INTERVIEW
おはようございます
2018.09.06UPDATE
2018年09月号掲載
Member:鯖(Vo) 梛(Gt) 鬱P(Ba) 山﨑 浩二朗(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-入るべき人が加入した感じですね。また曲についてのお話もしたいのですが──
鬱P:まぁ、そこは見てくれればいいですよ。
-せっかくの機会ですから、お願いします。「デザインの無い世界」、これはディストピア感満載ですね。
鬱P:これも最初に言ったように、まずは単語から決まって。もしデザインがなかったらどうなるかっていう、そのままの流れでできていった曲です。基本的にそういうテーマで曲を書くときは、頭の中で"世にも奇妙な物語"的なものが流れていて。
-シュールな感じの映像とかストーリーが湧くような。
鬱P:そういうのをもとに、"世にも奇妙な物語"みたいなフォーマットならどうなるだろうなっていう感じで作っていて。「植物大爆笑」とかもそうですけど、これは歌詞でいろんな比喩や擬人化が出てくるけど、でもそれは人間が勝手に考えていることだから、"実際もし植物が意志を持っていたらどうなるだろう? 実は意外と適当なんじゃないか"っていう。歌詞を重視で書いているような人が書きそうな比喩をバーっと並べて、サビでぶち壊しにするみたいな(笑)。
鯖:はははは(笑)。
鬱P:サビ以外のところは、こういう歌詞よう見るなっていうものになってます。
-そういうところで皮肉っぽい面白さが出てくるんでしょうね。ちなみに、この"植物大爆笑"の"大爆笑"っていうのはどこからきているのでしょうか? ザ・ドリフターズからのものですか?
鬱P:ビートダウンの部分は、思いっきり"ドリフ大爆笑"のオープニング・テーマになってます。
鯖:オマージュになってます。
鬱P:ちなみに、歌詞では"植物は大爆笑"って書いているんですけど、"植物大爆笑"っていうタイトルになっているのも、そのままドリフ(ザ・ドリフターズ)の感じで。ドリフって、あの番組タイトルは"ドリフ大爆笑"だけど、歌詞では"ド・ド・ドリフの大爆笑"って歌ってるんですよね。激ロックを読んでいる世代にわかるかどうかですけど(笑)。僕もリアルタイム世代じゃないですからね。まぁでも、サカナクションの「新宝島」(※ミュージック・ビデオなどで"ドリフ大爆笑"を始めとした昭和の歌番組やバラエティ番組をオマージュしている)とかでみんな知っているかなと。
-この曲はアウトロのギターがポイントでもありますね。
鯖:きた!
梛:これは、最初はフェードアウトする予定じゃなかったんですよ、曲としても。
鬱P:普通にかっこいい感じの終わり方でした。でもなんか歌を録っているときに、"これめっちゃJ-POPっぽいサビですよね"とか、"これなんでMV撮らないんですか?"ってすげぇメンバーにも言われていたんです。たしかにポップで、わりと他の曲と比べると普通というか、目立って変なフレーズとかはなくて、きっちり収まっている曲だったので。みんなが聴いたときに、"こっちをMVにした方がいいじゃん"って思われたらあれだなと思ったんです。だったら、この曲をおかしくしちゃおうという発想で。これはシングルにしないよなっていうものにしようと。
-そこで捻っちゃうんですね。
鬱P:どうしても「真面目にやる」とか「モキュメンタリー・オブ・トーキョー」を前面に出したかったので、じゃあこれをどうしようかなというときに、すげぇ90年代っぽいギター・ソロ入れようかっていう。
梛:歌メロを追っ掛けちゃうみたいな(笑)。
鬱P:それをやったら、最後はフェードアウトしかないでしょうと。それで作っていたアウトロは全部カットして、梛君に"1分くらいあるから弾いて?"って言ったんです。
梛:そこからは、どうやったらダサくなるかで。90年代感を出したいと。
鯖:"自分がB'zの松本(孝弘/Gt)さんだと勘違いしてる素人"というテーマでやってましたね。
-なかなか、おはようございますではやらないギター・ソロですね。
梛:初の試みですね(笑)。できあがって(鬱さんと)ふたりで爆笑しましたね(笑)。やべぇよって。
鬱P:これはシングルじゃねぇわって。でも、もともとがね、真面目なのをサビでぶっ壊すというテーマの曲だからいいんじゃないかなっていうね。
鯖:でも、もともと今作を作る前に、"次の盤は普通のやつ、シンプルなやつにする"みたいな話をしていたんですよ。最初に上がってきた曲はたしかにそうだったんですけど、最終的に蓋を開けてみたら、また「真面目にやる」とか「モキュメンタリー・オブ・トーキョー」とか、いつもの感じだなと思ったんです(笑)。それで"最初に言ってたテーマと違うんですけど、いいんですか?"って話をしたら、"そう?"って。"じゃあ、逆にこの「植物大爆笑」を変な感じにするわ"って言って、こうなっていくという(笑)。
山﨑:作家魂に火がついちゃった。
鬱P:昔からそうなんですよね。