INTERVIEW
Jupiter
2013.08.21UPDATE
2013年08月号掲載
Member:HIZAKI (Gt) TERU (Gt) ZIN (Vo)
Interviewer:荒金 良介
-シングルに続き、今回フル・アルバムが完成しましたね。Versailles活動休止から新バンドへの動きはとても早く感じました。やはり間隔を空けたくない、という気持ちは強かったですか?
HIZAKI:そうですね。活動休止を発表したのが1年前で、考える時間は十分ありましたからね。すぐに動いたつもりだったけど、それでも半年ぐらいお客さんを待たせてしまった。(音源)リリースありきで考えていたので、早く作曲して、レコーディングしようと考えてました。
-新しいバンドをスタートさせる上で構想は練りました?
HIZAKI:僕とTERUが一緒にやれば、必然的に前の流れに沿った曲調になる。だから、メンバー間で音楽性の話はあまりしなかった。お客さんが求めているものはわかってますからね。
-意識的に以前とガラッと音楽性を変えるバンドもいますけど、そうではなく?
TERU:変えることで離れていく人もいますからね。いままで自分たちが信じてきたもの、作ってきたものを引き継いで、これからもやっていきたい。
HIZAKI:結構残念な結果が多いんですよね(笑)。例えば次の作品で、すごくデジタル要素を加えて“これが僕らの進化だ!”というバンドもいるけど、ガッガリするファンもいるわけで、そう思わせたくなかった。
-以前から自分たちのことを好きだったファンの気持ちは裏切りたくない?
HIZAKI:はい。まあ、好きでこういう音楽をやってるし、今回はヴォーカルも変わったし、また聴こえ方も違うと思うんですよ。ヴォーカル中心で聴く人はガラッと変わった、バック全体で聴く人はそんなに変わらない……人によって意見は違うけど、それはそれで面白いかなと。
-ヴォーカルはバンドの顔になるわけで、不安はなかったですか?
HIZAKI:最初の探してる段階では本当に見つかるかな、と不安でした。でもZINとスタジオに入ったときに、いけるんじゃないかと。
-ZINさんに声をかけた理由は?
HIZAKI:もともと知り合いで、以前から歌に熱心な人だなあと感じて。ヴォーカルによくありがちな歌のことしか考えないタイプじゃなく、ロック・ヴォーカリストとして成長していきそうな可能性を感じたんですよ。余談ですが、普段から一緒にメタル・バンドのライヴにも行きますからね(笑)。
ZIN:大好きなんですよ!HIZAKIさんが言われたように、ヴォーカリストはヴォーカルしか聴かない人もいるかもしれないけど、僕にとっては全部の楽器が魅力的で……そういうところですかね?
HIZAKI:それがいちばんわかったのは、レコーディングのミックスのときに“このドラムがいいから上げたい!”とか、そういうことばかり言うんですよ。それでこのヴォーカルで良かったなと(笑)。
-ちょっとしたプロデューサーじゃないですか。
ZIN:はははは。俺自身も1人ひとりをリスペクトしてるし、全部の音が好きだから。
-実際バンドの中に入ってみて、どうですか?
ZIN:すごいテクニカル集団というのは事前に知ってましたけど、実際に音を合わせたり、一緒に生活すると、音楽に対する姿勢が真剣だし、全力で向き合ってるんですよね。そこは素敵だなと思うし、俺も刺激を受けます。
-今作の方向性はスタジオで音を合わせたときから、しっかり見えてました?
HIZAKI:サウンドの方向性は見えていたけど、ZINはいろいろな声質を持っているので、どういうキャラクター付けにするのか。そこは試行錯誤しました。
-というのは?
HIZAKI:いろんなタイプの声を出せて、すべての平均レベルが高いんですよ。(ZINは)メジャー・シーンは初めてだし、どういうキャラにしようか、そこは探りながらやりました。
ZIN:僕の中では楽曲がこう歌ってくれ、と言ってくれてる気がして。基本的にはそれを素直に聴いて、素直に挑む。アルバムを通していろんな自分がいるのは、楽曲の要求に歌で応えようと思ったからじゃないですかね。
―自分のエゴを押し出すよりも、楽曲の雰囲気を重視した歌声を目指そうと。
HIZAKI:洋楽的というか、歌も楽器の一部みたいな感覚で、そこは僕らが目指していたところですね。僕やリズム隊もそうだけど、DREAM THEATERはストーリー性があって、それを表現するための音楽みたいな印象を受けたんですよ。ZINもストーリーに基づいた声の出し方が得意だから。
ZIN:楽曲の中に起承転結のストーリーがあるし、歌詞とリンクした歌い方をすることで、ストーリーが生まれると思うんですよ。曲も歌詞も最大限に活かして歌ってます。