INTERVIEW
Little Lilith
2021.12.29UPDATE
2022年01月号掲載
Member:LILLY(Vo/Vn) ERIKA(Gt) SHIORI(Ba) YUKI(Dr)
Interviewer:宮﨑 大樹
-自分たちのいるシーンだけでなく、その外からもリスナーを獲得していきたいと。では、そのための第一歩である新生第1弾デジタル・シングル「LadyBug」を掘り下げていきます。新進気鋭のDjent集団"MGM."が参加し、スタートアップを手掛けた曲ということですが、この曲にはどんな印象がありますか?
LILLY:最初は"これをやるのか?"だったんです(笑)。シャウトはやったことがなかったから"できるの? しかも初っ端、第一声......"とか思っていたんですけど、シャウトが入ることによって、今までの私から変わるというか、自分に喝が入る気持ちでした。そこを大事にしていきたいです。この曲には悲しみや切なさが要素としてあるんですけど、たぶん私自身も陰を纏っているんですよ。だからそういった陰の部分が合わさって、陰が増大すればいいなって。そうすることでLittle Lilithという世界観が伝わる曲だと思ったので、そこを上手く表現していきたいし、たくさんの人に聴いてもらいたいです。
YUKI:受け入れがたい人も多いジャンルだとは思うんですけど、感傷的な気持ちになりながら聴いてもらえる曲になったので、毛嫌いしているようなタイプの人にも1回聴いてみてほしいですね。私も最初は"これをやるのか?"だったんですけど(笑)、いちリスナーとして聴いたらすごくカッコいいし、こういうジャンルの曲が好きなので、自分が演奏する側になるのが嬉しかったです。ジャズとかファンクとか、そういうものばかり学んできたので、ツイン・ペダルもLittle Lilithになって初めて触ったんですけど、新しい挑戦として気合が入ったというか、1からやる気持ちで頑張ろうと取り組んでいます。
-聞くところによると、ものすごい練習量だったそうですね。
YUKI:いやぁ~もう......だって左足動かないんだもん。
一同:(笑)
LILLY:骨も折れてるし(笑)。
-骨? 練習で折れたんですか?
YUKI:練習とは全然関係ないんですけど、左足の指がまだ折れています(笑)。
-骨が折れたまま練習とライヴって......スポ根マンガみたいですね。
ERIKA:うちらスポ根なんです(笑)。
-言い換えれば、それだけLittle Lilithに懸けている。
YUKI:そうですね。一生折れていても大丈夫なくらい。
LILLY:いや、そこはマジで治して(笑)。
一同:(笑)
-"Little Lilith"は"小悪魔"という意味ですけど、シャウトが入ることによってだいぶ悪魔みが増しましたよね(笑)。
LILLY:そうですね(笑)。もはや悪魔になりました(笑)。みんなが持っている鬱憤を一緒に叫んでいる気持ちでシャウトしているので、聴いている人たちもそこのシャウトでスッキリしてほしいです。バンドが変わったことが明確にわかる部分なので、本当にカッコいいと思います。
-各パートの聴きどころを聞いていこうと思うんですけど、ヴォーカルは今言ったようなシャウトですか?
LILLY:ここまで言っておいてなんなんですけど(笑)、私が命を懸けているのは落ちサビなんです。陰がある主人公がすっと心に決めるところだと思うんですよ。わめいていたり、不安になっていたりするんですけど、ここで1本の芯ができています。そこは超絶大切にしたいと思っているので、ぜひ聴いてほしいです。
YUKI:ドラムで言えばやっぱりフットワークですかね。Djentの特徴でもあると思いますし、いわゆるメタルとも少し違うアプローチだと思うので、そういうところも注目してほしいです。竿のふたりのフレーズと綿密に絡み合っていたりもするので、聴けば聴くほど味のある作りになっています。そういうところも聴いてほしいです。
SHIORI:ベースで言うと、間奏でスラップをしているところですね。一気に盛り上がるというか、切り替わって感情があふれ出すような感じを表現しています。
ERIKA:ギターはイントロのリフが"The Djent"なんです。バスバス音を切らないといけない、タイトというかシビアな部分が一番重要になってくると思うので、聴きどころはそういう部分ですね。間奏のリフも同じなんですけど、リフが一番重要かなと思っているので、注目して、もし良ければコピーしてみてください。だいぶ難しいと思うので、チャレンジしてみてほしい(笑)。
LILLY:ERIKA様からの挑戦状(笑)!
-(笑)ミュージック・ビデオについてはすでに少し話が出ましたが、準ミス・ワールド2021日本代表に選ばれた期待の若手女優 結那さんが主人公で、メンバーのみなさんはシルエットでしか出ていないですよね。ガールズ・バンドとしては、かなり珍しいことをしているなと。
LILLY:そうですね。ただ「LadyBug」に関しては、私たちが顔を出さなくても十分カッコ良さは伝わるからいいんじゃないかという気持ちはあります。ストーリーを感じてほしいというか、BGMじゃないですけど、あくまでもストーリーを感じて観てほしいところがありますね。そこに私たちの顔が出ちゃうと情報量が多くなっちゃうから、その兼ね合いかなと。
-バンドのミュージック・ビデオというよりは短編映画のような?
