Jupiterが、復活の狼煙を上げるニュー・シングル『Theory of Evolution』を完成させた。昨年リズム隊を一新し、今年はex-CONCERTO MOONのKUZEがフロントマンとなり、新5人体制で早くも動き始めた彼ら。その意味では、今作を待ちわびていたファンも多かったのではないか。サウンド的にはより重心が低くなり、ハイトーン・ヴォーカリストが加入したことで、バンドの表現領域は格段に広がったと言っていい。ここに辿り着くまでの道のりと新たな出発を誓った今作の内容について、メンバー5人に取材を敢行した。

－今作は新体制による第1弾作になりますね。

HIZAKI：去年RUCYとDAISUKEが加入して、そろそろ自分たちが目指すところが見えてきたタイミングで前のヴォーカルが脱退したので、どうしようかなと思いました。それこそ、海外のヴォーカリストも探していたくらいで。KUZEさんとは、過去に一度対バンしたことはあるんですが、まさかこの人とやるとは思わなかったですね（笑）。

－というのは？

HIZAKI：すごく年上だと思っていたら、世代も近いし、親近感も湧いて。ただ、やっていたバンドがゴリゴリのジャパメタだったから、そっちにいきすぎるのもなって。でも話してみると、いろんなものが好きだというのがわかったので、バンドの可能性も広がると思い、お願いしました。

－どこが決め手になったんですか？

HIZAKI：ヘルプで2回くらいヴォーカルをやってくれたときに、歌に熱心だったし、音楽に向かう姿勢にも刺激を受けて。

KUZE：以前にヘルプしたときに、みんなフレンドリーだし、音を聴いたら男らしくて、すげぇかっこいいなと思ったんですよね。バンドの進め方も、一緒にやりたいと思えるくらい熱心だったから。誘ってもらったというか、僕から入れてくれと言った感じですね（笑）。音楽的には幅が広いし、自分もいろんな声を出してみたかったので。

HIZAKI：グロウルの曲も多いので、大丈夫かな？ という不安もあったけど、グロウルを練習してるみたいだし、なんとか形になりそうだなと。あと、RUCYはこっそりヴォーカルの座を狙ってるみたいで（笑）。

RUCY：ははは、そうですね（笑）。レコーディングでも声を入れる機会が増えてきたので。

HIZAKI：武器は多い方がいいですからね。

－将来はツイン・ヴォーカルも視野に入れて？

HIZAKI：いや、ほんとにそうしたいぐらいなんですよ。

－先ほど海外のヴォーカルを探していたと言ってましたが、もう少し詳しく聞いてもいいですか？

HIZAKI：ヨーロッパ、アジアも探したんですけど、実は"俺がやる"と立候補してくれた人がいて。メンバーも一緒に海外に住むとまではいかないけど、"海外で勝負しないか"という話も持ち上がったんですよ。でもその人を日本に呼んだら、チケットを高くせざるを得なくなるから。現役でバンドをやってる人なので、向こうがツアー中だとこっちは何もできないですからね。現実的に考えたら難しいなと。

－バンド的には、2016年にリズム隊の脱退もありましたね。

HIZAKI：そうですね。DAISUKEに"誰か紹介してくれない？"と相談したら、"俺がやる"と言い出して。何度かライヴを観たときも、"パワフルなドラムを叩くなぁ"と思っていたから、加入してもらうことになりました。

DAISUKE：メタルはもともと好きだし、沖縄にいたときもずっと米兵の人と一緒にメタルをやってましたからね。Jupiterの音楽性も好きでした。

HIZAKI：米兵と一緒にバンドをやっていたって、そのキャリアが面白い。

DAISUKE：ははは（笑）。SLIPKNOTとか、新しめの音楽もやってましたね。僕はツーバスも踏めるので、Jupiterはツーバスの曲がさらに増えたんじゃないかと思います。

－今作はたしかにより速く、重くなってますよね。

HIZAKI：ですね。DAISUKEは返事が適当で、"このテンポでツーバスって大丈夫？"と聞いたら、"あぁ、大丈夫じゃない"って感じで（笑）。

DAISUKE：今回は、なかなか限界でしたね。

HIZAKI："できない"と言わないところがいいなと（笑）。

TERU：DAISUKEのドラム好きなんですよね。

DAISUKE：それは初めて聞いた（笑）。

TERU：ライヴでも感情に波があるし、いい意味で人間らしいドラムを叩くから。リズム隊が替わって、バンドがさらにかっこ良くなったと思います。