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INTERVIEW

DESURABBITS

2021.03.30UPDATE

2021年04月号掲載

DESURABBITS

Member:EMI YUZU KARIN BUCHO

Interviewer:宮﨑 大樹

歴史に名を残せたのは、本望でしたね


-ここから新曲の話も聞いていければと思います。「I'M ON MY WAY」は、BUCHOが言っていたようにミドル・テンポなのが珍しいですね。

EMI:今までのどの曲ともテイストが違うじゃないですか? この曲は、反応がちょっと不安ですね。みんながどう受け取るかも想像つかないし、自分たちがどういうライヴをするのかも見えなすぎて。ただ、見えないからこそ、なんでもできるのかなと思ったりもします。

YUZU:曲としてはすごく面白いと思う。私が好きな曲の基準って、ライヴが楽しいか楽しくないかなんです。なので、今のところ「I'M ON MY WAY」はわからないですね(笑)。ライヴでやるイメージができなくて。

BUCHO:個人的にはレコーディングのときから、LINKIN PARKのChester Bennington(Vo)が降りてきて、魂を込めて歌っていましたね。

-最後のアルバムで新しい一面を見せていくことは、とても好印象でした。「I love DESURABBITS」は、聴いてからのお楽しみな部分は残しておきたいと思うので、あえて細かくは聞きませんが、これまでの感謝と今の想いが詰まった、デスラビの集大成的な曲ですね。

EMI:コバテツさんは最初のころから関わってくださっていたんですけど、最近は以前ほどの関わりがなくなっちゃっていたんです。それでも、デスラビ愛を感じられて嬉しかったし、最後に明るく終われそうな曲を作ってくださって、感謝の気持ちです。

YUZU:わかる。コバテツさんが関わっていない期間のエッセンスも入れてくれていて、愛を感じます。コバテツさんが最後に曲を書いてくれると聞いて嬉しかったんですけど、歌詞は別の人が書く予定だったんですよ。プロデューサーが、コバテツさんに依頼したんですけど、1回断られたらしいんです。でも、私はそれが絶対に嫌で、どうしてもコバテツさんに書いてほしくて。で、"お願いだからコバテツさん書いてください!"と伝えて書いてくれることになりました。それもすごく嬉しかったし、最後のサビの3行が私の中のすべてかなと思います。

BUCHO:最後のサビのところ、ヤバいよね。DESURABBITSの歴史を知ったうえで歌詞カードを見てもらうと泣く。今もちょっと来るもん。見ない見ない。ヤバいヤバい。

-いろんなエッセンスが入っているからこそサウンド的にも展開が多くて面白いです。

YUZU:Aメロ、Bメロはいい意味でごちゃごちゃしているというか、わちゃわちゃ感がありますよね。

EMI:ライヴにぴったりの曲なので、早くライヴでやりたいです。

-ではここで、ラスト・アルバムの総括を聞かせてください。

YUZU:今のDESURABBITSの名刺代わりというか、今のDESURABBITSを感じられるアルバムです。それでも、その中には昔の私たちの良さも入っているので、厚みのある作品になったなと思います。

-さて、解散の発表から4ヶ月(※取材は2021年3月中旬)ほど経過しましたが、解散に至るまでの経緯について改めて一度お話を聞かせてください。

YUZU:YUZUとKARINが20歳になって、EMIちゃんも19歳、BUCHOも年々歳を重ねていくうえで、昔はできなかった話とか、将来の話を当たり前に話すようになってきて。みんなお互いのことがめちゃくちゃ大好きだし、DESURABBITSのことも大好きなので......なんだろうなぁ......時が来たって感じですね。

EMI&KARIN:うん。

YUZU:嫌になったとか、仲が悪くなったとかいうわけではなくて、それぞれがそれぞれのことを想って、この先に向かって決断した感じですね。

-アイドル・グループの発表って、事実よりもふわっと発表する場合が多いと思うんですけど、公式サイトでEMIさんが包み隠さず発表していたのはすごくカッコ良かったです。

EMI:ありがとうございます。気づいたら大人になって、チャレンジするうえでの年齢制限も気にしないといけなくなっちゃって。だから、何かやりたいと思ったときに挑戦してみたいなと思ったんです。

YUZU:ひとり欠けちゃったらデスラビじゃないし、増えてもデスラビじゃないので、なるべくしてなったという感じですね。

-KARINさんは解散話に対してどう向き合っていましたか?

