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INTERVIEW

KYONO

2021.10.19UPDATE

2021年10月号掲載

KYONO

Interviewer:荒金 良介

今はもっとグシャッとしたものもいいなと。歪みまくった曲があってもいい


-ほかのゲスト曲で実際にやってみた感触はいかがでした?

TAKUMA(10-FEET/Vo/Gt)は彼のユニークな部分も見えたし、楽しいですよね。それぞれにカラーがあって、バンドも楽しそうだったから。登場の仕方も個性が出ますよね。JESSE(RIZE/The BONEZ/Vo/Gt)もキレキレだったし、みんなのらしさが詰まっているなと思います。

-「IN THE MORNING」もショーの中でいい輝きを放ってましたね。

そうですね。みんなに休憩時間を与えないと、ほかに休める曲がないから(笑)。逆に自分の中ではああいう曲のほうが、緊張感があるんですよ。歌い回し、メロディ感......静かな曲だから、声がもろに聴こえてしまうんで。繊細な曲のほうが自分的にはわりと疲れますね。

-そして、ラストは「YOAKE」で締めくくります。これはやはりTokyo Tanaka(MAN WITH A MISSION/Vo)さんのスケジュールが合わなかったんですか?

そうです。別でスケジュールが合う日があったけど、ほかのみんながあの日だけだったので。Tokyo Tanakaだけ別録りする案もあったけど、そこだけ違う映像なのもおかしくなっちゃうから。本当は出てほしかったんですけどね。

-「YOAKE」の締めも今のご時世ともリンクしているなと。

1stアルバムのタイトルでもあるし、それを出したときの気持ちで最後を締めるのが相応しいかなと思ったんです。Tokyo Tanakaが参加していたら、また違う曲順になっていたと思うんで。

-ちなみに「YOAKE」の歌詞は当時どんな心境で書いたものなんですか?

ひとつの大きな始まりとして、自分の夜明けを歌ったというか。ここから新しい道が始まっていくんだよって。自分に対して言っているところはありますね。"CRUSH & BUILD"と歌詞にありますけど、何かが壊れても、何かが始まる。そういうイメージで書きました。

-KYONOさんの中で壊れたもの、壊したかったものとは?

自分の音の枠をいつも壊して、柔軟になりたいと思っているんですよ。

-自分の中にある固定概念を壊したいと?

そうですね。考え方がひとつの方向しか見えなくなることがあるので、もっといろんな方角から物事を見れたらいいなと思ってるんです。曲を作るにしてもパターン化されてきて、それも壊したい部分ですね。でも、自分っぽくないと思っちゃうこともあるんですよ。型にハマることがつまらなくて、それを広げたいなと考えています。創造することに対する欲が強いのかもしれない。

-KYONOさんがソロをやり始めた理由も、もっと自由に音楽を創作したいという気持ちから?

WAGDUG FUTURISTIC UNITYもソロ・プロジェクトでやっていて、そっちでもやれなかったこと、やろうと思わなかったことをKYONOという名前でやるうえではやってみようと考えたんです。自分でギター、ベース、シンセ、打ち込みを手掛けてそれを思いっきりやりたいなと思って。

-それは自分のテイストをより追求したいから? あるいは、新しい可能性にどんどんチャレンジしたいから?

もっとチャレンジしたいからですね。歌ったことがない曲調もやってみたいし、もっと初心にかえろうとも思いました。それこそ中学の頃に聴いていた'80sとか、'90sはこういうものが好きだったなぁとか、そういうものが1stアルバムではごちゃ混ぜになってますからね。より伝わりやすい歌にしたいなぁとかもあるんです。今はまた感覚が違うんですけどね。

-あっ、そうなんですか。

もっとグシャッとしたものもいいなと。歪みまくった曲があってもいいし、その時々で波はありますね。

-今回の映像を観ると、やっぱりKYONOさんは爆音が好きなんだなと思いました。

はははは(笑)、そうですか。基本そうかもしれない。バンッ! とデカい音が鳴ると、嬉しくなるし、自分もその中でワーッとやりたくなるから。

-うるさいロックでKYONOさんの心に残り続けている音楽は?

MOTÖRHEADも好きでしたからね。"すげぇ!"と思いましたもん。ベースでそもそもあの音を出しているのがすごいし。ライヴで観たときもセッティングの時点で音がすごかったから。

-KYONOさんの口からMOTÖRHEADの名前が出てくるとは少し意外でした。

初めて言ったかもしれない。忘れてました、はははは(笑)。初めて聴いたのは18歳ですね。

-最初は『Ace Of Spades』ですか?

その前に知り合いが『極悪ライヴ(原題:No Sleep 'Til Hammersmith)』のアナログ盤を貸してくれて、なんじゃこりゃ! って。それから『Ace Of Spades』を聴きました。『極悪ライヴ』はすごいですよね?

-今年は発売40周年を記念して4枚組で出ましたからね。

へぇー! そうなんですね。パンクも聴いていたけど、メタルやパンクにこだわらず聴いていたし、MOTÖRHEADはジャンルを超えているじゃないですか。あそこまで行っちゃってるのはなかなかいないし、かっこいいですよね。自分もジャンルを決めて、音楽をやっているつもりはないし、好きな要素を入れて曲を作ろうと思ってますから。

-話を戻しますが、メイキングでライヴ出番前に"出てきたときはマスクつけていたほうがかっこいいかな?"とKYONOさんが言って、周りから苦笑いされる姿もかわいげたっぷりでした。

ははははは(笑)。あそこは自分で観ても、笑っちゃいましたね。身内ノリだけで面白いと思うものは、知らない人が見たらつまらないだろうから、カットすると思うんですよ。いろんな人が見て面白いと思うなら、ありっちゃありですよね。