MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

DEXCORE

2020.10.05UPDATE

DEXCORE

Member:架神-kagami-(Vo) 梦斗-yumeto-(Gt) 澄-to-ru-(Ba) 伶司-reizi-(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

-潔いお言葉です。ところで、『[METEMPSYCHOSIS.]』では、既存曲で固められたDisc 2や、会場限定盤でもあるDisc 3が架神さんの作られた曲のみで構成されているのに対し、新曲群で構成されているDisc 1には架神さんだけでなく、梦斗さんの作られた楽曲も収録されております。この1年ちょっとでコンポーザーがふたり体制になって以降、お互いに役割分担のようなものを意識することは出てきましたか?

架神:それぞれ得意分野は違うので、そこは自然と棲み分けができている感じですかね。

-ちなみに、お互いが相手に対して"こんな曲を作ってくるのか!"と感じたケースなどはありましたか?

梦斗:僕は、「Truth=Betrayal」っていう曲に対してそれを感じました。この曲はバンド史上初のドロップFチューニングになっていまして、今までドロップAでやってきた自分からすると、予想もしなかった曲が出てきて驚かされたんですよ。架神のクリエイティヴな発想力ってすごいなと改めて思わせられましたね。メロが一切ないところも完全にブチ切れててカッコいいんです。

澄:これは振り切ってるよねぇ!

-逆に、架神さんが梦斗さんの曲に対して刺激を感じたものはどの曲でした?

架神:MVにもなってるバラードの「BREATH」がめちゃくちゃ大好きなんですよ。デモが上がってきてた段階からそのデモをずっと聴いてたくらい、いい曲だなーって思ってましたしね。この完成形もすごく気に入ってます。

-新曲ばかりのDisc 1はヘヴィさや激しさの面で突出した楽曲が多いだけに、このバラード「BREATH」はことさらな強い存在感を放っているように感じられます。

架神:ヴォーカリスとしてとても歌い甲斐のある曲ですね。僕はヘヴィな音楽も大好きですけど、J-POP育ちなところもあるので、このきれいなメロディに対する"好き!"っていう気持ちが歌にも溢れちゃってると思います(笑)。

-わかりました。また、ここからはリズム隊のおふたりにも今回のアルバムにおける個人的な推し曲をうかがいたいと思います。まずは伶司さん、お願いできますか?

伶司:新曲の中では「U.N.Know」ですね。BPMが250で速いんですけど、こういう曲は得意だし大好きなので早くライヴでもやりたいです!

梦斗:マジで? やりたい気持ちはあるけど、これをこの速さで弾かなきゃいけないと思うとやりたくない気持ちもあるんだよね。今回のアルバムの中では、この曲のギターが一番難しかった(苦笑)。

伶司:ほんと? 俺的には250くらいでちょうどいいくらいなのに(笑)。リテイクのほうに関してはDisc 3に入ってる「Hunger」が特に好きですね。たしかこの曲はDEXCOREにとって始まりの曲でもあるんですよね?

架神:そうだね。最初に出した音源(2016年リリースの無料配布シングル)に入れてあったから。今回のリテイク曲たちの中で一番古い曲なのは間違いないです。

-次に澄さん。今回のアルバムにおける個人的な推し曲はどれになりますでしょう?

澄:Disc 1の最後に入ってる「Visitor」です。最近はなんでもかんでも"エモい"っていう言葉で片づけられちゃうことが多いので、あんまり使いたくはないんですけど、それでも、自分にとってのこの曲は"めっちゃエモい"ものなんですよ。

-激しさとメロディアスさが絶妙なバランスで融合しているところが、聴き手の胸をやたらと熱くさせるのでしょうね。

澄:激しい音楽が好きな人にも、歌メロのしっかりしてる音楽が好きな人にも、両方に伝わるような曲になってると思います。この曲でアルバムの最後を飾るっていうことも、バンドの中では自然と決まってましたね。

-厳つい曲、殺伐とした曲、カッコいい曲、熱い曲などがたくさん入り交じるなか、最後にこの「Visitor」が響くことで、聴き手は腑に落ちる感覚を得られるのではないかと思います。読後感ならぬ、聴後感がとてもいいアルバムになっていますよ。

梦斗:ほんとですか。だったらそこは僕らの読み通り、計画通りです(笑)。

-1stフル・アルバムならではの前のめりな勢いだけで押し切るのではなく、余裕ある貫録をも1枚目にして見せつけられた感じがしますね。

架神:あぁ、その言葉はすごく嬉しいです。

梦斗:前まではバンドとしてもどこか構えていたところがあったというか、ヴィジュアル系なんだからこうしたほうがいいんだろうとか、ヴィジュアル系だからってナメられたくないとかっていう気持ちにとらわれちゃってたところもあったと思うんですけど、今やそんなことはどうでもよくて(笑)それぞれのメンバーがやりたいことをニュートラルにやれていて、それがちゃんとDEXCOREとして成立しているので、今回のアルバムにもそこは音として表現されているんだと思います。

-そんな今作に"[METEMPSYCHOSIS.]"というタイトルを冠した理由についても、教えてください。

澄:これ、輪廻転生っていう意味なんですよ。

架神:今回のアルバムにはリテイクとかも入ってるので、そこも含めてのタイトルとして考えたときに、輪廻転生という言葉が最も相応しかったんですよ。というのも、前任のドラマーが今年2月末に脱退したときには"DEXCORE、終わった"みたいにファンの人たちは思ったでしょうしね。そこから伶司も加入して新たな4人になって、ようやくこの1stフル・アルバムが出せるという状況は、まさに自分たちにとっては輪廻転生みたいなものなんです。本当に生まれ変わりましたから。

伶司:今回のアルバムは昔のDEXCOREも、今のDEXCOREもすべて知れるものになってるんですよ。

-既存曲を現体制の音で生き返らせつつ、進化もさせ、新曲たちで新たな可能性を音として具現化する。そのふたつをDEXCOREは見事にやってのけました。となると、ここからはライヴの場でもその雄姿を拝みたいものですが......。

架神:もちろん、ライヴもやっていきます。Disc 1の中にはまだライヴでやってない曲のほうが多いですしね。10月のワンマンでは、制限がありますが観客動員もしながら配信もするというかたちでのライヴをやっていくことになってます。

澄:ライヴで映えそうな曲も今回のアルバムには多いですしね。

梦斗:あと、今回『[METEMPSYCHOSIS.]』の制作は、前作と同様にレコーディングもサウンド・プロデュースもミキシングもマスタリングもすべてセルフでやったので、音というものに対しての考え方がよりシビアになったところはあります。それに計30曲以上をこの半年ぐらいで手掛けてきたので、個々の耳もより育って、表現にしてもこの曲はこういうふうに聴かせていきたいとか、こういう音を出したいとかいうヴィジョンも明確になったと思うので、今後のライヴではそれが充分に生きてくると思います。

架神:誰かの人生を変えてしまうような音楽や、俺らの曲を聴いて"明日も頑張ろう"と思ってもらえるような音楽を、DEXCOREはこれからも音源やライヴを通じてみんなに伝え続けていきます。ここから絶対勝ちにいきますから。