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INTERVIEW

FOO FIGHTERS

2021.02.05UPDATE

2021年02月号掲載

FOO FIGHTERS

メンバー:Dave Grohl(Vo/Gt)

インタビュアー:山本 真由

-音楽以外にも、先日は25周年企画の一環として、LAのレストラン"Casa Vega Restaurant"とコラボレーションしたタコス、"Foo Fighters taco"も期間限定で発売したそうですね。楽しいプロモーション映像も公開されていますが、こういった企画はどなたのアイディアなのでしょうか?

あれは全部俺のアイディアだよ(笑)。毎朝目覚めると"さて、今日俺には何ができる?"と考えるんだ。俺はバケーションなんて取らない。リタイアなんてしないし、じっとしていられないんだ。ソファでうたた寝もしないよ。"今日はどう過ごそう?"と考える。そういう朝を日々過ごしているなかで思いついたアイディアなんだ。どうしたらクリエイティヴでいられるか、どうしたらオーディエンスと繋がることができるか、どうしたら喜びや幸せを運ぶことができるかを考える。そんな感じで毎日が新鮮だよ。試練でもあるけどね。英語には"play the hand you're dealt(与えられた手で勝負する)"という言葉があるんだ。その状況の現実を受け入れて、折り合いをつけないといけない。俺は希望を持っている。希望があるからやっていけるんだ。この状況の終わりに一日一日近づいているはずだという希望を持っている。みんなまた一緒になれる日が近いうちに来ることを願っているんだ。それまではこういう小さなプロジェクトをいろいろやっていくよ。それが俺に希望を与えてくれるからね。

-さらに、Daveの日本酒好きが高じて、楯の川酒造からオリジナルの日本酒を発売することにもなったとか。

そうなんだよ(笑)。

-こちらはもう完成しているのでしょうか? かなり気になるコラボレーションです。

それがわからないんだ。公式発表はまだされていないんじゃないかな。俺は酒(日本酒)が大好きでね。LAや日本にいるときは、メニューにあればいつも頼んでいるよ。好みのタイプの酒もある。名前がわからないし、わかったところで発音できないけど(笑)、ふくよかで辛口の酒が大好きなんだ。それが俺の好みだよ。ともあれ、酒造からは酒が3本送られてきたんだ。"味見をして、どれが好みかひとつ選んでください"ってね。それで1本ピックアップしたよ。3本全部飲んだけどね(笑)! 無駄にはしないよ(笑)! ともあれ1本選んだから、いつかそれが"FOO FIGHTERS SAKE"になって出るよ。

-楽しみにしています! そして、今年一番のビッグ・ニュースは、なんといってもニュー・アルバムの情報ですね。ニュー・アルバムからのシングル第1弾「Shame Shame」も公開されました。わーっと盛り上がるタイプの楽曲ではないですが、グルーヴ感もあり、じっくり聴き入ってしまう楽曲です。本国での反響はいかがでしたか?

25周年を迎えた俺にとって一番大切なのは、怠けないことなんだ。この先一生同じサウンド、同じ曲に依存していくのはまっぴらだよ。バンドとしてもミュージシャンとしても動き続けていかないといけないし、実験し続けていかないと。このアルバムを作ったときは、「Making A Fire」とか、2、3曲やってから「Shame Shame」を録音したんだ。俺たち自身も驚いたよ。あんな曲は今までやったことがなかったから。本当にワクワクしたよ。あの曲みたいにフレッシュで新しいものが生まれるってことは、まだ命の伸びしろがあるってことだからね。それでその伸びしろの方向に進み続けていった。今まで俺たちのやってきたものとはあまりに違うからこそ、新作から最初に聴いてもらうのはあれにしたかったんだ。そうしたら残りの曲を聴く心の準備ができるからね。と言っても、残りの曲と音が似ているわけじゃないし、むしろ際立った存在だし、かなりダークな曲だけど、聴いた人の頭の中にはクエスチョン・マークが残る曲なんだ。ミステリーというか。開けた人がプレゼントの中身に興味を持つようなラッピングだね。興味深い曲だと思うよ。アルバム本体が出たときに、あの曲がどうハマるのか、どうしてこういう曲になったのかわかってもらえるだろうからね。

-驚いたり、中にはショックを受けたファンもいたのでしょうか。

そういう人もいたんじゃないかな。俺たちが25年間維持してきたFOO FIGHTERSの定番サウンドを愛してくれている人たちがいるからね。その要素はこのアルバムにも入っているけど、進化もしないといけないから。自分でこの曲を聴いてみると、ドラスティックな変化とは感じない。FOO FIGHTERSのメロディだし、FOO FIGHTERSらしいアコースティック・ギターのサウンドだ。10年前に作ったアコースティック・アルバム(『In Your Honor』のDisc-2)を思い出す人が多いだろうね。「Shame Shame」みたいな曲のルーツをわかってくれると思うよ。正直言って今の俺にとって一番大切なのは、自分たちの命がまだ残っているということなんだ。そしてああいう曲が俺たちを前進し続けさせてくれる。

-たしかに今作に収録されている楽曲は、全体的にシンプルでありながらバラエティに富んでいて、とてもFOO FIGHTERSらしさを感じました。と同時に今までになかったタイプのアルバムでもありますね。25周年を記念する作品であり、10作目となるフル・アルバムということで、これまでの集大成的な内容にしようという意図はあったのでしょうか?

