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INTERVIEW

DESURABBITS

2020.04.01UPDATE

2020年04月号掲載

DESURABBITS

Member:EMI YUZU KARIN BUCHO

Interviewer:宮﨑 大樹

-ではEMIさんが考えるDESURABBITSで歌うことの魅力はなんでしょうか?

EMI:DESURABBITSっていうアイドル自体が好きで。自分がメンバーだからっていうのもあるかもしれないんですけど、もし自分がメンバーじゃなくなったとしても、DESURABBITSっていうグループが一番好きです。シンプルに曲が好きなんですよ。BUCHOのパートがあるからこそ他のグループには歌えない、私たちにしか歌えない音楽だし、マネしようと思っても作れないじゃないですか? ここでしか作れない曲だからこその良さもあると思うし、曲が好きだからデスラビの歌を歌いたいなって。

-では、KARINさんはどうですか?

KARIN:あの、これ、話を聞きすぎて......なんの質問か忘れました(笑)。

一同:(笑)

-音楽への姿勢や意識の変化についてですね。

KARIN:あ、前にいたグループ(usa☆usa少女倶楽部)のときは、なんとなくアイドルをやっていたんです。普段はあんまり自分のことが好きじゃないんですけど、唯一DESURABBITSをやっているときの自分だけは好きになっていって。自分が唯一必要とされている場所というか、普通に生きていたら、"自分が必要とされているな"って感じることは少ないじゃないですか? "自分はここにいていいのかな"って思っちゃったりするんですけど、DESURABBITSとしてやっているときはみんなが必要としてくれているし、"自分の居場所はここなんだ"って思えるから、DESURABBITSがあって良かったです。

-BUCHOはどうですか?

BUCHO:大きく分けると2点あるんですよ。まず、さっきEMIさんが言っていたんですけど、この4人でしか出せない武器っていうのがあって。BUCHOっていうキャラクターがいて、YUZUさん、EMIさん、KARINさんがいて、その4人でひとつの作品なんですね。舞台での駆け引きや、ダンスの決めるところ、緩めるところ、MCとか、それもこの4人じゃないとできない。我々だからできる武器っていうのは最強かなっていうのが1点目で。2点目として、我々は2019年から"兎革命"っていうテーマを掲げているんですよ。これは、自分たちで"こうしたい"、"ああしたい"っていうのを発信していこう、それを大人たちにぶつけていこうっていうもので。そういうことができるようになっているので、自分たちのやりたいことが具現化できるチーム作り、体制作りになっているっていうのがモチベーションの要因ですね。そのふたつがあるから続けられるし、今後も続けられると......思ってますっ!

-"兎革命"の話が出ましたけど、もし未来のDESURABBITSがグループの歴史を振り返るとしたら、2019年は確実に転機になるような1年になる気がしていて。BUCHOが言っていたように、2019年にもうひとつ掲げていた"成蝶"というテーマでひとりずつが"成蝶(成長)"して、より主体的になったように見えてました。

YUZU:以前は、大人たちに言われたことをやるので手一杯だったんですけど、メンバーが高校3年生だったり大学生になったりっていうところで、より自分たちのやりたいことを具現化しようという方向になって。2019年に"兎革命"を掲げるまでは、しばらくワンマンもリリースもなくて、それこそ最初に話した迷走期だったわけじゃないですか? その時期に、メンバーは変わっていないんですけど、運営の体制は変わっていって。いい感じの新しい風が吹いたときに"自分たちも変わるチャンスだ"と思いました。"今のままじゃダメだな"ってみんなも思っていたから、言霊っていうか、言ったほうがみんなに伝わるので"兎革命"として。その中で、"もう子供じゃないから、もっと表現者として成長したいな"っていう意味で"成蝶"を掲げました。

-では"成蝶"というテーマは自分たちの中から生まれた?

EMI:そういう意志はもともとあったけど、それをわかりやすく名前にしたみたいな感じで。

-そのテーマで1年やってきての手応えはありましたか?

EMI:自分の意志を持てるようになったと思います。自分はこうしたいとか、こうなりたいとか。

KARIN:最近はいろんな人に曲を作っていただくようになったんです。今は自分たちの等身大の想いみたいなものが曲になっていて、ファンの人に伝えやすい音楽をできているのかなって。

-たしかに、以前は一見コミカルな曲の中にメッセージが隠されているような曲も多かったですけど、最近はよりシリアスな方向になってきている感じで。また、音源やライヴで、より女性3人が前面に出て、BUCHOは後ろで支えていくようになった印象もあります。

BUCHO:僕は運営と演者として今までやってきたんですけど、"兎革命"の一環で、運営のほうを切り離してアーティストとして頑張ろうということになったんです。ただやっぱり、こういうヴィジュアル、こういうコンセプトがあるので、前に出るよりも後ろから、基礎の部分を支えようっていうところでDJの要素を取り入れていて。そのあたりがバックから支えている要因のひとつかなと思います。そうすることで、よりサウンド面が楽しくなった感覚がありますね。ステージ上で自分がトラックをいじっているっていうのもあるんですけど、よりライヴ感が前面に出てきているなっていうのを体感してます。

