MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

キズ

2022.09.16UPDATE

キズ

Member:来夢(Vo/Gt)

Interviewer:杉江 由紀

キズは全員が自分をフロントマンだと思ってるバンドなんです


-そうした度胸の良さは、キズOFFICIAL YouTube CHANNELでの企画"一撃"でも顕著ですものね。THE冠の冠徹弥氏、大森靖子氏、MUCCの逹瑯(Vo)氏、ROTTENGRAFFTYのNOBUYA(Vo)氏、lynch.の葉月(HAZUKI/Vo)氏などそうそうたるメンツを相手に、丁々発止で堂々と渡り合う様にはいつも感心しておりました。

ほんとですか? "一撃"はこの間3期の最終回を迎えたんですけど、さすがに初期の頃はやっぱちょっとビビってたなって思います。始めてもう1年半経ちますし、あの頃はまだ小僧でした(笑)。

-"一撃"とは、コロナ禍の勃発を受けて生まれたものだったのですよね。

あの頃、周りのアーティストがみんな無観客とか工夫してライヴを始めてましたけど、うちらはこの2年間キズとしてはなんもやんなかったんですよ。正直、ああいった無観客公演を観させてもらったときに、"これに憧れてバンドを始めようと思うやつなんて絶対いねー"って思っちゃったんです。

-ズバリ言いますね。

ズバリ言いますよ(笑)。ああいうかたちでのライヴは、今まで自分の歌に金を払ってきてくれた人たちに対して失礼だと僕は思いましたから。だけど、他のかたちでみんなを喜ばせたり、僕も楽しめたりするコンテンツって何かないかな? と考えたときに生まれたのが"一撃"だったんです。当時はバンドとして何もできなかったし、いったんキズを解散させようかとか、コロナが収束したらバンド名が変わっててもまた4人でやれればいいじゃん、みたいなところまで行ったりもしていて、マジで相当ギリギリななかで生まれた企画だったんですけどね。最初に逹瑯さんに"一緒に歌ってください"ってダメもとで電話したら、OKを貰えたんですよ。そこから今に至ってます。自分の好きなアーティストさんたちが、自分の好きな曲を一緒にリアルタイムで歌ってくれるって、こんな嬉しいことないっすよね。

-そのうえ、毎回キズのファン以外の方たちからの反響も大きいようで何よりです。

反響はほんといつもすごいです。3期の最終回で葉月さんがゲストって発表したときも、コメント欄がすごくて。みんなが喜んでくれてる様子がわかるのも僕としては嬉しいんです。"一撃"から僕やキズのことを知ってくれた方も結構いますし、我ながら"一撃"っていうタイトルもよう付けたなって今さらながらに思います。

-第4期の到来はあると考えてもよろしいのでしょうか。

次やりません、とはもう言えないですよねぇ。自分で立ち上げた企画ではありますけど、今や自分の個人的な範囲では収まらないものになってきていて。もし"4期ないです"って言ったら、僕みんなからブーブーめっちゃ言われちゃうのわかってますし(笑)、もともとは先輩たちにダメもとでお願いしてたのが、お願いすると"出たかった"と言っていただける企画になってきたので、僕としても4期は当たり前のようにあると思ってます。

-また、近々の動きとしては冒頭でも触れさせていただいたように、キズは10月9日に日比谷野外大音楽堂での初単独公演"そらのないひと"を開催予定ですが、ライヴ・バンドという観点からいきますと、キズの強みはどのようなところにあるとお考えですか。

そうだなぁ......いつも僕やメンバーが死にそうなところですかね? ライヴ中、ずっと何かと向き合い続けてるような、闘い続けてるような感覚があるんですけど、その相手は自分でもないし、お客さんたちでもないし、何が相手なのかは未だによくわかんないんです。だけど、とりあえず常に必死です(笑)。あと、これは写真にも表れてますけど、キズは4人で一丸となってライヴをやるバンドではないですね。言葉にするなら、4人それぞれがひとりひとりのライヴを作っていく感じに近いと思います。衣装のデザインがまったくバラバラなのも、それこそキズのまとまりのなさをよく象徴してる部分でしょうね。キズは全員が自分をフロントマンだと思ってるバンドなんです。

-ぜひ、野音でもその自由なみなさんのフロントマンぶりを堪能させてくださいませ。

昔はよく"まとまりがない"とか言われてたんですよ。でも、キズはそこを極めましたね。そう考えたら、そこがライヴ・バンドしての一番の強みかもしれない。

-ちなみに、野音の公演に冠せられている"そらのないひと"というタイトルについても、ここで少し解説をいただけますか。

これは"リトルガールは病んでいる。"と繋がってますね。その場で何を僕がみんなに伝えるかっていうのは、当日その現場に観に来て感じてもらいたいです。そして、みんなには純粋に楽しみに来てもらえたら嬉しいかな。別に、歌詞の意味なんて細かく読み取らなくていいし、曲としては「リトルガールは病んでいる。」って前向きな夢を歌ってる曲ですからね。僕の中では反戦曲というわけでもなくて、実は僕の大好きなhideさんに向けた曲だったりするんですよ。

-では、あの"そろそろ僕も入れてくれ宇宙の暇人に"というくだりは......。

「ROCKET DIVE」(Hide with Spread Beaver)の"僕ら宇宙の暇人だろう"っていう歌詞に対しての、自分の今の想いだし、そこが自分の一番言いたいところだったりするんです。"hideさんの歌ってたロケットには夢が乗っかってたけど、今この世界で飛び交ってるロケットはそんな夢とはほど遠いものになっちゃってます。僕たちはこんなことを歌うために音楽をやってきたのかなぁ?"っていう葛藤とか自分の中にある夢もメッセージとしてhideさんに送りたくて。だからこそ、この曲では中途半端なことを絶対できなかったんです。野音でも、みんなにこの曲はハンパなくバカ騒いで楽しんでほしいですね。そのうえで、僕たちの音楽が誰かにとっての大事なものだったり、何かを考えるきっかけだったりになってくれれば本望です。それが今すぐじゃなく、将来的な話だったとしてもね。

-野音も楽しみですが、キズの未来も非常に楽しみです。

ですよね。僕も次、どんな曲を書くか自分でもわかんないんですよ。そんなの楽しいに決まってるじゃないですか(笑)。自分でも想像できない音楽でみんなのことを楽しませる自信しかないんで、まずはとりあえずキズに興味持ってみていただければと思います!

LIVE INFORMATION
"キズ 単独公演「そらのないひと」"

10月9日(日)日比谷野外大音楽堂
OPEN 16:30 / START 17:30
[チケット]
全席指定 前売 ¥6,000 / 当日 ¥7,000
■一般発売:9月17日(土)10:00~
購入はこちら