って(笑)。そんな感じにやりとりしていたよ。逆もあるんだ。Samはギターもうまいから、3月に出たばかりの「Oblivion」の冒頭のクリーンなパートは全部Samが書いたよ。そんな感じで、今はコラボ的な部分が大きいね。

-ソングライティングはそうすると、メインはおふたりで?

Chris:そうだね。KevinとDylanとはまだ数曲しか書いていないからまだ新しいプロセスだけど、今作っている途中の曲がいくつかあって、それは俺たちがある程度書いたところにKevinとDylanがスパイスを投入してくれる感じ。

Sam:その曲にとって何がベストかを全員が見極めつつあるところなんだ。あまり詰め込みすぎなくてもいいという考えも共通しているね。

-お互いのアイディアにもオープンで。

Sam:そうだね。全員オープンだよ。自分本位な作り方をするやつもいない(笑)。誰かのこだわりがあったとしたら、それが曲のためになるなら受け入れる感じだね。

-そうでないと、みなさんの多彩な音楽的影響を全部いっしょくたにするのも大変そうですものね。共通点も相違点もたくさんありそうですし。

Sam:そう、頭が痛くなるよ(笑)。あまり固執しすぎると人間関係にも支障をきたしそうだし。

Chris:そういうこともあって、本来は自分たちだけでもやっていけると思うけど、プロデューサーをつけるのが好きなんだ。"ここに俺たちが作ったアイディアがあります。最悪か最高か教えてください。お金も払っているし、ちゃんと耳を傾けます"みたいな感じ。どこかの時点で導いてくれる人が必要ということだね。

-俯瞰的な目ですね。

Sam:俺たちのバイアスがかかっていない視点が必要ということだね。

Chris:まぁ、その意見に同意できないこともあるんだけど、間違いなく助けにはなる。

-また、5月末から6月頭にかけて初の来日公演("Softspoken JAPAN TOUR 2024")も決定していますね。中でも初台WALL公演で共演予定のSCYLAは、Chrisが日本にいたときに一緒に活動していたバンドのメンバーでもあるんですよね?

Chris:そう。Brent(Vo)とYuichi(Dr)。

-彼らと共演するのはそのとき以来ですか。

Chris:そうなんだよ! 俺は妻が日本人だから毎年日本に行くんだけど、去年行ったときにいくつか彼らのショーを観たんだ。でもショーで一緒にプレイするのはそれ以来初めてだから、10年ぶりくらいじゃないかな。

-とても思い出深いツアーになりそうですね。

Chris:ああ、楽しみだよ。

-その他のバンドはラインナップを見たところみんな日本人のバンドのようですね? 彼らのことは日本にいたころからご存じなのでしょうか。

Chris:実はあまりよく知らないんだ。知った名前はいくつかあるけどね。ツアーをブッキングしてくれたエージェンシーのRNR TOURS が、知り合いのバンドを集めてくれたんだ。彼らの曲を聴いて予習はしているよ。みんな素晴らしいバンドだ。ただ、個人的にはまだ知り合いじゃないんだ。

-Chrisは奥様が日本人ということで何度も来日しているんですね。Samは初めてでしょうか?

Sam:ああ。とても楽しみにしているよ。

-日本に来るにあたって、ライヴ以外に楽しみにしていることは何かありますか?

Sam:少なくとも1ヶ所は城が見たいね。Chrisと同じで俺も歴史が好きだから、城で歴史を感じてみたい。

-名古屋城、犬山城......あたりでしょうか。

Chris:岐阜城にはぜひ連れていきたいと思っているよ。すごくいいところなんだ。ツアーが終わったら他のメンバーは日本を離れるけど、俺は1ヶ月日本に残って家族と過ごす予定だよ。ツアー中は俺がツアー・ガイドになって、みんなに日本をフルで体験してもらうんだ。ナットウに挑戦してみたり(笑)。

-納豆(笑)。

Sam:何それ?

Chris:今にわかるよ(笑)!

-名古屋は独特の食文化がありますよね。おいしいですよ。喫茶店のモーニングに連れていったら良いかもしれませんね。

Chris:あぁ、そうだね!

-Chrisは義理のご家族と過ごすことになると思いますが、昔のお友達や教え子にも会えそうですか?