KARIN:下北沢GARDENのワンマン前にもこういう話をしていて、そのときは電車とかでも泣きながら"嫌だ!"とずっと言っていました。みんなでご飯に行ったときにはBUCHOも同意して"嫌だ!"って(笑)。それから1年くらい経って今回の話になって、2回目に言われたときに納得できたんですよ。"あぁ、そういう時期だな"と。メンバーとの信頼関係もより深まっていたから、メンバーの進む道を信じてあげようと思って。だから嫌だとは言わなかった。本当に幸せになってほしいんですよ。

YUZU:私はあなたにも幸せになってもらいたいわよ。

EMI:当たり前だよ!

BUCHO:DESURABBITSという形は終わるかもしれないけど、BUCHOを除いたら3人はまだまだ若いし、どんな失敗でもやり直しできるじゃないですか? 自分なりに楽しいと思えることを選んで、人生を歩んでもらえるのが、メンバーとして一番嬉しいかなと思いますね。

-ファンからの反応は、どう受け取っていましたか?

KARIN:自分のことでいっぱいいっぱいで、反応がわからなかったんです。

EMI:みんな優しくて、"お疲れ様"みたいな声が一番多かったように感じますね。ファンの方は優しい人がたくさんいて嬉しいです。

YUZU:7年間ずっとやってきたから、いつかこのときが来るということはわかっていたと思うし、永遠なんてないじゃないですか? ファンのみなさんは温かく受け止めてくれて、とても嬉しいなと思うし、だからこそ最後のライヴまでは本当に全力で走り切りたい。解散発表をしたときにエゴサをしたら、昔に観てくれた人とか、1回対バンで観てくれた人がつぶやいてくれていて、そういう人にも今の私たちを知ってもらいたいです。6月で解散だからといって、今まで知ってくれていた人たちだけじゃなくて、新しいアルバムを通していろんな人に出会いたいなと思っています。

-今はもう解散をすることへの実感は出てきましたか?

YUZU:解散ライヴの日程が決まってからは実感が湧いてきました。

EMI:みんなで解散について初めて話したときに一度実感が湧いて、その日から泣きウィークに入っちゃって、と思ったらめっちゃ元気になったんです。解散ライヴが決まってからは、またこういう取材とか受けると泣いちゃうんですよね......(笑)。

-これまで数えきれないほどライヴをしてきましたけど、特に印象に残っているライヴってありますか?

YUZU:いつだったか覚えていないんですけど、名古屋か大阪の遠征のときがすごく心に残っていて。私、アウェイのライヴがめちゃくちゃ好きなんですよ。遠征ってもちろん東京のファンの方がついてきてくれるし、現地にいるデスラビのファンもいるんです。だけど、自分たちの曲を聴いたことがない、初めてデスラビを観る人が多いだろうから、そういう人たちをどうやって巻き込んでやろうかと考えるのがとても好きで。最前に地蔵みたいな人がいて、そういう人たちにレスを送りまくって、その人たちが声を出した瞬間というのがすごく嬉しいんです。その遠征のときに「日本たまご協会公式ソング」(2016年リリースの2ndアルバム『第二次うさぎ大戦』収録曲)をやったんですけど、あの曲って振付が独特じゃないですか? あれを"踊れぇー!"と言ったら本当にみんな踊ってくれて、それがすごく心に残っています。楽しかった。ああいうライヴをまたやりたいですね。

EMI:全然感動する系じゃないんですけど、大宮でリリイベをしたときに「お祭りJAPAN!!告白Night」で歌詞が全部飛んだんですよ。どうしようと思って。ずっとにゃんにゃんで歌ったのが自分の中で最大限に歌詞を忘れたときだったので、それがある意味で印象に残っています(笑)。