LILLY:そんなふうに観てもらえたら嬉しいですね。このストーリーはどうなっているのか、とかに注目してほしい。
-話は変わりますが、今後の動きとして主催ライヴ"Dead or aLIVE vol.2"が予定されています。こちらはどんなライヴにしたいですか?
LILLY:主催はLittle Lilithになってから3ヶ月のタイミングなので、ひと区切りを見せたい。お披露目のときとはまた違った、少しでも進化したLittle Lilithを見せたいと思っています。それより前にもちょこちょこライヴはあるので、実際にライヴハウスの人たちがどんな反応をしてくれるのかが、怖くもあり楽しみでもありますね。
-お披露目以降はまだライヴをしていないんですよね。そのときはファンの方ばかりのライヴだったと思うんですけど、次からは対バン相手のお客さんがいるわけで。
LILLY:そうなんです。だからこそ反応が気になります。主催には来られなくても、対バンで観てくれる人たちもたくさんいたので、そういう人たちがどんな反応をするのか楽しみですね。
-さて、今回進化を果たしたLittle Lilithというバンドでは、何を成し遂げたいですか?
LILLY:リトルリリスのときからずっと言っているんですけど、私は日本武道館でライヴをしたくて。あとは、いろんなフェスに出たいし、海外のツアーにも行きたい。まだ夢みたいな話なんですけど、今のLittle Lilithだったら頑張れば行けるんじゃないのかなって。心強いメンバーにも出会えたので、そういうところを具体的な目標にしていきたいです。具体的じゃない部分で言うと、誰かに刺激を与えられる存在になりたいと思っていて。"この子が頑張っているから、この子の音楽があるからもう少し頑張ってみよう"とか、そう思ってもらえる存在になりたいです。私は、太陽みたいに"元気出して!"みたいなのはちょっと苦手なんですけど(笑)、月みたいに優しく照らしながら"こっちだよ、頑張ろうね、大丈夫だよ"みたいな感じで伝えられたらいいなと思っています。今のは個人の話なんですけど、それはLittle Lilithとしてもできたらいいですね。
YUKI:Little LilithをきっかけにDjentを知るとか、ひいてはジャンルを発信できるようになれたらカッコいいなと思います。私個人で言えばバンド以外の活動もやっているんですが、近いようで遠い関係性でもあったりする業界なんです。でもその双方に胸を張って"カッコ良かったらいいじゃん"と言えるようになりたいし、受け止めてもらえるようになりたい。それは端的に言うと、売れたら勝ちだと思うんです。そういうところまで行って"カッコ良ければなんでもいいじゃん"と言いたい。そういうことで活動のやりづらさ、息苦しさを感じている人もたくさんいるので、ジャンルレスにいろんな人がいろんなことにチャレンジできるきっかけになれたらいいなと思います。
-ところで、LILLYさんとYUKIさんは、Little Lilithになってからそれぞれの言葉で"変わったことはあるけど変わらないものはある"と投稿していましたよね。
YUKI:よく見ていただいていますね(笑)。
-言いたいこと、言いたくないこと、言えないこともあるとは思いますが、変わらないでいたい、大事にしたいものとはなんでしょうか。
YUKI:そこには含みを持たせたかったので、いろんなことを汲み取ってもらえたらという気持ちもあっての書き方ではあったんです。自分なりの信念だったり、音楽に懸ける気持ちだったり、自分が外に出したいものは変わらないんですよ。音楽性とか演奏の内容は聴く人によっては180°違うかもしれないけど、そこに乗せている気持ちは一緒なんだよ、曲の中にあるものを受け取ってほしいという気持ちで書いた言葉でした。
LILLY:外見はだいぶ変わったし、音楽も変わったので、そこをショッキングに思ってしまう人が少なからずいるのはわかってはいるんですけど、音楽に対する姿勢とか、私だったら歌に対しての気持ちとかは何も変わらないんですよね。"Djentは無理"となっている人には"ちゃんと聴いて! 普通のメタルとは違くない!?"と言いたいので、Djentとかメタルとかで毛嫌いしてしまう人にも聴いてほしいです。聴けばわかると思う、わかってほしいですね。Djentだから嫌という人もいれば、逆にDjentだから来てくれる人もいると思うんですけど、そういう人たちも含めてジャンルとかを取っ払っていきたいんです。Djentとは打ち出していますけど、ジャンルにこだわった感じじゃなくて、いろんな人に聴いてもらえるような存在になっていきたい。そこで大事なのはやっぱり中身だと思うので、そういうところもしっかり磨いていきます。