Chris:そう、教え子が何人か名古屋のショーに来てくれるらしいんだ。あと、俺が日本に行く前にアメリカで家庭教師をしていた日本人の一家がいて、彼らもどこかで来てくれると言っていたよ。昔の友達に再会できるのも、初めての人に向けてプレイするのもとても楽しみだね。

-日本で教えていた当時、あなたが音楽をやっていることはみなさんご存じでしたか? あ、音楽をやめて日本に行ったのでしたっけ。

Chris:俺は教えているときに日本のCOAST TO COASTというバンドに入ったけど、生徒たちは誰も知らなかったんだ。教えるときは腕のタトゥーも全部隠さないといけなかった(苦笑)。子供たちにタトゥー姿を見せたくなかったから話題にも出さなかったよ。俺がギターを弾くのはみんな知っていたけどね。ところが教え子のお兄ちゃんかお姉ちゃんが、俺がバンド仲間とショッピングモールにいるのを見かけたらしい。それがきっかけで、学校中にバレてしまったんだ。

-(笑)

Chris:教室で"タトゥー見せて"と言われて必死に拒否したよ! "ダメ、無理"って言ってね(苦笑)。

-それは大変でしたね(笑)。でも今度はアーティストとしてのあなたや、Samや、他のメンバーを観に来るんですね。いいですね。きっと素晴らしいショーになりますよ。

Chris&Sam:そうだね!

-ところで5月1日より日本公式 WEBサイトもオープンしていますが、無料のメンバーシップ会員を募集しているそうですね。

Chris:そうなんだよ。これのアメリカ・バージョンはすでに稼働していて、基本的にはコミュニティ作りに使っているんだ。ファンと繋がりたいからね。会員になると新曲を特別に他より早く聴くことができたり、セールやチケットへのアクセスがあったりする。誕生日には俺たちからバースデー・メッセージが届くよ。わざわざ時間を割いて俺たちの音楽を聴いてくれる人たちに、ちょっとクールな計らいをしたくてね。

-このメンバーシップでバンドに少しお近づきになれるわけですね。

Chris:そうなることを願っているんだ。ショーをやることの一番いい点はそれだからね。新しい人々との出会いなんだ。リスナーであろうとプレイする側であろうと、そこにいる人はみんな音楽が大好きだしね。俺が日本で音楽をやっていて実感したのは、どんな言語を話そうと関係ないってことなんだ。音楽はみんなのものだからね。歌詞がわからなくても感じることができる。だからこそ俺たちが日本に行く意味があると思うし、このWEBサイトも意義があると思うんだ。

-たくさんの日本のファンに登録してもらえるといいですね! 最後に、来日公演への意気込みと、日本のファンへメッセージをお願いします。

Sam:みんなのところに行けるということで、超ワクワクしているよ。新しくファンになってくれたみんな、ありがとう。早くみんなと俺たちの音楽を分かち合いたいね。きっと気に入ってもらえると思う。昔からのファンのみんな、いつもついて来てくれてありがとう。みんなのサポートにいつも感謝している。

Chris:俺たちにとって日本に行くというのはものすごく大きな、新しい体験なんだ。俺みたいに日本に行ったことがあるやつにとっても、海外からそっちに行ってショーをやるというのは別格だよ。俺たちは人生を謳歌して音楽を愛しているごく普通の男たちだから、ショーに来たらぜひ話し掛けてほしい。他のメンバーは日本語が話せないから、俺が少し教えようとしているところなんだ。でも俺は話せるから、話し掛けてくれ。みんなで一緒に過ごそう。早く音楽をシェアしたくて待ちきれないよ!

TOUR INFORMATION
"Softspoken JAPAN TOUR 2024"

5月30日(木)東京 中野MOONSTEP
w/ 4 Roses / In Denial / Clone of Vengeance / Squall Of Scream

5月31日(金)東京 初台WALL
w/ MASSCLOWZ / Sentient / SCYLA

6月1日(土)名古屋 3STAR IMAIKE "CYBERNETICS FEST."
出演:SCYLA / SOFTSPOKEN / HANT PLACE / Penetrate / Chemical Glitch / The ObsidiaN / Pray for my Past / PASTIME / While You Freak Out

6月2日(日)大阪 Studio246 JUSO
w/ HANT PLACE / ZEYΣ / SheeSawHarm / 5PM Promise

[チケット]
■東京~名古屋公演
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500(D代別)
■大阪公演
前売 ¥3,200 / 当日 ¥3,700
詳細はこちら

■VIPアップグレード
¥3,200(税込)
※各公演限定10枚
※パッケージに含まれるもの:VIPラミネートパス/サイン入りツアーポスター/バンドとのポラロイド写真撮影/Softspoken 巾着リュック/ギターピック(2枚)/ステッカー(2枚)/ロゴワッペン/ピンバッジ
VIPアップグレード購入はこちら

RELEASE INFORMATION

SOFTSPOKEN
DIGITAL SINGLE
「I Against Me」

NOW ON SALE!!
[Theoria Records]
配信はこちら