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INTERVIEW

Little Lilith

2022.07.11UPDATE

2022年07月号掲載

Little Lilith

Member:LILLY(Vo/Vn) ERIKA(Gt) SHIORI(Ba) YUKI(Dr)

Interviewer:宮﨑 大樹

人が敷いたレールは散々歩いてきたから、今は自分でレールを敷いていきたい


-「LadyBug」のMVではあえてメンバーが出ていなかったと思うのですが、今回は満を持しての出演となりましたね。Little Lilithというバンドと世界観をより解像度の高い形で見せられる映像になったと思いますが、完成したMVを観ての感想はいかがでしたか?

LILLY:ストーリー仕立ては「LadyBug」から引き続きです。EP全体がストーリーなので、そういうふうになっているんですけど、そのなかで今っぽさもあるし、私たちも出ているし、よりLittle Lilithらしさが出せているんじゃないかなと思いますね。

-こちらはすでにライヴで披露済みの楽曲ですが、フロアからの反応はいかがですか?

LILLY:サビでフロアが手を挙げるんですけど、それが壮大なサビに合っていて、こっちがエモくなってウルっとなる瞬間があります。フロアも楽しんでくれているんだなと思いますね。

-続く「fuse」は、R&Bっぽいオシャレなパートと、ラウドなパートの緩急が個性的な曲です。

LILLY:まさかDjentに変わったLittle Lilithでこういう曲調をやれると思っていなくて。今までだと「嘘」(『Rebuild』収録曲)が近しい感じですけど、「fuse」ができたことで表現の幅が広がって嬉しいです。これも難しいんですけど、チャレンジできるのがすごくありがたいなと。ラウドのシーンにいても"おっ"てなると思うんですよね。気を引ける曲があるって強いので、これをライヴでカッコ良くできるようになりたいなと考えています。

-これはノリを作って切り替えていくのが難しそうですよね。

SHIORI:一般的に、すごいソロがあったり、高速な曲だったりが難解でカッコいいと言われがちなんですけど、ゆっくりしたテンポで細かく合わせていくのがめちゃくちゃ難しくて。それを自然に聴いてもらって、自然にカッコいいと思ってもらえるように技術を磨いて、頑張って弾いている感じです。難しい第1位。ギターもヤバいよね?

ERIKA:デモ聴いたときから、"これ、ヤバいやつじゃん"と思っていました(笑)。1曲の中で振り幅の広いテクニカルさがずっと続いているので、演奏していて緊張感がものすごくある曲ですね。

-LILLYさんとしては、曲の雰囲気を意識した歌い方になっていますよね。

LILLY:そうですね。ニュアンスとかは変えて歌っています。グルーヴ感を出すのが本当に難しいです。

SHIORI:グルーヴ命な曲なので。

YUKI:技術的にも難しいし、ノリも難しい。でもDjentの中にあるからこそ映える感じがします。

-ライヴでカッチリとハマったらカッコいいですよね。ライヴでいうと、わかりやすく盛り上がりそうなのが「Gun Bullet」です。

YUKI:盛り上がりますね。他の曲が難しめなものが多いので、この曲が始まると一気に手が挙がるというか。

-"譲れない私の正義 止まらない"というサビの歌詞がとても引きのある言葉に感じました。それこそLILLYさんは"譲れない私の正義"を持って活動してきたんじゃないかなと思うんですよ。

LILLY:そうですね。私、頑固だと思うんですよ。自分の中に決めていること、"譲れないもの"があって。そこに反しちゃうと、どうしても"いや、無理です"みたいになります。そういうポリシー、芯みたいなものを持って活動しているから、その歌詞にはすごく気持ちが乗りましたね。

-言語化するとしたら、LILLYさんの譲れないものとはなんでしょうか?

LILLY:"自分が幸せか、幸せじゃない"かは、よく考えていますね。嫌なことでも、その先に幸せがあれば頑張れるというか、そこに向かいたいから今の嫌な状況も打破できるんです。活動に対してもちゃんと目標とか道筋を自分で決断していきたくて。人が敷いたレールは散々歩いてきたから、今は自分でレールを敷いていきたいなと思います。いろんな人の助言とか助けをいただかないと全然できないんですけど、そのうえで最終的に走る方向を決めるのは自分でありたいなと思いますね。

-そしてアルバムを締めくくる「Thanatophobia」は、打ち込みが多く、バンドとしてはかなり思い切った楽曲に思えました。

ERIKA:"これ、バンドでやるんだ"という衝撃はありました。「Thanatophobia」は、楽曲として演奏する前からSEで流しているんですよ。なので、ファンの人たちも、"これ、曲だったんだ"みたいな、そういう衝撃はあったと思うし、それも相まってライヴで映える曲になっているのかなと感じます。

YUKI:演奏面でいうと、打ち込みが入っているパートと、バンドでがっつり行くパートが明確に分かれているので、その落差みたいなものを私たちは出さないといけないのかなと。情緒不安定さを出す必要があるイメージを持っています。

-重苦しくシリアスなサウンドで、でも少しだけ希望を持たせているところは「Graffiti」にも通ずるテーマ性に感じます。

LILLY:タイトルとバックは重いけど、歌詞がすごくきれいなんですよね。直接的な言葉は使っていなくて、字面だけ見るとすごくきれいに聴こえるので、そこの差を出せるように気をつけています。それと、きれいな言葉を歌っているからこその、寂しさとか切なさが出せたらいいなと思っていて。ただ打ちひしがれているだけじゃなくて、違う感情もたくさん乗せて歌っています。

-"Thanatophobia"="死恐怖症"というタイトルも意味深で。タイトルと直接的にひもづく歌詞ではないのもLittle Lilithらしい謎解き感があるというか。すべてを語らないスタンスなので、考察がはかどるんじゃないかなと思います。

LILLY:考察してほしい。お客さんにも"これにはどんな意味が?"とか、"どうしてこのタイトルになったのか"とか、そういうのも楽しみながら聴いてほしいなと思います。

-さて、ここまでお話をうかがってきた『Graffiti』のリリース・ツアーの対バンが発表されました。ツアーを一緒に回るBRIDEAR、MAZEへの印象をそれぞれ聞かせてください。

SHIORI:BRIDEARは歴も長くて。私は過去に対バンしたんですけど、そのときからずっとガールズ・メタルとしてぶれないでやってきている印象です。シーンを盛り上げてきているバンドのひとつだと思っていて。海外でもライヴをやったりしているなかで、今このタイミングで一緒にツアーを回ってくれるのはすごく光栄です。

YUKI:MAZEは、アイドルがここまでやるのか? みたいな、すごい衝撃でした。曲もカッコいいし、パフォーマンスもカッコいい、バック・バンドがゴリゴリの演奏をしているので、すごいなと。

ERIKA:強い......。

-そんな2組のアーティスと回るツアーで、Little Lilithとして達成したい目標を聞かせてください。

LILLY:Little Lilithとしては初めてのEP、初めてのツアーなので、必ず成功させたい。次への架け橋、ステップアップするためのジャンプ台みたいな感じで、そこを乗り切れたらと。この夏に向けての意気込みはみんな半端ないと思います。絶対に成功させたいです。