今回はやりたいことがはっきりしていたんだ。25周年記念の作品で、10作目のアルバムであるからこそ、パーティー・アルバムを作りたいという気持ちが明確にあった。エネルギーを感じられて、気分がアガって、バンドにとってもフレッシュなサウンドで、踊りだしたくなったり、シンガロングしたくなったりするようなやつ。ダークで眠くなりそうな、リタイア生活を思わせるアコースティック・アルバムじゃなくてね(笑)。そんなものはクソ喰らえだよ。

-それはあなたらしくないでしょう(笑)。

らしくないよ! "パーティーの始まりだ、LET'S GO"という感じ、それが目的だったんだ。今まで作ってきた音楽があるからこそだね。自分で昔の曲を聴いてみると、パンク・ロックみたいにすごく速くて、ディストーションやスクリームを多用したものもあれば、アコースティックで穏やかできれいにオーケストレーションされているものもある。そういうのの間にあらゆるタイプの曲があるんだ。でも、グルーヴ主導の、踊れるアルバムだけは作っていなかった。それで"よし、そのときが来たぞ"と思ったんだ。こうすることによって、バンドであることの新たな意義、新たな命が芽生える。だから、とても意図的に作ったんだよ。

-なるほど。ところで今作のタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?

アルバムの名前を付けるというのはとても奇妙なことなんだ。通常俺がアルバムを名付けるときは歌詞を全部見るね。アルバム全体を体現しているような単語や、フレーズがあったらそれに注目する。「Medicine At Midnight」は満足できないことについて書いた曲なんだ。何かの手助けが欲しいような感じ。気分が良くなるためだったり、眠れるようになるためだったり。それは飲み物かもしれないし煙草かもしれないし、本でもなんでもいい。"Medicine"という言葉には癒しのニュアンスもあるからね。それから"Midnight"というのは絶望的な時間なんだ。1日の最初の時間であると同時に最後の時間でもあるし、いいものでも悪いものでもあり得る。絶望的な時間帯に癒しを得ることができるというのは理に適っている気がしたんだ。それに、100万人いたら100万通りの解釈ができるタイトルだと思う。ちなみに忘れないでほしいけど、この曲を書いたのもアルバムのタイトルを付けたのも、パンデミックが起こるよりうんと前なんだよね。レコーディングをやったのも1年くらい前だしね。去年の11月か12月かそのくらい。今年の1月にはタイトルを決めて、アートワークもTシャツもポスターも作ってあった。そこにパンデミックが起こって......"Oh, fuck!"という感じだったよ。こんなタイトルじゃワクチンのことを歌っているって思われるんじゃないかって。

-"こうなるって予言してたんですか?"なんて思われたりして(笑)。

ワクチンの歌じゃないんだけどね(笑)。

-でも心には嬉しい、音楽のワクチンだと思いますよ。発売を楽しみにしています。

(笑)

-プロデューサーは前作に引き続き、ヒットメイカーのGreg Kurstinが担当していますね。今作では、何か前回とは違ったオーダーをしましたか?

まず何よりも、俺たちは友達なんだ。とても親しいし、ご近所仲間でもある。ほとんど毎日顔を合わせているよ。彼は俺が今までの人生で出会った中でもダントツに天才なんだ。今まで本当にたくさんのミュージシャンに出会ってきたけど、彼が一番すごいね。天才だと本気で思っているよ。大半の人にはできない音楽の聴き方や見方ができるんだ。しかも、能力の幅がとても広い。壮大なポップ・アルバムを作るかと思えば、優れたジャズ・ミュージシャンでもある。だけどパンク・ロックもロックンロールも大好きなんだ。子供の頃からジャズをやっていたジャズ・ピアニストで、初めて心から惚れ込んだのがジャズだったらしい。でもギターやベースを弾くのも大好きで、ドラムも叩くしレゲエも大好きで、パンク・ロックもブラジル音楽も......とにかくなんでもできる人なんだ。だから、彼に"次の作品はDavid Bowieの『Let's Dance』みたいにしたいんだ――ロックンロールのパーティー・レコードでケツを振って踊りたくなるようなやつ"と言ったら、俺の言いたいことを正確に理解してくれた。完全にわかってくれたんだ。

-「Making A Fire」や「No Son Of Mine」など、ライヴで盛り上がりそうな楽曲も多いですが、このアルバムをどんなふうに楽しんでほしいですか? もちろんパーティー・アルバムとしてというのもありますが。

俺の場合アルバムに惚れ込むときというのは、アルバムを発見する。聴く。また聴く。そして、また聴く。さらに、また聴く。そんな感じなんだ。そのアルバムが何かしらのフィーリングをくれるからね。......このアルバムは素晴らしくライヴ向けになると思うんだ。ステージでやったらすごくいいサウンドになるだろうね。FOO FIGHTERSの曲を3時間ぶっ通しでやれるような状況になったときに、セットリストに入れても全然違和感がないと思う。と言いつつ、今はとにかくヘッドホンをつけて目を閉じて聴いて、少しでも解放感や現実逃避感を味わってもらえたらと思っているよ。あるいはステレオにかけて、酒をちょっと飲んで、アパート中を踊り回って聴いてほしいね。どんな聴き方であっても、少しでも喜びや、幸せを感じ取ってもらえれば嬉しいよ。俺たちが喜びと幸せをたくさん詰め込んだアルバムだから。

-ありがとうございます。また直にあなたの音楽が聴けるように、パンデミックが早く終わってほしいですね。

あぁ、本当にそう願っているよ......。

-最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

ハロー! FOO FIGHTERSのDave Grohlだ。俺が今言いたいのは......早くまたみんなに会いたくて待ちきれないってこと。みんなにとって安全にコンサートをやれる状況になって来日できるようになったら、できるだけ早くそうするよ。激ロックとファンのみんな、ありがとう! 近いうちに会おう!