KARIN:かりこは下北沢のワンマンが記憶に残っていて。あれがコロナ禍に入る前の最後のワンマン・ライヴで、そのときの映像が期間限定で公開されていた時期があったんですよ。それを毎日観てました。楽しかったなと思って。

BUCHO:個人的にはLIQUIDROOM ebisuで主催ライヴをやったときですね。2016年11月に"ラストライブw"と銘打って2デイズで箱を借りたんですよ。そこにLADYBABY、さん、夏の魔物さん、PassCodeさんと4組でやらせていただいて。このブッキングは1年前から調整を入れていて、それが実現できたのがすごく嬉しかったのと、LIQUIDROOMは、BUCHOの中では、ATARI TEENAGE RIOT、MARILYN MANSON、SLIPKNOTとかが単独公演をやった大きい箱で、このグループでやれるというのが感慨深かったですね。

-デスラビの活動を通して、みなさんが得たことや変わったことってなんだったと思いますか?

KARIN:アイドルって、笑顔でキラキラしているイメージがあったんです。だけど、いろんなアイドルさんがいて、自分らしさを出していいんだと気づいて、自分を出せるようになったのかなと思います。

YUZU:全部じゃないですかね。中学生から大学生になったわけじゃないですか? いわゆる青春みたいな時期にずっとDESURABBITSをやっていたので、部活で大会とかそういう経験はできなかったけど、その代わりにいろんなファンの人に出会えました。誕生日をあんなに大勢の人に祝ってもらう機会って普通の人にはないですし、本当に人との出会いに恵まれたなと。自分も、7年間を通して、本当に成長したと思う。小学校のころの友達に会うとビックリされるんですよ。見た目も変わったし、性格が丸くなったと言われるんですね。そういう意味でも大人になれたのかなって。全部デスラビに捧げてきたので、人生って感じです。

EMI:昔は、歌に感情を込めて歌うとかできなくて、きれいに歌っちゃっていたんですよ。今はきれいにも歌えるし、崩しても歌えるし、技術面の臨機応変さも獲得できたと思います。それに、こういう取材とかでも自分の意見を言えたり、デスラビのミーティングとかでも自分の意志を伝えられるようになったり、成長できたなと思いますね。人見知りもしなくなったし、コミュ力が上がったなと。人に興味を持つようになったのかもしれないですね。前よりは人の気持ちを考えられるようになったのかなと思います。

BUCHO:日本の音楽シーンの中で、男女混合型のアイドルとして実績を残せたことが一番嬉しく思いますね。あとにも先にもこれ以上のグループは生まれないと思うし、今は男女混合のグループは星の数ほどいるかもしれないけど、まずはDESURABBITSが物差しの基準となるものになったんじゃないかな。中途半端に美男美女を入れても成功しないと思うし、逆に際物すぎても失敗すると思うし、そのバランスと目的をどうするかというのをしっかり作れたと思います。そういうふうに歴史に名を残せたのは、本望でしたね。

-最後に、ラスト・ライヴ、そして解散へ向けての気持ちを聞かせてください。

BUCHO:この4人で、この名前でライヴをやることは二度とありません。なので、DESURABBITSがどんなグループだったのか、どんなステージをしたのかということを、名前を知っている人、観たことある人、それ以外の人にもぜひ最後は生で観てほしいと思います。早くコロナ禍が落ち着いて、お客さんのコールが聴きたい。みんなも我々の声が聴きたいと思うけど、同じようにお客さんの声が聴きたいんです。

EMI:このメンバーでステージに立つのは最後になるので、みんなを楽しませつつ、自分が一番楽しむことを忘れずにライヴができたらなと思います。

KARIN:今まで応援してきてくれた人に、ありがとうと伝えたいです。

YUZU:私は人生の中でライヴをしている時間が一番好きなので、コロナ禍だからいろいろ制限はされちゃうかもしれないけど、"人生の中で一番楽しかった"と言えるライヴができるように、全力でみんなと一緒に楽しいライヴを作りたいと思います。