INTERVIEW
ZOMBIE POWDER × hiromitsu
2018.10.09UPDATE
2018年10月号掲載
ZOMBIE POWDER:Kaho Kureha Rua Kikuno
プロデューサー:GERU-C閣下
サウンド・プロデューサー:hiromitsu(deadbites/AIR SWELL)
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by ゆうばひかり
ゾンビって、何回引っぱたいても起き上がってくるじゃないですか? それって俺らバンドマンもアイドルも、いろんな人に言えるかもしれない(hiromitsu)
-では、そうして制作された曲の中で、メンバーのみなさんの特に思い入れのある曲をうかがってもいいですか?
Kikuno:私は「†我儘MESERY†」ですね。この曲はラヴ・ストーリーなんですけど、ゾンビ映画をイメージした曲になっているらしくて。"ミザリー"っていうホラー映画も実際にあるんですよね。それと歌詞が繋がっている部分があって、"怖いけどその人を愛していく"みたいな、自分では経験したことのないラヴ・ストーリーなんです。ライヴ中でセリフみたいに歌っているところがあって、お客さんからひとりを決めて、"あんたに届いてほしい"って想いながら歌うんですよ。そうやっていたら、この曲が一番好きになっていきました。
hiromitsu:カントリーとかロカビリーとかで男の子のことを総称で"ジョニー"って言ったりするんですよね。そういう文化がアメリカとかにあって、それの真似をして、不幸な女の子のことを"ミザリー"って呼んでいるような意味があるんです。そういう遊びを入れてます。
Kikuno:歌詞のゾンビ感が強いんです。"歩く死体"とか"脳ミソ食べさせて"とか、普通のアイドルが言わないようなことを言っていて、歌詞もZOMBIE POWDERらしいので注目してほしいと思います。
hiromitsu:"バタリアン2"(※1988年公開のホラー映画)の最後に一緒に逃げていたはずの彼女が感染しちゃって"お願いがあるんだけど、脳ミソかじっていい?"っていうシーンがあるんですよ。それでこの曲は1番の"隣で眠らせて"から、最後に"脳ミソ食べさせて"で終わるっていうストーリーがあるんです。
-曲の始めも心電図みたいな音から始まりますよね。
hiromitsu:これも"ドーン・オブ・ザ・デッド"(※2004年公開のホラー映画)のリメイクで、生きているはずなのに心電図が"ピー"って鳴っているっていう、遊びですね。
-Kahoさんはいかがですか?
Kaho:私はライヴで鉄板って言うほど最後にやっている「DEAD DIARY」です。今のコンセプトであるホラー・パンク・ロックに値している曲なのかなって。歌詞がゾンビ目線というか、ZOMBIE POWDERからしか届けられない言葉で表してあるんです。普通に喋っている言葉で伝えた方が伝わるんだけど、あえてそれをゾンビからの言葉で伝えているっていうのが、自分とすごく重なる部分があります。あと、曲の最後の方にはファンの人も目をうるうるさせながら拳を上げてくれて、ひとつになれる曲かなと思います。
-表題曲ということもあり、この作品を象徴するような曲ですよね。
hiromitsu:僕も一番思い入れがある曲かもしれないです。ゾンビって、何回引っぱたいても起き上がってくるじゃないですか? それって俺らバンドマンもアイドルも、いろんな人に言えるかもしれないなと。特にZOMBIE POWDERは1回休止期間があって、その間はライヴをせずにレコーディングだったりフライヤーを撒いたりしていたんです。そういうのを間近で見たときに衝撃だったし、いじめられた経験とかをしてきている人に聴いてほしい曲でもあります。あくまでホラーというフィルターを通してなんだけど、そういうこともわかって歌詞を見てもらえたら。
Kaho:サビを聴いてほしい。"朽ち果ててく身体 それでも叫び続けるよ"とか、ゾンビしか歌えない言葉で、歌っているときにも本当に役に入っちゃうので、そこも観てほしいです。
GERU-C閣下:この曲は最後までhiromitsu君と歌詞で悩んだんですよ。それで、最後の最後に"闘って行く"に変えているんですよね。ベタになるかもしれないって悩んだけど、"より勇気を持って前に進もう"というメッセージなんです。
hiromitsu:ということを日記(DIARY)に書くことによって、自分に言い聞かせている歌詞でもあるんですよね。
Kaho:最後に"DEAD DIARY"って言うところがあるんですよ。そこを私の声が聞こえないくらいにファンの人が"DEAD DIARY"って言うんです。そこで、歌ってて良かったなって思いますね。