YUZU:DJを入れることで自分たちがやりたいライヴができるようになった感じがします。会場によってPAさんが違うから、呼吸が合わないときってどうしてもあるじゃないですか? でも私たちは7年やっているから、チームでのグルーヴ感っていうのが出せていて。そういうのが今はめちゃくちゃ楽しいです。

EMI:BUCHOのDJの繋ぎがカッコいい。たまにミスるけど(笑)。

-(笑)そういう声を表で聞くことができるようになったのは嬉しいですね。以前は3人+1人のグループとして見せていたじゃないですか? 今は4人のグループになっていて。

YUZU:昔は茶番として"3人VS部長"っていうのをやっていたときもあったんですけど、外から見たときに結局私たち自身も良く見えないし、部長もかわいそうだなってなっちゃうじゃないですか(笑)? そのときから楽屋とかではもちろんこういう感じだったし、今はより素で届けることができている感じですね。

-また、音楽的にはBUCHOが飛び道具的に目立ちがちだったころと比べて、「卒業少女‐未来絵‐」(2019年リリースの9thシングル表題曲)から、より女性ヴォーカル3人にフィーチャーした、メッセージ性の強い曲になっていっていますよね。

YUZU:変化に対する違和感とかはなくて。メタルやラウドロックを主としている部分は変わらないので、変わったような気もするけど、あんまり変わっていない気もします。BUCHOっていうエッセンスもあるし、3人の歌があるっていうことも変わらない、いい方向に変わったからライヴもやりやすくなったし、歌に感情も込めやすくなりました。"兎革命"からは、DESURABBITSの武器ってやっぱりライヴなんだなっていうのが共通認識として生まれたんですよ。そうして"ライヴを盛り上げるにはラウドロック系の曲がいいね"ってなったから、自然と曲が変わっていった感じで。自分たちに曲が合ってきた感じがしますね。今まではサウンド・プロデューサーさんもそうだし、MVとかもそうなんですけど、自社で完結させていたんですよ。"兎革命"以降は外部の方に頼んでやってもらっていて、だからこそいい意味で変わることができたのかなって思います。それこそ"成蝶"できたのかなって。

-"成蝶"に続く、今年2020年のテーマが"進化"なわけですけど、その言葉を体現するようなシングル『一瞬で』が完成しましたね。

KARIN:最初にデモが届いたときに"めっちゃいい!"って思って。"ビビっ!"と来ました。"自分のことなのかな?"っていうレベルで共感できて。ライヴではまだやっていないんですけど、絶対にファンの人も"ビビっ!"と来ると思います。

EMI:切ないけど前向きなところがすごく好きで。私たちはライヴに立つときの気持ちで捉えたんですけど、恋愛としても捉えられるし、聴き手によって視点が変わるから、いろんな人に届きやすい曲なのかなって思いました。特に1サビの2行目、"世界の片隅 消えちゃうかもしれないけど"っていう言葉がすごく好きです。

YUZU:初めて聴いたときに"めちゃくちゃライヴをしたいな"って思いました。本当にライヴ向きで、ダンスで魅せるところもあるし、曲の中でみんなと一緒に歌えるところもあるし、DESURABBITSがライヴでやりたいことが全部詰まっている曲。歌詞は、みんなでミーティングした中で伝えた気持ちを、作詞家さんに伝えて書いていただいています。だから自分たちの気持ちそのものだし、7年間やってきたなかで感じた自分たちの悔しかったこととか、嫌だったこととかを含めた気持ちが表れていて。早くライヴでやりたいです。

-手応えが発言に現れていますね。

YUZU:手応え感じてます。絶対にライヴ楽しいですもん。

EMI:"兎革命"を掲げてから"魅せる系"みたいな曲が多かったんですけど、「一瞬で」は魅せることもできるし、盛り上がることもできる、いいとこ取りができている曲です。

-サウンドの面では、ストリングスが前面に出ているのがまず驚きました。

YUZU:"進化"って掲げているくらいだから、音の面でも進化したいなって思って。ストリングスを入れることによって、ダンスの表現もバレエみたいに伸びやかな表現ができるようになったから、最高ですね。去年"成蝶"できたからこその"進化"をこの曲で出せています。

-歪んだギターに、ツーバス仕様のドラム、間奏でBUCHOのスクリームも入っていて、ラウドロック・アイドルとしての方向性を指し示した印象もありました。

YUZU:今まで私たちがやってきたことを総称したら、わかりやすく"ラウドロック"ということで、急に変わったわけではないんですけどね。

-改めて"ラウドロック"と名乗ったことに意義があるというか。

YUZU:そうですね。いろんな人に見てもらえるきっかけにもなるし、ラウドロックのファンにも、"DESURABBITSってBUCHOがいるグループなんだ"ってなるよりは、"DESURABBITSってラウドロックなんだ"と思ってもらえるから、チャンスだなって思います。