ZOMBIE POWDER：Kaho　Kureha　Rua　Kikuno
プロデューサー：GERU-C閣下
サウンド・プロデューサー：hiromitsu（deadbites／AIR SWELL）
インタビュアー：宮﨑 大樹　Photo by ゆうばひかり

－アイドルのカルチャーって、ファンも巻き込んで曲を仕上げていくみたいな感じもあって、バンドではないような盛り上がり方をしますよね。

hiromitsu：初めて見たときはすごい衝撃でしたね。今では慣れて、"もっと頑張れ"みたいに思ってます（笑）。

GERU-C閣下：彼女たちはhiromitsu君の楽曲を武器として与えてもらって、日々ライヴで曲を育てているんだけど、まさにフロアのお客さんがスパイスになっているんです。ただ、ZOMBIE POWDERの楽曲は従来の地下アイドルらしい楽曲が少ないために、ファンもどう盛り上げるか悩むわけですね。それがこの1～2ヶ月の間に成熟してきてるんですけど、それを見ているhiromitsu君が、"そこに入りたい、交じりたい"って気を出してます。

hiromitsu："すごい楽しそう"って。"これって俺がパンクに入ったきっかけでもあるな"って思ったんですよ。"暴れているモッシュに交ざりたい"ってガキのころに思ってたから。目の前でアーティストがパフォーマンスをしていることに対しての、お客さんも含めてすべての空気感が楽しそうって思っていたことを思い出したかな。

－続いて、Ruaさんはどうですか？

Rua：私は「BLOODY BRIDES」っていう曲です。最初はめっちゃ嫌だなって思っていたんですよ。英語が多いから......。

一同：（笑）

Rua：英語だし、ラップもあるし、キーも難しいし"なんなん？"って思っていたんです。でもライヴで歌っていくにつれて好きになっていきました。曲に"死の花嫁"っていうテーマがあって、それにちなんで"祈りのポーズ"っていう振付があるんです。疾走感がありつつ、その祈りのポーズで緩急をつけている曲です。

hiromitsu：この曲は俺らがバンドでやっても難しい曲だと思います。でも、スタジオで振付を観たときにビックリしましたね。さっき言った、"曲が3割増になった瞬間"に立ち会えたことが、すごい衝撃でした。すごいかっこ良くしてくれたなって。

－では、Kurehaさんはどうでしょう？

Kureha：私は「FIRE & MOONLIGHT」っていう曲です。初めて聴いたときに"え？ 民族？"って思ったんですよ（笑）。曲調がめちゃくちゃ民族音楽で、ダンスも衣装を使った振付だったり、ステップだったり、なんなんだろうって思って。でもセリフだったりとか歌詞だったりとか、力強い感じが好きです。

－まさにhiromitsuさんがやっていたTHE CHERRY COKE$という感じで、個人的にはこの曲が一番好きです。

hiromitsu：ありがとうございます！ バンドマンの方とかはみんなそう言ってくれます。変な話、こういう曲ならいくらでもできますよ、という感じはありますね。お家芸というか、THE CHERRY COKE$のときはメイン・コンポーザーという形でやっていたわけだし。この曲に関してはすんなりと、そのときのものをやっただけなんだけど、それをZOMBIE POWDERに落とし込むのはどういうことかなって考えて、セリフを入れました。エピック・メタルとかヴァイキング・メタルの曲ってストーリーになっていて、北欧神話だったりRPGの世界観があったりするんです。今回も旅をしている女戦士4人組みたいな感じで。"FIRE & MOONLIGHT"って"月と焚き火"だから、森系というか、俺が過去に作った世界観を知っている人は、歌詞も含めて"そうだよね"って思ってくれる気がします。

－「FINAL DESTINATION」についてはいかがですか？

Kikuno：この曲は楽しむというよりは見る曲ですね。振付も見せる振付というか、ほかの曲と違うのでライヴは観て楽しんでいただきたいです。歌詞はひとりぼっちの子が頑張っている風景が見えてくるような曲なので、暗い気持ちになった人に特に聴いてほしいなって思いました。

－たしかに聴かせる曲で、落ちサビも印象的ですよね。

hiromitsu：落ちサビはすごい時間が掛かったんですよ。ひとりだった子がある異性と出会って、"ふたりでどこかに逃げちゃおうか"っていう歌なんです。

－さて、12月30日には渋谷WWWでワンマン・ライヴ"#1 Living Dead"を予定していますが、こちらに向けた思いや意気込みはいかがですか？

Kaho：前回のワンマン（2018年7月21日に渋谷WWWで開催した"ZOMBIE POWDER　1stワンマンLIVE　＃0『resuscition』"）は無銭（無料）で300人動員っていう目標だったんですよ。今回はお客さんからお金をいただいてのワンマンなので、私たちが本気を見せないと絶対に足を運んでくれないと思うし、前回よりもレベル・アップしたZOMBIE POWDERを届けるので、観に来てくださいっていう気持ちです。

Kureha：渋谷WWWは普通の会場と違って、フロアが段になっている会場なので、みんなの顔がよく見えるんですよね。300人の顔が見えたときの"ヤバい"っていう感情をそれ以上の人数でまた味わいたいです。

Kikuno：前回のワンマンではZOMBIE POWDERが生まれ変わった状態を披露したんですけど、今回は進化したZOMBIE POWDERを見せたいので、そこもチェックしてほしいですね。